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Foresight in sight

旧日本ユニシスのニュースリリース

1996年9月10日

日本ユニシス
企業レベルのC/Sシステム構築環境に向けて
『CLEARPATHサーバ HMPシリーズ』販売開始 〜 CMOS1チップで超大型から中型までの性能をカバーWindows NT環境とのシームレスな統合を提供 〜

日本ユニシス株式会社(社長=石栗一民、東京都江東区豊洲1-1-1)は、同社『Aシリーズ』の流れを汲みながらもWindows NTサーバを システムに組み込み、斬新なC/S(クライアント・サーバ)システム構築環境の提供を可能とした、中型から超大型のレンジをカバーする エンタープライズ・サーバの新ラインナップ『CLEARPATH サーバ HMP*注1シリーズ NX4800』 全16モデルと『同 NX4600』全15モデルを商品化、本日より販売開始致します。

日本ユニシスでは、これからの企業情報システムが向かうのは、オープンな環境の中で個人/チーム/部門など、企業の全領域のシステム群が 相互連携するエンタープライズ・クライアント/サーバ・システムであると考えます。
そこで当社は、各企業がその実現に際して抱える予想外のコストの発生や運用/管理の複雑さ、異なるシステムの統合に対する多大なリスク などの課題を解決するため、『CLEARPATH *注2(クリアパス)』を提唱して参りました。

この『CLEARPATH 』コンセプトは、21世紀に向け俊敏な経営を目指すユーザがこれまで蓄積してきた情報資産を活かしながら、 最新のIT(Information Technology、情報技術)を取り込み、着実かつ段階的に新世代の企業情報システムへと移行するためのガイドラインです。

その実現に向け提供するものが、ソフトウェアとサービスからなる『CLEARPATH ソリューションセット』、及び最適なプラットフォーム 『CLEARPATH サーバ』です。

当社では、これらのプロダクトとサービスにより、企業力の強化をめざすシステム環境の進化をトータルに支援していきます。

新商品『CLEARPATH サーバ HMPシリーズ』は、21世紀に向かうサーバの方向性を示すものであります。異なったOS(Operating System)環境の 統合を実現する『HMPシリーズ』により、企業情報システムの基幹業務はもとよりWindows NT環境とのシームレスな統合を実現しました。

『CLEARPATH サーバ HMPシリーズ』の特徴は次の通りです。

  1. HMP技術の採用
    『CLEARPATH サーバ HMPシリーズ』は、Intelプロセッサと、 メインフレーム用のCMOSプロセッサを1つのキャビネットに搭載します。Intelプロセッサにはマイクロソフト社の Windows NTを、CMOSプロセッサには従来の『Aシリーズ』用のOSである『MCP*注3』を機能拡張して実装します。 Intelプロセッサでは、Windows NT用の多くの市販のアプリケーションをそのまま稼働させることができ、CMOSプロセッサでは、従来のAシリーズ の既存アプリケーションを稼働させることができます。
    加えて企業レベルのC/Sシステム要件に応えるため、異なる2つのプロセッサ間は高速チャネル・バスによって接続し、Windows NT環境とMCP環境を シームレスに統合する『HMPソフトウェア』を提供いたします。2つの環境を1ボックスに入れることにより、外部のLANを経由するよりも処理 スピードや信頼性を向上することができます。またインテグレーションも不要となります。
  2. HMPソフトウェア技術
    『HMPソフトウェア』の中核をなす『NXサービス』はMCP処理環境に実装します。この『NXサービス』は、マイクロソフト社の提供するネット ワーク環境に於けるプログラム間通信である「Named Pipe」をサポートします。『NXサービス』の提供するファイル・サービス機能により、Windows NT 環境からデータやソフトウェアを、MCP環境下の共有ディスク装置に格納/アクセスすることができ、またプリント・サービス機能により、Windows NT環境 からMCP環境下の高速印書装置を共有することができます。
    これらHMPの提供する技術により、業務処理の特性に応じて各々の処理環境へ適材適所のアプリケーション配置を可能とし、柔軟性のある業務処理環境を実現します。
  3. 最新CMOSテクノロジの採用によるトップエンド・システムの実現
    『NX4800シリーズ』では、CMOS1チップ・プロセッサの採用により、超大型機A19システムのプロセッサ処理能力を20%向上させます。 また、CMOSチップによる1.5MBのセカンド・レベル・キャッシュを標準で提供し、プロセッサとメモリ間のデータ転送の高速化を実現します。 そしてこのCMOS採用により、A19システムに比べ設置面積で1/2、消費電力で1/4、発生熱量で1/3に改善し、TCO(Total Cost of Ownership)を大幅に低減します。
  4. 企業レベルのC/Sコンピューティングを実現するソフトウェア
    インターネット/イントラネット対応の業務処理システム構築のためにWorldWideWebサーバ機能をMCP環境に実装します。これにより頑強でスケーラブルなトランザクション 処理機能を容易に活用できます。
    MCP環境に『TransIT ODBC』を標準搭載することで、Windows NT環境のWorldWideWebサーバのODBCインタフェースを利用してPCクライアントのWorldWideWebブラウザから MCP環境の基幹データベース(DMSⅡ)をリアルタイムに検索することを可能とします。
    複数のプラットフォーム上でトランザクションの連携を実現する『TransIT Open/OLTP』を提供します。
  5. 『CLEARPATH ソリューションセット』の提供
    企業レベルのC/S環境構築に向けて汎用機上に蓄積された情報資産を活用しつつHMP機能、WorldWideWebサーバ機能、など最新の情報技術を取り込み現実的・段階的に移行 していくための具体的なソフトウェアとサービスを提供します。
  6. フェイル・セイフな障害自動回復機能の提供
    冷却装置やシステム監視装置(System Console Processor)の二重化はもちろんですが、『NX4800シリーズ』では、電源装置に障害箇所を自動的に切断/切り換える予備の 電源供給機構を設け、より一層の安全性を図っています。
    ディスク装置については、『NX4800シリーズ』、『NX4600シリーズ』とも『MDPF(Mirror Disk Pooling Facility)』により、障害検出時にミラーを解除し、 予備ディスク群より最適なディスク・ドライブとパスを自動的に選択し、新たにミラーの設定を行なうソフトウェア・ミラー機能を提供します。
    『USS5100』ディスク・サブシステムでは、障害ディスク内の最新データを予備ディスクへ自動複写して処理継続するダイナミック・スペアリング機能や、遠隔地の ディスク・サブシステムへ自動複写を行なうURDF(Unisys Remote Data Facility)を提供します。
  7. 無停止連続処理支援機能の提供
    『CSP(Contenuous Services Platform)』により、特別なハードウェア、ソフトウェアの追加なく既存の技術を組み合わせて、ホット・スタンバイ・システムを実現できます。 併せて、マルチ・プロセッサ・システムで自動縮退処理を行なう『ECR(Enhanced Console Recovery』や、ハートビートによる稼働監視システム『AHB(Application HeartBeat)』 を標準で提供します。

新製品の価格は、I/O装置を含む小規模構成で、
『NX4800』が、月額800万円から
『NX4600』が、月額160万円から
となります。

また、出荷は、
『NX4800』、『NX4600』とも、平成8年9月末からの予定です。

販売台数としては、3年間で、
『NX4800』は、100システム
『NX4600』は、500システム
を見込んでおります。

以上

  • NX4800の仕様

『NX4800』は、1~4プロセッサまでのWindows-NTサーバを2システムまで、またMCP環境では1~6プロセッサまで、性能別に合計16モデルを提供し、15.2倍の拡張性を有します。


システム 相対性能 プロセッサ 入出力装置 主記憶容量(MB) チャネル数 形状(mm)
(基本) (最大) (基本) (最大)
NX4800-762 15.2 6 2 576 2,304 4 96 高さ :1,770
奥行き:1,110
幅  :1,120
NX4800-752 13.7 5 2 480 2,304 4 96
NX4800-742 11.8 4 2 384 2,304 4 96
NX4800-732 9.5 3 2 288 2,304 4 96
NX4800-722 7.2 2 2 192 2,304 4 96
NX4800-622 5.9 2 2 192 2,304 4 96
NX4800-522 4.3 2 2 192 2,304 4 96
NX4800-422 3.3 2 2 192 2,304 4 96
NX4800-322 2.5 2 2 192 2,304 4 96
NX4800-222 1.8 2 2 192 2,304 4 96
NX4800-711 3.8 1 1 96 1,152 2 48
NX4800-611 3.1 1 1 96 1,152 2 48
NX4800-511 2.3 1 1 96 1,152 2 48
NX4800-411 1.7 1 1 96 1,152 2 48
NX4800-311 1.4 1 1 96 1,152 2 48
NX4800-211 1.0 1 1 96 1,152 2 48

  • NX4600の仕様

『NX4600』は、『NX4800』と同様1~4プロセッサまでのWindows-NTサーバを2システムまで搭載可能で、MCP環境では1プロセッサ・モデルに加え、2プロセッサを1システムとして使用する2×1モデル、2プロセッサに加えメモリ、入出力装置など全て二重化した2×2モデルの合計15モデルを提供し、ユーザのニーズにきめ細かく対応します。

システム 相対性能 プロセッサ 入出力装置 主記憶容量(MB) チャネル数 形状(mm)
(基本) (最大) (基本) (最大)
NX4600-522 5.5 2 2 192 1,536 4 48 高さ :1,770
奥行き:1,110
幅  : 560
NX4600-422 4.3 2 2 192 1,536 4 48
NX4600-322 3.3 2 2 192 1,536 4 48
NX4600-222 2.4 2 2 192 1,536 4 48
NX4600-122 1.8 2 2 192 1,536 4 48
NX4600-521 5.5 2 1 192 1,536 1 24
NX4600-421 4.3 2 1 144 1,536 1 24
NX4600-321 3.3 2 1 96 1,536 1 24
NX4600-221 2.4 2 1 96 1,536 1 24
NX4600-121 1.8 2 1 96 1,536 1 24
NX4600-511 3.1 1 1 96  768 1 24
NX4600-411 2.3 1 1 96 768 1 24
NX4600-311 1.7 1 1 96 768 1 24
NX4600-211 1.3 1 1 96 768 1 24
NX4600-111 1.0 1 1 96 768 1 24
注記
注1:HMP(Heterogeneous Multi Processing)
異なるOS環境をシングル・システムとして統合する技術。『HMPシリーズ』では、メインフレームのOSであるMCP環境上にWindows NTのネットワーク環境やファイル・サービスを実装し、 Windows NTサーバとシームレスに統合する。ハードウエア技術としては、両OS環境を高速チャネル・バスで接続している。
注2:CLEARPATH
企業レベルのクライアント/サーバ環境構築へ向けて既存の情報資産を活用しつつ最新の情報技術(IT)を取り込んでいくためのガイドライン。 現実的・段階的に移行するための『CLEARPATHソリューションセット』と、 『CLEARPATHサーバ』よりなる。
注3:MCP(Master Control Program)
『Aシリーズ』固有のメインフレーム用オペレーティング・システム。

※掲載のニュースリリース情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。