1998年3月2日
日本ユニシス
警察庁へ指紋識別システム用に
指掌紋自動押なつ装置「ライブスキャナ」を導入
日本ユニシス株式会社(社長=天野順一 東京都江東区豊洲 1-1-1)はこのたび、警察庁が指紋自動識別システムの高度化を図り指紋照合のスピードアップを目的として、平成9年度から5年計画で全国の警察本部と警察署に導入を予定している指掌紋自動押なつ装置「ライブスキャナ」の初年度分として、警察庁及び大阪府をはじめとした数府県の警察本部と全警察署に設置しました。
従来、被疑者の指紋はインクで紙に採られ、郵送されたその原紙を警察庁指紋センターで入力していました。新たに入力された指紋と既登録の指紋を自動指紋識別システムで照合し、その結果を得るまで平均3~4週間かかっていました。
「ライブスキャナ」は、指紋を光学的に読み取り、デジタルデータ化して、即座に伝送し、照合結果をオンラインで照会することにより、
- 指紋登録・照会のオンライン化
- 被疑者の身元確認のリアルタイム化
- 余罪照会のリアルタイム化
- キーボード入力による、指紋関連データの入力及び作成
- 指掌紋のクリーン採取
- 手を汚さず、短時間で的確な採取
- 取り直しが容易で、より鮮明な採取
を実現する装置です。これは従来の指紋採取法とは一線を画す革新的な技術導入であり、科学警察を目指す「指紋革命」とも言われております。

ライブスキャナによる掌紋押なつ

指紋(デジタルデータ)のモニター画像
日本ユニシスでは、この「ライブスキャナ」の心臓部である指掌紋スキャナ部を、三井物産株式会社の協力を得て、ドイツの光学専門ハイテク企業と共同開発を進め、統合システム化を図り日本で初めて製品化しました。本スキャナは掌紋の採取機構を標準で装備し、性能は米国FBI等で使用されているものと比較しても高精度を誇り、実質的には世界で最も精度の高い装置といえます。
警察庁ではこの「ライブスキャナ」で採取された指紋を、各警察本部を経由し衛星通信回線を利用して、同庁指紋センターの指紋データとの照合時間を飛躍的に短縮させるシステムを構築し、平成13年までの5年間で全国の警察本部と警察署に設置する予定です。同様のシステムは米国内でも一部稼働していますが、全国規模での導入は日本の警察庁が世界初となります。
日本ユニシスでは、今回の初年度分「ライブスキャナ」の納入の実績を基に、次年度以降の受注をめざすとともに、三井物産では海外マーケットへの拡販を計画中です。
- 商標、登録商標
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