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用語集 - 事業

アグリゲーター(事業)

電力業界におけるアグリゲーターとは、需要家の持つエネルギーリソース(太陽光発電やエネファーム、EVなど)を束ね、需要家と電力会社との間に立って、電力の需給をコントロールする事業者のことです。

例えば、電力の需要がひっ迫した際には、電力会社の依頼を受けて、アグリゲーターが需要家に対して使用する電力量を抑えるように指令を出し、抑制された電力をまとめて電力会社に提供します。これにより、電力の需要抑制に協力した需要家が報酬を得るとともに、需要家と電力会社の仲介をしたアグリゲーターも報酬を受け取ります。

出典:経済産業省資源エネルギー庁「電力の需給バランスを調整する司令塔『アグリゲーター』とは?」:資源エネルギー庁サイトへ

参考

ESCO(事業)

Energy Service Companiesの略。省エネルギーに関する包括的なサービスを提供するビジネスです。事業者は顧客の省エネルギー改修を請け負い、改修に必要な費用と自らの報酬を、改修によって発現した効果(光熱水費の削減分)から賄います。もしもエネルギー削減効果が保証契約値に届かなかった際は、ESCO事業者がペナルティーを支払い、顧客が被る損失も補塡。顧客の利益の保証と最大化を図っています。

実施内容と事業者の例

ESCO事業者は、「診断、設計・施工、運転・維持管理、資金調達」といった、省エネルギー改修に必要なすべてのサービスを包括的に提供します。また、削減効果を保証していることから、改修効果を計測・検証し、目標達成に向けて必要な調整やさらなる改善提案なども実施するため、顧客は確実な省エネルギー効果が期待できます。

【正会員(五十音順)】
アズビル株式会社 、株式会社ヴェリア·ラボラトリーズ 、NECキャピタルソリューション株式会社、大阪ガス株式会社、株式会社OGCTS、株式会社関電エネルギーソリューション、株式会社関電工、株式会社きんでん、グンゼエンジニアリング株式会社、京葉ガス株式会社、三機工業株式会社、静岡ガス株式会社、清水建設株式会社、新日本空調株式会社、株式会社スターメンテナンスサポート、ダイダン株式会社、中部電力株式会社、東京ガス株式会社、東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社、東芝キヤリア株式会社、日本開発興産株式会社、日本工営株式会社、日本電技株式会社、日本ファシリティ·ソリューション株式会社、日立キャピタル株式会社、株式会社日立製作所、三浦工業株式会社、三井物産株式会社、三菱UFJリース株式会社、株式会社ヤマト、菱機工業株式会社 ※2020年3月現在

ERAB

コラム参照

PPA(オンサイトPPA・オフサイトPPA)

PPAとは、「Power Purchase Agreement(電力購入契約)」の略で、太陽光発電設備を所有する発電事業者(PPA事業者)と、太陽光発電による電力を調達したい需要家の間で電力の売買を行う契約のことです。PPA事業者が太陽光発電設備の導入にかかる費用を負担し、需要家が太陽光発電設備で得られた電気を購入します。PPAは、太陽光発電設備の設置場所によって「オンサイトPPA」、「オフサイトPPA」の2つに大きく分けられます。

  • オンサイトPPA

    需要家の敷地内に太陽光発電設備を設置する方法のことです。

     

    オンサイトPPAでは、逆潮流防止のために太陽光発電容量/出力を抑え、全量自家消費型とすることが一般的ですが、最近では、自家消費しきれない分の電力を小売電気事業者などに売電する「余剰活用モデル」を採用する例も見られます。余剰活用モデルでは、余剰電力を発電販売計画に取り込む必要があるため、太陽光余剰予測サービスも注目されています。
オンサイトPPA余剰活用モデル
  • オフサイトPPA

    需要家の敷地外の土地に太陽光発電設備を設置する方法のことです。

    オフサイトPPAは、自社の敷地の広さや条件に関係なく実施できるため、太陽光発電設備を設置するだけの十分な屋根のスペースがない企業や、屋根のスペースだけでは消費量を賄いきれない大規模需要家での導入事例が増加しています。

    また、オフサイトPPAには、「フィジカルPPA」と「バーチャルPPA」があります。

    「フィジカルPPA」では、需要家はPPA事業者から電力と環境価値の両方を購入します。一方、「バーチャルPPA」では、需要家は環境価値のみを購入し、電力の調達先を変更する必要がありません。PPA事業者は、発電した電力をすべて市場に卸売り、需要家との間で予めPPA契約で定めた固定価格と市場価格の差額を清算します。

フィジカルPPA、バーチャルPPA

関連ソリューション

マイクログリッド

ある一定のエリア内で、電力などの安定供給を実現する小規模なエネルギーネットワーク。電力供給には、太陽光発電や風力発電といった複数の自然変動電源が利用されるため、天候変動により出力低下が懸念されます。そこで、エネルギー需要に適合させるために、情報通信技術を利用して運転を管理するという特徴を持ちます。ガスエンジンなどの制御可能な電源なども利用し、電力の安定供給を図っています。

事業者例/実施内容

2011年の東日本大震災の発生時に、優れた機能を発揮し、マイクログリッドにおける世界的な評価を得たプロジェクトがあります。株式会社 NTT ファシリティーズと東北福祉大学のコンソーシアムが、同大学内に構築した実験設備「仙台マイクログリッド」です。震災直後、システムの心臓部であるガスエンジン発電装置が安全動作により電力供給を停止したものの、専門スタッフが手動で起動。仙台市内では家庭等へのガス供給が大きく混乱する中、耐震性の高いガスパイプラインでガスの供給を受け続け、蓄電池や太陽光発電も活用しながら、医療施設や介護施設等に対して電気や熱を約 43 時間供給し続けました。

VPP(バーチャルパワープラント)

Virtual Power Plantの略。自家発電システムや蓄電池などのエネルギーリソースが、工場や家庭に分散して存在しています。その一つひとつは小規模であっても、それらをIoT技術によって統合し遠隔で制御することで、一つの発電所のように機能するため「仮想(バーチャル)」の「発電所(パワープラント)」と呼ばれます。デマンドレスポンスといった需要家側の「省エネ」も、統合・制御の対象になります。

制御内容とメリット

電気が余る際には各エネルギーリソースの出力を抑制。不足しそうな際には蓄電池から放電させたり、電力消費を抑制させるデマンドレスポンスを実施するなど、電力の需給バランスを最適化します。これにより、電力消費のピーク時に合わせた発電設備を保有しておく必要がなくなり、コストを抑えることができます。

DR(デマンドレスポンス)

Demand Responseの略。電力会社が「電気の需要量に合わせて、供給量を調整」するのではなく、需要家側エネルギーリソースの保有者もしくは第三者が「電気の供給量に合わせて、需要量を制御」する方法です。電力不足が予想される際に需要(消費)を減らす(抑制する)「下げDR」と、供給過剰の際に需要を増やす(創出する)よう需要家に要請する「上げDR」の、2種類があります。

制御の内容

需要を制御する方法には、区分が2つあります。まずは「電気料金型」で、電力需要がピークとなる時間帯の電気料金を割高にすることにより、電力消費を抑制しようとする方法です。もう一つは「インセンティブ型」で、需要家が契約を結んだ電力会社からの要請に応じて電力消費を抑える方法です。需要家は節電への対価を受け取ることができます。このインセンティブ型の下げDRのことを、特に「ネガワット取引」と呼んでいます。

情報銀行

本来は、個人データや個人の行動データなどを、当人から同意や契約を得た上でPDS(Personal Data Store)などのシステムを活用して安全に管理し、妥当性を判断して第三者へ提供する事業です。第三者は、データを研究やサービスの向上などに役立て、その便益が個人の生活や社会に還元されていくという考え方です。電力事業においても、個人の電力利用データを災害対策や商業活動に活用する取り組みがなされています。

事業者例/実施内容

中部電力株式会社では、情報銀行の仕組みを使って個人データを安全・安心に地域内で流通させ、生活向上や地域活性化を目指す地域型情報銀行サービスの実証を、愛知県豊田市で始めました(2020年3月)。豊田市在住者や豊田市を来訪する人たちに同意をとり、パーソナルデータを活用して約50の提供事業者や約25の豊田市関連施設(市民文化会館など)から、顧客に合った情報を発信しています。

ZEB

ZEB(ゼブ)とは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称で、快適な室内環境を実現しながら、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物のことです。

一次エネルギーとは、石油や天然ガス、石炭・水力・風力・太陽光など、自然から採取するエネルギーのことですが、私たちが建物で主に使用する電力やLPガス・灯油などは、一次エネルギーを変換・加工した二次エネルギーです。

ZEBにおいては、省エネによって使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、一次エネルギー消費量を正味(ネット)でゼロにすることを目指しています。 

ZEBには、達成度が高い順に以下の4種類があります。

  • ZEB:
    年間の一次エネルギー消費量収支が実質ゼロまたはマイナスを実現している建物のこと。
  • Nearly ZEB:
    ZEBに限りなく近い建築物として分類される。ZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーによって一次エネルギー消費量をゼロに近づけた建物のこと。
  • ZEB Ready:
    将来的なZEB化を目指し、外皮の高断熱化および高効率な省エネルギー設備を備えた建物のこと。
  • ZEB Oriented:
    ZEB Readyを見据えて、外皮の高性能化および高効率な省エネルギー設備に加え、さらなる省エネルギーの実現に向けた措置を講じた、延べ面積が10,000平方メートル以上の建物のこと。4つの分類の中で最もエネルギー削減率が低い。

またZEBには、エネルギー消費を減らすこと以外にも、光熱費の削減、従業員の快適性・生産性の向上、事業の継続性の向上、不動産価値の向上などのメリットがあります。

関連ソリューション

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