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Foresight in sight

IWMS/FMソリューション「ARCHIBUS」

スペースと不動産を一元管理!経営と現場をつなぐIWMSとは

IWMS/FMソリューション「ARCHIBUS」コラム
2022年10月13日

不動産・施設・スペースのそれぞれの情報をデータ化・一元管理する。そんなことが可能となったら、どうなるでしょうか。
これまで不動産を所有する企業にとって、それぞれの管理は別次元で平行して行っており、同じフィールドで考えられるものではありませんでした。
しかし今、IWMSを導入することで、それぞれのデータを1つのテーブルの上に乗せて複合的に管理していくことが可能となっています。IWMSは不動産・施設・スペースを管理するうえで、それぞれの詳細な情報をリアルタイムに取得し、効率的な運用に役立てていくことができます。
この記事では、IWMSの基本から、機能、実装することで得られるメリット、もたらされる効果について解説します

IWMSとは何か

IWMSとは「Integrated Workplace Management System」の頭文字をとった言葉です。
日本語に訳すと「統合職場管理システム」となり、企業がもつ不動産のポートフォリオ、インフラ、設備資産の管理、職場資源の利用を最適化するためのソフトウェアプラットフォームのことを指します。
IWMSを導入すると、オフィスで働く従業員、あるいは不動産に入居している人へ、最適かつ高品質なサービスを提供できるようになります。
1つのデータベースであらゆる情報を可視化して管理できるようになり、変化にスピーディーに対応できるようになるからです。また、スペースの戦略的な管理・運用も可能となるでしょう。
さらにIWMSには、不動産や施設の水・エネルギーなどの資源の使用効率を向上させる役割もあります。IWMSのこうした一面はサステナブル、つまり持続可能な目標の達成に向けても、心強いサポーターとなるでしょう。
サステナブルな役割は、IWMSと既存の建物管理システムをシームレスに統合することで実現できます。
IWMSとは何か

IWMSが必要とされている理由

多くの企業でIWMSが必要とされる理由は非常にシンプルで、不動産などの物的資産の運用成果を最大化する「ファシリティマネジメント」を促進するためです。
ファシリティマネジメントは英語に直すと「Facility Management」となり、その頭文字をとってFMとも呼ばれています。具体的にいうと、土地や不動産、設備などを経営資産と考えて、管理・運営するマネジメント手法のことです。
経営資産には建物そのもの以外に、室内のインテリアや、環境、ITインフラなども含まれます。ファシリティマネジメントの目的は、土地や建物などの収益性・利便性を最大化して企業経営に活用することです。
ファシリティは、事業活動に活用される土地や建物などを含む環境全体のことを指し、事業に必要な資源となる「ヒト・モノ・カネ・情報」に次ぐ第5の経営資源として考えられています。
このファシリティの運用成果を最大化させるためには、物的資産に関するデータを統合管理するITシステムが不可欠となります。そこで必要となるのがIWMSというわけです。
自社が所有する不動産や、施設などの収益性や生産性を最大化し、事業戦略に活用することで、今後の事業展開をより拡大させ、新たな価値を生み出してくれるでしょう。

IWMSの市場規模

WMSの市場規模は、2020年〜2026年にかけて、CAGR(年平均成長率)15%で成長し、2026年には74億米ドルに達すると予測されています。
IWMS市場が順調に成長していくと予想されている背景には、不動産業界全体においてワークフローを自動化させるソリューションの採用が進められていること。そして各国の政府によるエネルギー管理の重要性が高まっていることがあげられます。
そのほか、クラウドベースのアプリケーションを導入することが増加していることや、競争力と労働力の増加、世界的な企業における社会的責任(CSR)の重要性が高まっていることなども、市場が右肩上がりで成長していく予測の要因として考えられています。
しかし同時に課題もあり、企業におけるIWMSソリューションの認知度がまだ低いこと、IWMSの専門スタッフが不足していることが、市場の成長を制限しているといわれています。
とはいえIoTやAI、機械学習などの新技術がIWMSへ導入されることで、IWMS市場の拡大につながっています。また、サステナブルな建物が増加傾向にあることも、今後の市場拡大に影響を与えると予測されています。

IWMSの5つの機能

IWMSには「不動産管理」「施設管理」「資本プロジェクト管理」「保守管理」「持続可能性とエネルギー管理」の5つの機能があります。
それぞれについて解説します。

不動産管理

WMSを用いることで、次の3つの分野で不動産管理を行えます。
まず、不動産の売買や取引に関する管理です。あらゆる不動産施設の取得や売買、あるいは統廃合に関するデータを管理でき、意思決定に役立てられます。IWMSを用いてリアルタイムで運用状況や収支に関するデータを取得することで、シナリオを作成し、データをもとに次の打ち手を講じることが可能となるでしょう。
続いては、リース契約の更新に関する効率化と自動化です。システムで自動化することで、過払いなどヒューマンエラーを回避できるようになります。具体的には、これまで手作業で行われていた施設ごとの契約条件に応じたトラッキングや日付の通知、請求書の検証などをまるまる自動化できるため、効率化と人件費のコスト削減を両立できます。
最後は、財務上の数値やデータ変更・承認などの大量の監査作業を支援する会計機能です。バランスシートにおいて、資産と負債いずれも正確に反映させ、正しい財務報告を作成できるようになります。

施設管理

施設の管理は入居しているユーザーの期待に応えることにつながります。
たとえば、共有のワークスペースや資産などを最大限に活用できるよう、利用可能時間を最適化するガイドと予約システムを実装することも可能です。
また、スペースの稼働状況もリアルタイムで把握できるため、状況に応じて解決策を講じやすくなるでしょう。

資本プロジェクト管理

IMWSは、プロジェクトの分析、ポートフォリオとスケジュールの管理が可能となるため、資本プロジェクトの管理をサポートしてくれます。
進行中のすべてのプロジェクトに関してのデータが蓄積されていくため、適宜分析でき、タスクの優先順位をつけることが容易となります。また、分析と蓄積される確かなデータを通じて計画と進捗を比較でき、プロジェクトの実行とコントロールを助けてくれるでしょう。

保守管理

不動産を適切に管理するということは「運用効率アップ」「コストの削減」「入居者の満足度向上」の3つを同時に達成することです。
この3つを達成するために、最もコストがかかるのが保守管理の部分です。しかしIWMSを用いることですぐさま問題を的確に把握し、運用効率の向上を実現できます。また、提供するサービスの管理プロセスを自動化することで、パフォーマンスの向上とコストの削減につながります。
さらに、問題発生の可能性を事前アプローチにより特定できるため、問題が起こる前の保守管理を可能としています。その結果、施設の寿命を伸ばすことになり、品質を高め、ひいては顧客満足を上げることになります。
また、持続可能性とエネルギー管理、SDGsや、サステナブルというワードが昨今盛り上がりをみせています。持続可能性とエネルギー管理については、企業の社会的責任(CSR)の観点からいっても、事業活動において無視できない分野といえるでしょう。
冒頭でも述べたとおり、IWMSは、施設や建物の水やエネルギー資源を管理し、使用効率を最大化してくれます。無駄のない効率的な利用を実現できるため、サステナブルな運用を可能としてくれるでしょう。

IWMSを実装するメリット

ここまでで、IWMSの基本と機能について理解を深めることができました。
では、実際にIWMSを実装することで得られるメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

不動産ポートフォリオを活用できる

企業にとって、不動産とは最も経費がかかる分野です。
しかし経費がかかる分、ポートフォリオを最適化し正しく効率的に活用できれば、受けられる恩恵を最大化することができるといえます。
IWMSを実装すれば、不動産に関する取引管理のデータ蓄積や分析、リース物件の管理効率化など、不動産利用に関するさまざまなことが可能となります。
最適化された不動産ポートフォリオを活用して、トランザクションの管理やリースの管理と会計作業の支援ができるため、結果として不動産がもつ面積あたりの価値を最大化することにつながります。

投資プロジェクトを順位付けできる

投資プロジェクトは、不動産を管理・運用していくうえで基本的なことといえるでしょう。
そして、複数のプロジェクトを同時進行させる際には、優先順位づけが大切になることはいうまでもありません。
IWMSを使用すると、投資プロジェクトの成果をリアルタイムで確認できるため、さまざまな角度から投資シナリオを分析できるようになります。
また、事業拡大を見越した、より大きな組織目標が設定されたプロジェクトの調整も可能となるため、同時進行しているプロジェクトについて優先順位をつけることも容易となります。
計画やスケジュールの管理、ポートフォリオ管理の機能をもって、プロジェクト管理を改善できることがメリットです。

スペースを有効活用できる

IWMSでは、スペースの有効活用、最適なサービスやアメニティーの提供が可能となります。
その結果、入居者の期待を上回る、生産性と柔軟性の高い体験を実現できるでしょう。なぜなら不動産の管理において、入居者の満足度を向上させることは売上向上にもつながるため、とても大切であるからです。
同時に、空室やデッドスペースの有効利用も利益を最大化させるためには必要なことでしょう。
今日のワークプレイスにおいては、スペースの3分の1近くが未使用の状態にあるともいわれています。
適切なスペースの活用、最適なサービスの提供などを通じて、入居者の期待に応え続けなければならないことを考えると、IWMSを導入するメリットは大きいといえるでしょう。

運用のコストを削減できる

不動産が企業にとって、最も経費がかかるものであることは前述しました。
運用コストがかかることも、その理由のひとつとしてあげられますが、IWMSを使用することでコストの削減が可能となります。具体的には、予防・保守対策を最適化できる、サービス管理のプロセスを自動化できる、といった理由からです。
自動化と効率化を実現することにより、これまで発生していたマンパワーのニーズを削減でき、必然的に運用コストを削減できます。
また、運用保守に関する作業の指示を追跡・評価できることと、不動産の資産価値を長く保持するために問題となる部分を事前に発見することも可能となります。

最適な職場環境を実現できる

職場環境と社員の離職率には相関性があることをご存じでしょうか?
少々古いデータですが、厚生労働省が2013実施した調査従業員規模 30~300 人未満の中小企業で働く 18~59 歳までの常用労働者10,000 人を対象として実施したアンケートでは「働きやすい」と回答した者の 31.8%が「仕事に対する意欲が高い」と回答し、また「働きやすい」と回答した者の 76.9%が「仕事に対する意欲が高い」または「仕事に対する意欲はどちらかといえば高い」と回答していて、働きやすさを感じているほど仕事の意欲が高い傾向がみられています。
働きやすさとは業務内容や評価制度といったソフト面だけでなく、職場環境というハード面からも大きく影響を受けます。IWMSは、適切なスペース管理と職場サービスの提供により、職場環境をよりよくし、従業員の働きやすさを向上させてくれるでしょう。
具体的には、タッチスクリーンや音声入力などで、直感的な使用が可能となる環境を提供し、会議室などのスケジュール調整、保守要求や報告、室温設定などの細かく面倒な作業をより簡素化できるようになります。

IWMSがもたらす効果

最後に、IWMSを導入することの効果について、3つの観点から見ていきましょう。

柔軟なワークプレイスの実現

稼働状況を可視化して把握できるようになると、タイミング見逃すことなく、戦略的な判断が可能となります。そのため、ワークプレイスやスペースをより効率よく使用できるようになるでしょう。
設備やインフラが進化していくなか、提供するサービスとオフィス・アメニティーも進化させる必要があります。入居者は高いレベルで便利なテクノロジーをワークプレイスにも求めているからです。
その点、IWMSはあらゆる作業の簡素化や効率化を実現できるため、柔軟な対応が可能となるでしょう。

IWMSがもたらす効果

離職率の低下

メリットの部分でも紹介したとおり、IWMSは最適な職場環境を醸成することが可能です。
職場環境が整理されることは、働く従業員のエンゲージメント、つまり所属する会社や組織に貢献したいと思う姿勢が高くなることにつながります。
エンゲージメントが高いということは、自社で働く意欲に溢れているわけであり、自然に離職率を低下させることに期待が持てます。
コストや運用面における効率化や自動化に目がいきがちですが、企業において最も大切な資源である「ヒト(従業員)」を大切にするためにも導入を急ぐべきシステムといえるでしょう。

さまざまなプロジェクトへの挑戦

IWMSは不動産ポートフォリオの最適化と管理、運用コストの削減や管理業務の効率化などが実現できることがわかりました。
また、それらの新しいプロジェクトに関するポートフォリオやスケジュールの管理も容易に行えるようになります。結果、タスクの優先順位をつけながら、あらゆるプロジェクトを同時進行できるでしょう。
企業のもつリソースの管理と運用が複雑化を増していく時代ですが、システムを導入し運用していくことで最大限のリターンを得られるようになるでしょう。

まとめ

多くの企業にとって、自社ビルや生産施設などの不動産がもつ物的リソースの管理は非常に大きな経営課題です。
そこで重要となるのがリソースの管理を最適化できるIWMSの活用です。
IWMSの導入によって得られるメリットや効果は1つや2つではありません。長期的な目線で見れば、事業の拡大と新規事業への挑戦にもつながります。
不動産や施設、設備などのスペース管理を最適化させ、ファシリティマネジメントを促進し、リソースの収益性や生産性を最大化しましょう。