
ニュースリリース
1999年5月10日
日本ユニシス
3次元モールド金型設計・製造システムの機能を大幅強化
〜『CADCEUS/MoldDesign Ver2.1』を販売開始〜
日本ユニシス株式会社(社長=天野順一 東京都江東区豊洲 1-1-1)は、操作性のさらなる向上とよりスピーディーな設計を指向した、3次元モールド(樹脂)金型設計・製造システム『CADCEUS/MoldDesign(キャドシアス/モールドデザイン) Ver2.1』を発表し、本日より販売を開始します。
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昨今の樹脂金型業界は金型メーカ同士の差別化を図る目的で、3次元ソリッドによる金型設計を指向する傾向にあります。そしてこれが、同業界での競合力を左右する金型造りのコンカレント化及びデジタル化を推進するうえでの最も重要なキーテクノロジーとなっています。 日本ユニシスでは、1998年9月に射出成形機最大手の日精樹脂工業株式会社(社長=依田司氏 長野県坂城町南城2110)と同分野の設計・製造システムで販売・技術提携しました。両社は、既に日本ユニシス製『CADCEUS』のラインナップのひとつとなっていた『CADCEUS/MoldDesign』をベースとして、樹脂金型設計・製造業務により特化したCAN/CAMシステムに取り組んできました。こうして今年1月に販売開始した『CADCEUS/MoldDesign Ver2.0』は、これまでに100本を超える出荷を達成しています。
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今回発表の『CADCEUS/MoldDesign Ver2.1』は次の2大特徴を備えており、型設計全体の工期を大幅に短縮することができます。 |
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3次元ソリッドデータを2次元感覚で使うことができる |
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モールドベース注1)、スライド注2)、水管注3)、エジェクタピン注4)などの金型標準部品を製品/三面図のデータに2次元的に配置していき、最後に金型のソリッドモデルを自動的に生成する。 |
◎ |
不完全な製品データからでもキャビ・コア注5)設計を進めることができる |
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面の欠落や離れなど、不完全なデータがあった場合でも、あえてそれを無視して欠落部以外を接合したサーフェスを利用して、キャビ・コア設計が行える。 |
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このほか、前バージョンに対し強化された機能は以下の通りです。 |
○標準部品機能 |
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・部品位置で部品長さを自動決定 ・付属部品の自動的な選択・配置・穴あけ ・部品とともに決められるボルトは自動配置 |
○モールドベース機能 |
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・構想設計段階を2次元設計イメージで実施可能 ・サイズ変更を随時可能 ・フタバの新規格に対応 ・2次元ワイヤーフレームからの立体化 |
○スライド機能 |
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・構想設計段階を2次元設計イメージで実施可能 ・配置をスライド軸方向にて可能 ・アンギュラピン配置との連動 ・パターン増加(6パターン) |
○水管機能 |
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・構想設計段階を2次元設計イメージで実施可能 ・水穴と製品面との距離マップ ・水穴の長さ変更 |
○部品表作成機能 |
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・配置済みの部品を表として作成可能 |
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『CADCEUS/MoldDesign Ver2.1』のシステム価格は430万円から。 日本ユニシスでは今年度、同ソフトウェアを500本販売する予定です。 なお、既に『CADCEUS/MoldDesign Ver2.0』を使用中のユーザは、日本ユニシスとのサポート契約に基づき『CADCEUS/MoldDesign Ver2.1』にアップグレードできます。
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注1) |
モールドベース: 金型の外側部分を標準化して作ってある市販部品。 |
注2) |
スライド: 上下の型割りだけではとりはずせない場合に使われる機構のこと。 『CADCEUS/MoldDesign Ver2.1』ではこの機構をパターン化してあり、 標準部品と同様に扱える。 |
注3) |
水管: 金型の温度調節を行うための冷却水孔。 |
注4) |
エジェクタピン: 成形された樹脂を金型からとりはずすために用いられる突き出しピン。 |
注5) |
キャビ・コア: キャビ(=キャビティ)は金型の凹みとなる部分、コアは凸形状の部分のこと。
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