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ハウジングCADと住宅ビジネス

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ハウジングCADと住宅ビジネス

ハウジングCADの歴史と今後の住宅ビジネスへの展開

森山 嘉通

日本ユニシスが3次元住宅設計CADシステムの開発を開始した1980年代から約40年,プラットフォームは大型汎用コンピュータ,エンジニアリング・ワークステーション,パーソナルコンピュータと変遷があったものの,家や部材の形状だけではなく,家の仕様,部材属性を持った3次元家モデルを一貫して継承してきた.近年,住宅メーカでは,この家モデルが持つ情報を邸情報データベースに取り込み,見積システムなどの設計システムの周辺や設計工程以降の生産,施工,アフターメンテナンスなどの住宅業務後工程にまで連携し,業務の効率化,情報の共有化を図る動きが顕著になっている.日本ユニシスは今後,この家モデルの正確性と情報の充実を図り,住宅メーカの基幹システムとしての役割の拡大とCAD以外の新サービス分野にも参画し,住宅・住設業界の発展に貢献していく.

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新住宅設計システムDigiDmeister による従来システムの課題解消

岩佐 大輔

DigiDmeisterは,DigiDの後継として開発した住宅設計CADシステムである.DigiDmeisterは,DigiDで抱えていた課題・要望を整理し,最重要である3点に絞り開発した.3点とは,DigiDからDigiDmeisterへのシステム移行の容易性を担保しつつ,基本アーキテクチャに関わる機能追加を実現した「公開家モデル」と「プラグイン」および「大型物件対応」である.「公開家モデル」は,DigiDmeisterから他システムへの連携を個別開発することなく実現し,「プラグイン」では,DigiDmeisterへの機能改善の影響範囲を限定する仕組みを実現した.また,「大型部件対応」では,延床面積が1000平方メートルを超える建築物においても,処理レスポンスの極端な悪化を防ぐ仕組みを実現した.

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積水ハウスのIT部門が考える企業内データ活用術

宍倉 正人

積水ハウス株式会社では,2010年より総額89億円のIT投資を中心とした「邸情報戦略プロジェクト」に取り組み,年間約87億円の継続したコストダウンを実現している.本稿では,邸情報戦略プロジェクトを立ち上げた背景や概要(事例),その成果(成功のポイント)について紹介する.

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Enability EMSプラットフォームを利用した家庭向けエネルギーマネジメントサービス

西川 哲司

日本ユニシスはこれまでに,中小規模ビル向けのEnability BEMS(UNIBEMS),マンション向けのEnability MEMSといったエネルギーマネジメントのためのサービス提供を行ってきた.今後さらなる変革が想定されるエネルギー分野で,IoT化に伴うビッグデータを統一的に管理・活用し,エネルギー制御など高度なサービスを提供できるよう,Enability EMSの構築を2017年より進めており,同年, 積水ハウス向けにEnability EMS上でHEMSプラットフォームサービスの提供を開始した.日本ユニシスは今後,一般家庭向けのサービスとして,センサーデータの取込機能や家電制御機能を組み込み,仮想発電所(VPP)や家庭内の再生可能エネルギー自家消費支援サービスをEnability EMS上で提供する予定である.

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バーチャル住宅展示場「MY HOME MARKET」

多勢 正英

日本の人口と世帯は減少すると予想され,市場環境が縮小して経済競争が厳しくなる環境の中で,住宅メーカーは販売促進のためのプロモーションにおいて,先進的な集客及び販売活動に取り組むべきである.対面による商談が中心の営業プロセスを実施してきた住宅メーカーと住宅購入を検討する消費者のギャップを埋めるという発想から「MY HOME MARKET」事業を立ち上げた.バーチャル住宅展示場MY HOME MARKETは,ミレニアル世代のライフスタイルに合った検討の場を従来の総合住宅展示場のモデルハウスに代わって提供する.

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「フォトリアルCG表現技術」を核としたVRの取り組み

関口 弘樹

大日本印刷株式会社(以下,DNP)は,大型ディスプレイやVRヘッドセットを用いた「DNP バーチャルエクスペリエンス VRモデルルーム・VRショールーム」サービスを展開している.本サービスでは,3次元CGのリアルタイムレンダリングを用いたフォトリアルCG表現(CG画像を実物を撮影した写真に近づける表現)を特徴として持つインタラクティブシステムを開発し,利用している.一般的に,リアルタイムレンダリングを用いたインタラクティブシステムでは,グラフィックス演算負荷が高くなるためフォトリアルCG表現との両立が難しい.この課題に対し,レンダリングを要素分解し,「事前計算」と「擬似的表現」で置き換えることで解決を図った.本稿では,DNPが印刷事業で長年培った画像処理技術を応用し,バーチャルリアリティ(VR)技術と組み合わせることで,本サービスで実現したリアルタイムフォトリアルレンダリング技術について紹介する.

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住宅IoTプラットフォームで繋がる住環境の実現

佐藤 尚

日本ユニシスは,経済産業省の「スマートホームに関するデータ活用環境整備推進事業」に,積水ハウスが代表を務めるコンソーシアムの一員として参画し,「積水ハウスクラウド」および機器間・クラウド間連携のシステムの構築を行った.積水ハウスクラウドは,UIからの指示に基づいて家電・住設等のIoT機器の稼働状況やセンサー情報を定期的に取得して蓄積することにより,様々な分野で,新たなビジネスモデルの創出や社会課題の解決が期待できる.また,積水ハウスクラウドと他のクラウドをAPI で連携させるアーキテクチャは,標準化されたECHONET Lite規格の機器オブジェクトの考え方を踏まえており,他のスマートホームシステムに展開可能である.

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住宅メーカーが抱える課題と次期DigiDmeister

今井 厚志,金田 海渡

DigiDmeisterは,住宅設計CADシステムとして大手住宅メーカーを中心にBIM設計の支援システムとして活用されてきた.BIMとは「設計から施工,維持管理にいたる建築ライフサイクル全体で情報を共有し活用できる建物モデル」のことである.住宅メーカーが抱える課題を解決するため,日本ユニシスは次期設計システムの検討を開始した.「いつでも,だれでも,どこでも使える設計システム」をコンセプトとして三つの取り組みを検討している.三つとは,DigiDmeisterを含めた設計システムのクラウド化(基盤化),家モデル情報の汎用データベース化(基盤化した家モデル),住宅販売ライフサイクルに関わる情報の統合と分析とAI利活用である.

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