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Foresight in sight

旧日本ユニシスのニュースリリース

1997年7月14日

日本ユニシス
インターネット/イントラネット時代のエンタプライズ・サーバ
「CLEARPATHサーバ HMP NXシリーズ NX4200」販売開始 〜 汎用機ソフトウェアをIntel/WindowsNT上で実行 〜

日本ユニシス株式会社(社長=天野順一東京都江東区豊洲1-1-1)は、ユニシス・エンタプライズ・サーバ「HMP NXシリーズ」の最新鋭機種として、小型機の性能分野をカバーする「CLEARPATHサーバHMP NXシリーズNX4200」3モデルの販売を本日より開始します。

「NX4200」は、インテル社製プロセッサ(PentiumPro 200MHz)を使用して『汎用機のユニシス独自OS(MCP/AS)環境』と『オープン化を代表するWindowsNT環境』という2つの異なった環境を同一のプラットフォームで同時稼働するという最新技術を取り入れた画期的なシステムです。

「NX4200」は、これまで築き上げてきた企業情報資産を活かすために、既存の汎用機OS(MCP/AS)環境を業界標準技術(インテル社製プロセッサ/WindowsNT)上に完全にエミュレーション(*1)しています。このエミュレーション技術により、現行の基幹業務アプリケーションを変更することなく、マイクロソフト社のBackOfficeなど標準的な製品と連携したインターネット/イントラネット対応のオープンシステム連携を可能にしました。

コスト面でも徹底した業界標準技術の採用により価格性能比向上と運用負荷軽減を図り、TCO(Total Cost of Ownership)の低減を実現しました。

このたび発表の「NX4200」の投入により、「HMP NXシリーズ」は、大型機の「NX4800」、中型機の「NX4600」、小型機の「NX4200」と全ての性能分野をカバーし、小型機から大型機まで約240倍の性能範囲で完全な互換性を保証しています。

1994年頃をピークに主流となった企業情報システムのダウンサイジング化/分散化では、運用管理・障害回復処理の複雑さ、機能やデータの重複、分散化によって発生するシステム群を統合するためのリスク、既存情報資産の継続性、人件費を含めた予想外のコスト増大など、多くの課題が内在しています。
一方、汎用機は、CMOS技術導入による価格性能比の向上、蓄積された膨大な情報資産、高い安全性、オープンシステム連携強化などにより、その重要性が再認識されています。
 「NX4200」は、汎用機の特性を活かしながらオープンシステムの良さを取り入れた製品であり、今後の汎用機の進むべき方向性の一つを表しています。

日本ユニシスは、企業情報システムの発展・進化の考え方として「CLEARPATH(クリアパス)」を提唱しています。「CLEARPATH」の狙いは、実績ある安定した汎用機上に蓄積してきた膨大な情報資産を活かしつつ、日々進化する最新のIT(情報技術)を迅速に安全に取り込み、着実にかつ段階的に新世代のエンタプライズ・クライアント/サーバ・システムへと進化させることにあります。

「CLEARPATHサーバ HMP NXシリーズ NX4200」の特徴

  1. 最新のエミュレーション技術を開発・採用
    「NX4200」は、インテル社製プロセッサを2基搭載したWindowsNTサーバをプラットフォームに採用することにより、オープン系アプリケーションを稼働させる「WindowsNT環境」と従来の汎用機系アプリケーションを稼働させる「MCP/AS環境」を連携して稼働するシステムです。
     ユニシスが開発した最新のエミュレーション技術は、インテル社製プロセッサ/メモリー/ディスク/ネットワーク機器などのハードウェアの「WindowsNT環境」と「MCP/AS環境」との共有使用を可能にしました。これにより、従来はLANを通して「MCP/AS環境」と「WindowsNT環境」を通信していたものが、同一メモリー上で両環境を稼働することで、メモリー内の高速通信を実現しました。
    またエンドユーザーは、パソコンからWebブラウザやODBC(Open Database Connectivity)などの業界標準技術を通して「MCP/AS環境」を活用でき、さらに基幹システムとパソコン上のプログラムとが名前付きパイプなどの標準技術だけで連携できることにより、専用の端末エミュレーション・ソフトウエアの全パソコンへのセットアップ作業や管理の負荷から解放されます。
  2. 最新ITとの連携ソフトウェアを基本提供
    「NX4200」の販売開始に併せて、「CLEARPATHソリューションセット」に基づくソフトウェア製品やサービス、さらにはインターネット/イントラネットによる基幹業務と最新ITの連携処理に必要なソフトウェア製品を標準ソフトウェア・パッケージで提供します。その主要なソフトウェアは以下の通りです。

    (1)IOE(Integrated Operating Environment:統合操作環境)
     「HMP NX4000シリーズ」の統合オペレーティングシステム環境であり、WindowsNTと既存の汎用機OS(MCP/AS)の2つのOS環境のシームレスな統合を実現します。
     HMP NXシリーズの基本ソフトウェアには、

    • 「WindowsNT環境」と「MCP/AS環境」を連携し一元的に運用管理するHMPソフトウエア群
      (NX/Services;ファイル管理、プリント管理、名前付きパイプ、WWWサーバなど)
    • インターネット/イントラネット対応のWeb連携ソフトとして、「COMSとWebの連携基盤ソフトウェア」や非
      同期処理を電子メール経由で実現する「MailPlus!」
    • データベース連携として「TransIT ODBC」と「UNIAREX」
    • アプリケーション開発支援ツールとしてOCX対応のソフトウェア部品「NX/ESPEC」

    などのソフトウェアが含まれています。
    さらに、NT環境上のExchangeサーバやSQLサーバ、Proxyサーバなども併せて基本ソフトウエアとして提供します。これにより、既存プログラムのインターネット/イントラネット化が開発の負荷なくすぐに可能となり、迅速なビジネス戦略の変更を支援します。

    (2)電子メールを企業活動の基盤に据える「MailPlus!」
     現在、電子メールは人と人とが情報を交換するための手段として利用されていますが、これを人とコンピュータ(アプリケーション)とが情報を交換するための基盤ソフトウェアとして提供するのが「MailPlus!」です。
     例えば、このソフトウェアを使用し、利用者は、あらかじめ電子メールから業務アプリケーションへ情報収集を依頼し、結果を都合のよい時間に電子メールで受け取ることができます。また、定期的一方的に知らせたい情報(売上状況、在庫状況、商品情報など)を業務アプリケーションから電子メールを介して、自動的に配信するプッシュ型の情報配信など、種々の非同期型業務処理連携を実現できます。

    (3)電子帳票システム「UNIREP-V」
     電子帳票システム「UNIREP-V」は、従来ホスト・コンピュータを使用して大量の帳票を印刷し、人手によって仕分け・配布していた作業を、PCクライアントからGUIにより、簡便な操作で行えるソフトウェアです。
    その特徴は、ホスト・システムで構築した既存のプリント・システムを変更することなくその帳票出力イメージをPCクライアントへ表示し、操作できることです。
     また、印書データはキャビネットとフォルダにより、世代管理や部門別管理を容易に実現きます。
     さらに、帳票の仕分け・配布を自動的に行うソフトウェア「ReportDeliver」も提供します。
  3. 耐障害性・運用性の強化
  4. 「NX4200」は、電源の二重化により耐障害性・信頼性を強化しています。さらに自動運転装置「SCJIII」や簡易型の電源制御装置「PCU」の提供により、運用面での強化も図っています。

    なお、「NX4200」の価格は、入出力装置を含む小規模構成で月額23万円から。出荷開始は本年8月末を予定しており、販売台数は2年間で1,500台を見込んでいます。
注記
注1:エミュレーション
汎用機のオペレーティングシステム(MCP/AS)をIntelプロセッサ上で稼働させる技術

※掲載のニュースリリース情報は、発表日現在のものです。その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。