BIPROGY Foresight in sight BIPROGY Foresight in sight

事例紹介

アクセス集中時でも安定したパフォーマンスでのサービス提供と、可視化・運用業務の負荷低減を実現

Omni-Base for DIGITAL'ATELIER

2023年01月20日

OMO時代のSaaS型コマースサービス「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER」にシスコシステムズ合同会社が提供するアプリケーション可視化ソリューション「AppDynamics」を採用し、アクセス集中時でも安定したパフォーマンスでのサービス提供と、可視化・運用業務の負荷低減を実現

BIPROGY株式会社
プロダクトサービス第一本部
OBDサービス一部
サービス運用室サービス基盤
課長

清水 久芳氏

BIPROGY株式会社
プロダクトサービス第一本部
OBDサービス一部

渡邉 充隆氏

BIPROGY株式会社
プロダクトサービス第一本部
OBDサービス二部
サービス運用室
プロダクト企画課

桑原 慎太朗氏

USER PROFILE

DIGITAL'ATELIER(デジタラトリエ) ロゴ

Omni-Base for DIGITAL'ATELIER(オムニベースフォーデジタラトリエ)
サービス概要:
OMO※事業者/通販事業者向けSaaS型サービス「Omni-Base for DIGITAL'ATELIER(オムニベース フォー デジタラトリエ)」はECサイトシステムに必要なアプリケーションやシステム基盤およびこれらの保守・運用サービスをオールインワンで提供するサービス利用型コマース事業基盤。仕入/受注/販売/出荷各々の管理機能、PC /タブレット/スマートフォンから利用できるEC機能、店舗POSと連携する機能などを実装する。

※OMO:Online Merges with Offlineの略。オンラインとオフラインの融合を意味する。

導入ソリューション概要 アプリケーション可視化ソリューション「AppDynamics」

アプリケーションに関連するさまざまな性能や状況を可視化し、ビジネスインサイトまで提供するソリューション。各種アプリケーションを搭載したサーバーやPC、スマートフォンにエージェントをインストールすることで、アプリケーションの稼働状況をコードレベルで把握することや、ハードウェアリソースの使用状況、データベースの稼働状況などを把握することが可能。
また、収集した情報からビジネスに関連するトランザクション、売上や在庫の変化などビジネス状況も可視化させることが可能。

プロジェクトの狙い サービスの品質を向上させ、エンドユーザーが快適にサービスを利用できるようにしたい

BIPROGYが提供する『Omni-Base for DIGITAL'ATELIER(オムニベース フォー デジタラトリエ:以下OBD)』は、OMO時代のSaaS型コマースサービスだ。OBDを導入することで、ユーザー企業はECサイトの機能改善や効率的な在庫コントロール、顧客満足度の向上といった効果を期待できる。

デジタラトリエプロジェクトチーム(以下、プロジェクトチーム)は、サービス品質の向上を目指し、OBDの性能可視化を行うため、アプリケーション可視化ソリューション「AppDynamics」を導入している。その背景について、プロダクトサービス第一本部 OBDサービス一部 サービス適用室サービス基盤課長 清水久芳は、次のように説明する。
「我々がAppDynamicsを導入した最大の目的は、キャンペーン時など一時的にアクセスが集中するような場合でも、パフォーマンス劣化を招くことなく、安定したサービスをエンドユーザーに提供することでした。
一般的に性能監視と言えば、何か問題が発生した時にアラートを出してもらうような機能をイメージしますが、原因調査は各担当者間での人力の確認によるもので、時間がかかる上、運用保守担当者の負担も大きなものでした。
AppDynamicsは、レスポンスタイムなどOBDの性能を評価するためのデータをリアルタイムで自動収集するため、性能劣化の原因やどこを修正するべきかについて、システム全体を俯瞰した上で担当者に示唆してくれます。
これにより、障害の未然防止や、原因特定までにかかる時間の短縮につながり、エンドユーザーに対して快適なサービス提供を実現できると考えました。同時に、プロジェクトチームの課題となっていた運用保守担当の負担軽減効果にも期待していました。
お客さまにSaaSとしてご利用いただくOBDのサービスレベルを維持する上で、APMは必要不可欠なソリューションだと考えました」(清水)。

導入経緯 他製品との機能比較とPoCの実績を評価して、AppDynamicsを導入

実はプロジェクトチームでは、2018年頃からAppDynamicsのPoCに着手しており、最初にAppDynamicsを導入したのは、OBDではなく、アパレル企業向けのシステムである。その後、プロジェクトチームで複数のAPM製品を対象に綿密な機能比較を行い、PoCや過去の類似システムでの実績も評価して、最終的にOBDにAppDynamicsを採用した。

AppDynamicsは、シスコシステムズ合同会社が提供するアプリケーションに関連するさまざまな性能や状況を可視化するためのソリューションだ。既に全世界で3000社、国内では100社以上のユーザー企業の本番環境で活用されている。
「もちろんAppDynamicsは、システム開発や運用フェーズの各場面で、アプリケーションの性能を可視化するソリューションとして非常に有用ですが、他のAPM製品と異なる大きな特徴として挙げられるのは、エンドユーザーの視点でシステム全体を俯瞰してモニタリングできる点です」(清水)。

このようなサービス可視化画面が提供されることで、複雑なビジネストランザクション全体を可視化し、サービスレベルや顧客満足度の向上に繋がる改善策を検討することも実現可能である。
「さらにAppDynamicsを利用すれば、障害の予兆検知も行うことが可能です。障害発生時の迅速な原因究明だけでなく、予兆検知の機能も提供するAppDynamicsをフル活用することで、OBDのサービスレベルをより一層、向上させていくことが可能になると考えています」(清水)。

AppDynamicsの可視化画面:トランザクション・フローマップ

導入効果 複数の可視化対象の導入効果 パフォーマンスを俯瞰して確認でき、業務負荷も大幅に低減

AppDynamicsの導入効果として、清水は今まで別々にモニタリングしていた可視化対象を、1つの画面でまとめて確認できるようになった点を強調する。「AppDynamicsを利用すれば、アプリケーションだけでなく、サーバーやネットワークなども含めて、さまざまな可視化対象のパフォーマンスを俯瞰して確認することができます」(清水)。その中でも、プロジェクトチームが特に注意を払っているのがOBDにおける受注処理の部分だ。「OBDは、お客さまにEC基盤としてご利用いただいているものなので、エンドユーザーが商品やサービスを購入するタイミングのパフォーマンス劣化は、お客さまにとって大きな機会損失に繋がりかねません。AppDynamicsでは、受注処理の中のさらに細かい処理単位ごとにパフォーマンスをチェックすることができるので、安定した運用とビジネスリスクを低減することができます」(清水)。

またプロダクトサービス第一本部 OBDサービス一部 渡邉充隆は、AppDynamicsの利用メリットとして、アプリケーションを搭載した各サーバーにログインしなくてもパフォーマンス状況を把握できる点を挙げる。「AppDynamicsでは、各可視化対象にインストールしたエージェントが必要なデータを収集して1つの画面で見せてくれます。これにより可視化業務の負荷は大幅に低減することができたと思います。またAppDynamicsのダッシュボード画面は、エンジニアだけでなく、サーバーにログイン権限のないビジネスオーナー側のメンバーも閲覧することができます。AppDynamicsは、ビジネスオーナーにとって今までブラックボックスだったシステムを見える化してくれるソリューションとも言え、今後AppDynamicsのダッシュボード画面を見ながらエンジニアとビジネスオーナーが議論を交わし、さらなるサービスレベルの向上を検討する場面も出てくるのではないかと期待しています」(渡邉)。

さらにプロダクトサービス第一本部 OBDサービス二部 サービス運用室プロダクト企画課 桑原慎太朗は、AppDynamicsの活用メリットとして、アプリケーションの内部構造を熟知していなくてもボトルネックの調査ができる点を強調する。「AppDynamicsでは、アプリケーションで利用するデータベースや連携する外部サービスのレスポンスタイムを、可視化画面からドリルダウンしていくことで確認できます。障害発生時のボトルネックを調査する作業も非常にやりやすいと感じています」(桑原)。

AppDynamicsダッシュボード画面

今後の展望 今後はアプリケーションのパフォーマンスだけではなくお客さまの収益向上のためにも活用したい

今後プロジェクトチームでは、システム全体のパフォーマンスと、収益につながるビジネストランザクションの分析にもチャレンジしていきたい考えだ。

「繰り返しになりますが、AppDynamicsを導入したのは、OBDのサービスレベルを維持、向上させていくために他なりません。BIPROGYとしては、お客さま、そしてその先のエンドユーザーに高品質なサービスを提供し続けることが、最大のミッションだと認識しています。まだまだ使い切れていない機能もありますが、今後もAppDynamicsの適用領域を広げていくことで、OBDのさらなる機能強化とサービスレベルの向上に努めていきたいと思います」(清水)。

※本事例に記載された情報は取材時点のものであり、社名、内容など閲覧される時点では変更されている可能性がありますことをご了承ください。
本事例は情報提供のみを目的としており、BIPROGYは、明示的または暗示的を問わず、本事例にいかなる保証も与えるものではありません。