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IWMS/FMソリューション「ARCHIBUS」

今さら聞けない?ファシリティマネジメントとプロパティマネジメントの違いは?

IWMS/FMソリューション「ARCHIBUS」コラム
2022年10月13日

不動産業界で働いている方なら「ファシリティマネジメント」と「プロパティマネジメント」という言葉を聞いたことが一度はあるのではないでしょうか。どちらも不動産経営や運用する上でとても重要なものですが、あまり違いがわからないと疑問に思っている方も多いでしょう。

そこで今回はファシリティマネジメントとプロパティマネジメントの違いについて詳しく解説していきます。

ファシリティマネジメントとは?

まずはファシリティマネジメントについて解説していきましょう。
ファシリティマネジメントは現代日本でも普及してきており、国や自治体のみならず、多くの企業が取り組むようになりました。

ファシリティマネジメントの定義

公益社団法人日本ファシリティマネジメント推進協会では、ファシリティマネジメントについて「企業・団体等が組織活動のために、施設とその環境を総合的に企画、管理、活用する経営企業」だと定義しています。
ここで表されている「施設とその環境」の中に含まれているのは、建物本体だけではありません。土地や建物はもちろんのこと、設備や備品、執務空間、居住空間などの環境も含まれているのです。
つまり、ファシリティマネジメントとは不動産物件を管理する上で、施設だけではなく、設備や環境の管理に関わる部分のことを指すことになります。

ファシリティマネジメントの具体的な業務

ファシリティマネジメントでは具体的に5つの業務を行います。

1つ目は稼働できていない不動産に対して、他業務に転換し、有効活用できるように働きかけることです。稼働できていない不動産をそのまま所持していても、利益にはつながりません。どのようにすれば有効活用できるかを考え、提案するのです。

2つ目は入居率が低い賃貸物件に対し、入居率を上げるように働きかけることです。入居率が低いと空室リスクが高まり、利益を上げることはできません。
入居率を上げるためにも設備や規約などを見直し、入居者にとってより良い環境を作らなければいけないのです。そのための最適な提案を行います。
ファシリティマネジメントとは?
3つ目は維持費ばかりかかる古いビルに置いて、取り壊して土地を売却する提案をすることです。古いビルは老朽化が進めば進むほど、メンテナンスや高い維持費が必要になります。
しかし、取り壊して土地を売却することで利益を得られるうえに、高い維持費からも解放されるのです。

4つ目は移動に時間がかかる分散型のオフィスに対して、拠点を1カ所に統合して業務を効率化させることです。分散型のオフィスだと移動に時間がかかるので、有効的に時間を使う事はできません。
しかし、拠点を1カ所に統合すれば移動時間を大きく削減できるので、その分の時間を業務に回せます。同じ時間でもできる作業の幅に大きな差ができるので、業務の効率化につながるのです。

5つ目は客足が低迷している施設に対してリノベーションを行って、付加価値を作り出すことです。客足が低迷しているということは、お客様にとって魅力がないといえます。

お客様に新たな魅力を感じてもらうためにもリノベーションを行うことで、再度客足を増やす効果が期待できるのです。

ファシリティマネジメントを行う理由

現在いろいろな業界で注目を集めているファシリティマネジメントですが、行うことでどのようなメリットが得られるのでしょうか。
ファシリティマネジメントを行うことで「固定費を大幅に抑えられる」や「資源の収益性を上げられる」ほかにも「収益確保のプランを考えられる」といった3つのメリットが考えられます。
ファシリティマネジメントを導入することで保有している不動産の収益を最大化できるため、物件を有効活用できるのです。経営資源を無駄にせず活用できるため、大きな利益を生み出すチャンスにもなります。
ファシリティマネジメントでは、現状だけではなく未来のことまで見通して考えていくので、将来性があるのも大きなメリットです。だからこそ国や自治体だけではなく、多くの企業でも導入を進めているのでしょう。

プロパティマネジメントとは?

次にプロパティマネジメントについて詳しく解説していきます。

プロパティマネジメントの定義

プロパティマネジメントは不動産管理業務において、物件に関わる全ての管理業務のことを意味しています。
プロパティは英語で物件や財産、土地のことを意味する言葉でもあるので、直訳すれば「物件管理」という意味を持っていることになります。
オーナーに代わって物件管理をすることで、稼働率をあげたり、物件の維持管理をスムーズにできたりなどのメリットがあります。

プロパティマネジメントの具体的な業務

プロパティマネジメントでは具体的に7つの業務を行っていきます。

1つ目はテナントや入居者の募集、契約の締結、契約更新や退去手続きです。賃貸物件だと入居者を募集したり入居手続きを始めたりと、いろいろな業務が必要です。その面倒な業務を代わりに行います。

2つ目は物件希望者への案内や仲介業務です。入居希望者や物件の購入希望者に対して、内覧対応してくれたり、オーナーとの間に入ってスムーズに契約が進められるようにしたり仲介業務を行います。

3つ目は賃料や家賃の集金、延滞した場合の督促業務です。毎月しっかり払ってくれる人もいれば、延滞してしまう人もいます。そのような人への督促業務を代行します。

4つ目は契約者からのトラブルやクレームの対応です。クレームの対応は心が疲れるものなので、できればしたくないと考えている方もいるでしょう。プロパティマネジメントでは、オーナーや管理者が面倒と感じるクレームの対応もしっかりしなければいけません。

5つ目は建物の巡回や点検、清掃などの維持管理です。入居者を維持するためには、物件のメンテナンスを定期的に行う必要があります。定期的にメンテナンスし、入居者が過ごしやすい環境を作ることで空室リスクを減らせるのです。

6つ目は物件の工事や修繕、設備更新の見積もり依頼と発注です。物件の修理が必要になったときでも迅速に対応しなければいけません。

最後は所有者へのコンサルティングや税務、法務のサポートです。物件のみのサポートだけではなく、税金関係のサポートまで行うのが特徴です。

プロパティマネジメントを行う理由

特に多くの物件を保有する投資家やオーナーであれば、すべての業務を自分で行うのは難しいです。プロパティマネジメントを導入すれば、複数の物件の管理をまとめて代行してもらえるので、自分の負担を大きく減らせるのです。
プロパティマネジメントでは経営計画に基づいて、正しく不動産を運用していけるように行動してくれるので、信頼度が高いのが特徴です。

ファシリティマネジメントと名前が似ているBMやAMって何?

ファシリティマネジメントとよく名前が似ているもので、「BM」と「AM」というものがあります。よく間違われやすいのですが、ここからはBMとAMについて詳しく解説していきます。

ビルマネジメントとは?

BMとは「ビルマネジメント」のことです。オフィスビルや商業施設、個別のビルなど、管理運営をする上で現場業務全般を表す言葉でもあります。

ビルのオーナーや投資家に代わって、工事の管理や清掃、設備管理、警備業務などを代わりに行ってくれます。ファシリティマネジメントは設備や土地全般のものを表す言葉ですが、BMはビルに特化した言葉です。
ファシリティマネジメントと名前が似ているBMやAMって何?

ビルマネジメントを行う理由

現代では総合ファシリティマネジメント、通称IFMが登場しています。
総合ファシリティマネジメントとはファシリティに関するアウトソーシングニーズを統合的に管理するサービスのことです。
グローバル化や組織規模の拡大に伴い、ファシリティの需要は増えています。総合ファシリティマネジメントを導入することで、統合的に組織の保有ファシリティを管理運営できるようになり、コストを適正化したり、マネジメントを効率化したりなど、さまざまな効果を期待できるようになります。

アセットマネジメントとは?

AMとは「アセットマネジメント」のことをいいます。アセットとは資産、マネジメントにはという意味があるため、直訳すると資産管理ということになります。
和訳だけ見るとファシリティマネジメントとよく似ていますが、アセットマネジメントは投資用不動産をメインに取り扱っているのが特徴です。
アセットマネジメントでは不動産の業務だけではなく、投資家が持っている株式や債券などの金融資産の管理も代行します。それだけではなく収益物件の売買の選定、PMの選定、管理などもまとめて行うのが特徴です。物件の経営状態を全て管理することで、投資対効果の最大化を図るのが目的です。

アセットマネジメントを行う理由

アセットマネジメントを行うことで、物件の利回りを最大化できる可能性が高まります。アセットマネジメントではオーナーの不動産管理を委託することになります。投資や売却、経営管理まで行い、指示を出して管理していくのがアセットマネジメントの大きな特徴です。
プロパティマネジメントでは直接依頼されてから不動産管理を行うのですが、アセットマネジメントはプロパティマネジメントに不動産管理を委託して指示を出していく立ち位置になります。
プロパティマネジメントとも大きな違いがあるので、それぞれの特徴をしっかり理解しておく必要があります。

ファシリティマネジメントに必要な資格は?

ファシリティマネジメントの主な業務は、経営戦略、企画、運用、維持、管理、活用とすべての施設において行う業務です。施設や設備だけではなく、取り巻く環境も含まれています。
総合的にものを経営管理するための知見を持たなければいけないので、幅広い知識と技術が必要です。それでは、ファシリティマネジメントになるためには必要な資格はあるのでしょうか?

ファシリティマネジメントになるための資格は必要ない

ファシリティマネジメントには幅広い知識が必要になりますが、特別な資格は必要ありません。
ただ、民間団体が認定している「認定ファシリティマネジャー」という資格はあります。必ずしも取得する必要はありませんが、ファシリティマネジャーを目指しているのであれば取得しておいた方が求人の合格率は高くなるかもしれません。

ファシリティマネジャーになるためには?

ファシリティマネジャーの業務を行う上で、必須となる資格は特にありません。必須となる資格は必要ないので、ファシリティマネジャーになるための「これだ!」という道のりは単純には言い難いです。
ただ、最近ではファシリティマネジメントを導入している企業も増えてきており、中にはファシリティマネジメント部門を持っている会社もあるのです。
ファシリティマネジャーになりたいのであれば、専門の部門を持っている会社に就職すればなれる可能性は大いにあります。ただ、幅広い業務に携わらないといけないので、必要となる知識はたくさんあります。業界ならではの専門知識も必要となるので、なかなか難しいかもしれません。
特別な資格は必要ないので、厳しい試験に合格しなければいけないわけではありません。これはメリットだといえますが、専門知識を有している証明が何もないのはデメリットとも言えるでしょう。少しでもファシリティマネジャーになるための道のりを短くしたいなら、やはり「認定ファシリティマネジャー」という資格を取得しておいた方がいいです。
認定ファシリティマネジャーの受験資格は特にないので、誰でも受けることができます。2016年に開催された試験では、合格者は470人で合格率は43.9%でした。50%を切っているものの、40%以上の方が受かっています。
出題の内容には論述も含まれています。合格するためにはしっかりと学習しなければいけないので、そのための時間を確保する必要があります。また、試験に合格した後は協会に登録しなければいけないので、忘れずに行うことが大切です。

プロパティマネジメントに必要な資格は?

プロパティマネジメントにおいても、ファシリティマネジメントと同様に必須となる資格はありません。
ただ、少しでもプロパティマネジメントの業務を行う仕事に就く道のりを短縮するためには、管理業務主任者、宅地建物取引士、マンション管理士の3つの資格を取っておくと良いでしょう。この3つのいずれかの資格を取得しておけば、不動産に関する適切な知識があることを証明できることになります。プロパティマネジメントとして働く上でキャリアアップにつながる場合もあるので、取得しておくことをおすすめします。
しかし、どれも簡単に取得できるものではありません。専門的な知識をしっかり勉強しなければいけないので、ある程度勉強時間を確保することが大切です。それぞれどのような資格なのか見ていきましょう。
プロパティマネジメントに必要な資格は?

管理業務主任者

1つ目は管理業務主任者の資格です。管理業務主任者はマンション管理業者が管理組合などに対して、委託契約に関する重要事項の説明や報告を行う際に必要な資格となります。
こちらも国家資格で、独占業務を持つ専門性の高い資格です。管理委託契約の重要事項の説明や、記名、捺印などを行うのは、管理業務主任者の資格を持った者しか行えません。
そのため、マンションやビル管理、マネジメントに関わる会社でプロパティマネジメント業務をしたい方にはとてもおすすめです。

宅地建物取引士

2つ目は宅地建物取引士の資格です。宅地建物取引士とは土地や建物に関する専門的な知識を持ち、不動産取引などの業務に携われる資格のことです。
公正な取引を行うための中立な立場を持ち、お客様のサポートをします。この資格は不動産業界で働く人の登竜門とも言われている国家資格なので、取得すると大きなポイントになるでしょう。
不動産業界で働いている人の中でも宅地建物取引士の資格を持っている人はたくさんいます。同じ資格を持っている人が多くいたとしても「宅地建物取引士」という資格自体が専門知識を持っていることの証明になるので、取得しておいた方が良いでしょう。

マンション管理士

3つ目はマンション管理士の資格です。マンション管理士は、マンションを経営する上で必要なコンサルタントの専門知識を持っていることを証明できる国家資格です。
マンション管理士は専門的な知識を用いて、マンションを維持や管理を行うためのコンサルティング業務を行います。マンション管理士の資格を持っていれば、管理組合や所有権者のトラブルを解決したり、管理組合の運営を代行できたりするスキルがあることの証明にもなります。
特にマンションやアパートの運用管理を行う会社でのプロパティマネジメントを目指しているなら、ぜひ取得しておいた方が良いでしょう。

まとめ

今回はファシリティマネジメントとプロパティマネジメントについて詳しく解説していきました。それぞれ似たような言葉ではありますが、内容は違います。
似たような言葉にビルマネジメントやアセットマネジメントなどの言葉もあります。それぞれ業務内容や定義が異なるので、自分がしたいことに携われるマネジメントはどの種類なのかをしっかり把握することが大切です。
ちなみにファシリティマネジメントにもプロパティマネジメントにも必須となる資格はありません。ただし、どちらも業務を行う際は専門的な知識が必要になります。必須の資格はないものの、アピールポイントとなる資格はご紹介したので、ぜひ取得に向けて挑戦してみてください。