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ガス事業

保安

生活や産業に欠かせない、都市ガスやプロパンガスの利用。これによる事故や災害を防止して、公共の安全を確保するという考え方です。「高圧ガス保安法」や「液化石油ガス法」といった法律では、ガスの輸入や製造、貯蔵や販売等における取り扱い方法を定めています。また、保安専門の機関も設立されており、保安のための調査・研究などを行っています。

各ガス事業者の役割

人々に身近なところでは、特に「ガス小売事業者」と「一般ガス導管事業者」の保安責任は重要です。ガス小売事業者には、利用者の消費機器(ガス機器)の「調査・危険発生防止の周知に関する義務」が課され、保安業務規程の作成と経済産業大臣などによる登録が必要です。そして、ガス導管(供給管)を維持・運用する一般ガス導管事業者には、消費者の消費機器と内管に対する「緊急保安および内管の漏洩検査の義務」が課されています。また、開栓や定期保安検査においては、小売事業者と導管事業者間が連携しています。なお、平常時・災害時ともに、全ガス事業者に連携・協力の努力義務が課されています。

LPG(液化石油ガス)/LNG(液化天然ガス)

LPG、LP ガス(Liquefied Petroleum Gas)は、原油や天然ガスの採掘、石油精製の過程で得られるガスを液化したものです。ガスは常温・常圧において気体であるものの、冷却・加圧により液化し、体積が1/250となるため輸送が容易になります。
LNG(Liquefied Natural Gas)は、「水分、硫黄化合物、二酸化炭素」などの不純物を除去した天然ガスを-162 ℃まで冷却して液化したものです。これにより体積が1/600となるため輸送が容易になります。LNGは、石油や石炭と比較すると、二酸化炭素や窒素酸化物、硫黄酸化物の排出量が少ないエネルギーとして注目されます。

LNG基地

タンカーによって輸送されてきた LNG を、一時的に貯蔵しておく施設です。また、需要に応じて再びガス化し、パイプによって需要先へ送り出します 。タンカーから LNG を受け入れる大規模な「一次基地」、ここから液体のまま輸送して再ガス化する小規模な二次基地(サテライト基地)などがあります。

日本の主要基地(1次基地)と所有事業者

石狩LNG基地:北海道ガス、北海道電力ほか
八戸LNGターミナル:JXTGエネルギー
新仙台火力発電所:東北電力
仙台市ガス局港工場:仙台市ガス局
日本海LNG新潟基地:日本海エル・エヌ・ジー
上越火力発電所:JERA(中部電力)
直江津LNG受入基地:国際石油開発帝石
富山新港火力発電所:北陸電力
相馬LNG受入基地:石油資源開発
日立LNG基地:東京ガス
東扇島火力発電所:JERA(東京電力)
袖ヶ浦火力発電所袖ヶ浦LNG基地:JERA(東京電力)、東京ガス
扇島LNG基地:東京ガス
富津火力発電所:JERA(東京電力)
南横浜火力発電所根岸LNG基地:JERA(東京電力)、東京ガス
清水LNG袖師基地:清水エル・エヌ・ジー
知多LNG事業所:知多エル・エヌ・ジー
知多LNG共同基地:JERA(中部電力)、東邦ガス
知多緑浜工場:東邦ガス
川越火力発電所LNG設備:JERA(中部電力)
四日市LNGセンター:JERA(中部電力)
四日市工場:東邦ガス
泉北製造所第一工場:大阪ガス
泉北製造所第二工場:大阪ガス
堺LNGセンター:堺エル・エヌ・ジー
姫路製造所:大阪ガス
姫路LNG基地:関西電力
水島LNG基地:水島エル・エヌ・ジー
廿日市工場:広島ガス
柳井発電所:中国電力
坂出LNG基地:坂出エル・エヌ・ジー
新居浜LNG基地(建設中):新居浜LNG
戸畑基地:北九州エル・エヌ・ジー
ひびきLNG基地:ひびきエル・エヌ・ジー
大分LNG基地:大分エル・エヌ・ジー
長崎工場:西部ガス
鹿児島工場:日本ガス
吉の浦火力発電所:沖縄電力

ガスホルダー

「ガスタンク」などとも呼ばれる、ガスの貯蔵装置です。時間によって需要に大きな変動がある都市ガス。しかし、ガス製造設備による生産量には限度があるため、需要のピーク時に足りなくなる分を、貯蔵してあるガスで補う役割を果たします。

 

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