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送配電事業

一般送配電事業者

一般送配電事業を営む許可を、経済産業大臣から受けた者をいいます(事業法第2条第1項第9号、第3条)。自らが維持・運用する送電/配電用の電気工作物を使って、託送供給および発電量調整供給を行います(発電事業は除く)。日本全国を10区域に分割し、旧一般電気事業者である10電力会社の送配電部門が、1区域に1事業者ずつ分かれて電気を供給しています。

背景(電力自由化)

戦後から10電力会社による電気事業の地域独占が長らく続いていましたが、社会環境の変化などから電気事業でも「発電・送配電・小売」を分離して自由な競争原理を導入することとなりました。これを一般に「電力自由化」といいます。3回にわたって電気事業法が改正され、段階的に自由化の対象が拡大しています。平成17年に使用規模50kW以上の全ての高圧需要家に対する電力供給が対象になり、平成28年には50kW未満の低圧電力や、一般家庭など向けの電灯も対象となりました。こうして、全ての一般需要家が自由に電力の購入先を選べる、小売の全面自由化が実現しました。そして、改革の最後として送配電を自由化する「発送電分離」が2020年に実施され、電力産業のさらなる活性化と、再生可能エネルギーの普及が期待されています。

特定送配電事業者

特定送配電事業を営むことを、経済産業大臣に届出した者をいいます(事業法第2条第1項第13号、第27条の13第1項)。自らが維持・運用する送電/配電用の電気工作物を使って、特定の供給地点において託送供給を行います(発電事業は除く)。小売供給または小売電気事業、もしくは一般送配電事業を営む他の者が供給対象になります。

事業者

旧特定電気事業者である鉄道会社や鉄鋼会社などの送配電部門が多く該当します。
【事業者名(番号順)】
株式会社JNCパワー、王子製紙株式会社、株式会社グリーンサークル、株式会社エネット、株式会社フォレストパワー、宮崎パワーライン株式会社、株式会社F-Power、丸紅株式会社、イーレックス株式会社、一般社団法人東松島みらいとし機構、東日本旅客鉄道株式会社、六本木エネルギーサービス株式会社、住友共同電力株式会社、JFEスチール株式会社、株式会社OGCTS、三井不動産TGスマートエナジー株式会社、森の電力株式会社、そうまIグリッド合同会社、ジェーシーパワーサプライ株式会社、旭化成水力テクノサービス株式会社、虎ノ門エネルギーネットワーク株式会社、日本ファシリティ・ソリューション株式会社、MCPD合同会社、株式会社タクマエナジー、ひおき地域エネルギー株式会社、パナソニックホームズ株式会社、浦添分散型エネルギー株式会社、デジタルグリッド株式会社、株式会社トラストバンク、利久株式会社、株式会社ウッドエナジー、真庭バイオエネルギー株式会社

広域需給調整

電力は、需要と供給を常に一致させる必要(同時同量)があります。このため発電事業者と小売電気事業者は「発電量と需要量」の「計画と実績」を30分単位で合わせています。しかし、発電と需要の実績が計画通りにいかなかった際に需給バランスを保つため、そのエリア内で発電量を増減させて調整してきました。これを、エリアの枠を超えてシェアすることによって、例えば国単位などの大きなエリアで経済性を高めようとすることです。

インバランスネッティングと広域メリットオーダー

広域需要調整は「インバランスネッティング」と「広域メリットオーダー」の2段階に分けられます。まず、余剰電力のあるエリアから不足しているエリアへ、余剰分を融通するインバランスネッティングが行われます。そして、それでも不足する場合は発電量を増やしますが、単に不足エリアで発電量を増やすのではなく、連系するエリア全体でどこがどのように発電すれば最もコストが安いか、組み合わせを考えて調整します。これが広域メリットオーダーです。

中央給電指令所

電気の供給を担う区域全体の、供給をコントロールする中枢です。まず、翌日の電気需要を予測して発電計画を作ります。そして、当日は送電線や変電所の状況を確認しながら、刻々と変化する電気使用量に合わせて発電所の10分後の発電量を細かく調整し、安定供給に努めます。また、こうした日々のコントロール以外にも、送電系統の運用計画を策定や、関連事業者に対する送電に関わる各種情報の伝達なども行っています。

託送料金

送配電ネットワークを使って「電気を運んでもらう」ための費用として、小売電気事業者が送配電事業者に支払うものです。小売電気事業者が需要家に対して請求する電気料金に含まれ、家庭向け電気料金であれば30~40%程度に当たります。残りの60~70%は、発電事業者に支払う発電費用や、電気を売る費用(営業費)、そして小売電気事業者自身の利潤になります。

 

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