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BIPROGYグループの力I

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BIPROGYグループの力I

分割可能NFTを使った再エネ由来電気のトラッキングシステムの構築事例

青木 宣明,行木 弥鈴

企業の事業活動において温室効果ガスを排出しない再生可能エネルギー(以下,再エネ)の活用が拡大し,再エネ由来の電気の使用証明として再エネ証書の流通が始まっている.再エネ証書がその価値を持つためには,使用した電気が再エネ由来であることを証明しなければならないが,電力系統全体で非再エネ由来電気と混在する性質から,その証明が難しいという課題がある.再エネ由来電源の発電量と需要家の使用量が同時同量で需給バランスが成り立つよう対応させ,その電力量を記録することで,発電からその使用までをトラッキングできるようにし,当該課題を解決した.そしてこのトラッキングを,電気・環境価値を分割可能なNFTで表現し,発電時に作成された電気・環境価値トークンを,その使用量に応じて分割・所有者を変更することで実現した.需要家が使用した電気が再エネ由来であることを証明可能とすることで,環境価値の利用を促進し,ひいては脱炭素社会の実現に向けた社会課題の解決に寄与したい.

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国産材流通改善を目指す「キイノクス」活動

惣田 隆

日本の国土面積全体のうち約7割が森林であり,過去50年以上その比率は変わっていない. 一方で森林蓄積量は増加の一途をたどっており,国産材の利用が進んでいないことがわかる.この背景には日本の木材流通の仕組みが複雑で属人的であることがある.その結果,流通の手間が増え,時間も要するため外国材よりも値段が高くなるのである.また山の木の密度が高くなると根が張らず災害にもつながりやすくなるため,私たち国民にとっても大きな課題になっている. グリーンデジタル&イノベーション株式会社は,木材流通の可視化および効率化を実現し,さらに国産材の需要を増加させる活動も併せて行う「キイノクス」プロジェクトを立ち上げ,この課題への解決に着手した.国産材流通の可視化と効率化に関してはまず岐阜県で2023年3月から試行を始める予定であり,国産材需要増加に関しては,オフィスの木質化を推進し実績を出すところまで来ている.

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行動予測技術を活用した自動運転における衝突回避性能の向上

川口 真一

自動車交通には他の交通機関とは異なる事情があり,自動車の自動運転では他の車両や歩行者等の移動体との衝突回避性能が強く求められる. 衝突の危険性を数秒早く察知して衝突回避行動をとるだけでも,事故防止やダメージ軽減効果は非常に大きい.英国Humanising Autonomy社は人間の骨格を検知する画像解析技術に行動心理学の知見を組み合わせることで,歩行者や自転車の行動を数秒早く予測すると共に,誤検知を低減する技術を開発した.この行動予測技術を自動運転に適用すれば,特に都市部での自動運転車の衝突回避性能を向上させることができる. また,自車以外のカメラ映像による行動予測結果を共有することで,行動予測技術の有効性を更に高めることができる.

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遠隔監視による事業継続性強化への取り組み

村瀬 秀治

社会インフラの維持管理や環境対策における監視業務の重要性が高まるなか,パンデミックの脅威に備えた事業継続性の観点と,今後の労働力不足の解決策として,遠隔監視による運用の効率化および省人化が求められる.監視業務において遠隔技術を導入すれば,広域多地点の継続的な常時監視・観測ができるようになり,時系列の変化を把握することで,分析など収集データの2次利用に活かすことができる. 現場ユーザが遠隔監視技術を導入するためのポイントは,さまざまな現場で柔軟に対応できるパッケージ化されたシステムを利用することである.ユニアデックスは,多くの現場ユーザがITの利便性を体験しながら効率化および省人化が図れる遠隔監視パッケージを提供している.

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顧客のデータ分析内製化を支援するデータ分析基盤ソリューションの概要と金型IoTへの応用

松林 毅,吉本 昌平,大塚 洋,藤本 泰士

UEL株式会社はユニアデックス株式会社と共同で,金型分野において機械学習やAIを活用する研究を長年に渡り実施してきた.また,IoTによるセンサーデータを分析することで,金型内部で生じている問題点の可視化や,予測につながる分析技術を磨いてきた.そこから,ドメイン知識とデータ分析技術の融合が重要であることが判明した.そこで2社は,顧客自身によるデータ収集と分析の内製化を支援するサービスである「データ分析基盤ソリューション」と,それを金型分野に応用した「金型IoTプラットフォーム」の提供を進めている.この取り組みにより,製造現場で活用できる分析技術を届け,直面する労働人口減少の問題や勘と経験による匠の技術伝承の問題解決に貢献していく.

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アニーリング法を用いた組合せ最適化ソルバーの開発と印刷予定組への応用

中川 修

デジタル化の進展とともに,企業の生産計画や人員配置,物流の最適化など,膨大な選択肢の中から最適な解を抽出する組合せ最適化技術が注目されるようになってきた.本報告では,アニーリング法を用いて組合せ最適化問題を高速に解くソフトウェアを開発し性能を評価した結果,および印刷予定組への応用事例について紹介する.印刷予定組においては,従来システムと比較し精度を維持しながら約10倍の高速化を達成することができた.

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