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Foresight in sight

旧日本ユニシスのニュースリリース

2016年10月12日

日本ユニシス
浅草六区で災害に強い地域通信ネットワークの評価
〜 塩尻市や松江市におけるNerveNetプラットフォーム機能の研究成果を活かして 〜

日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:平岡 昭良、以下 日本ユニシス)は、六区ブロードウェイ商店街振興組合(東京都台東区、代表理事:熊澤 永行氏)主催の社会実験「災害に備えまSHOW」(以下SHOW)(注1)にて、災害に強いメッシュ型地域通信ネットワーク(以下 NerveNet)(注2)の有効性を評価します。

■「災害に備えまSHOW」における実証の概要

SHOWでは、防災・減災をテーマに六区ブロードウェイ商店街の複数の商用施設壁面に設置された大型デジタルサイネージへのコンテンツ同時配信と、災害発生を想定した一斉切替を実施します。
六区ブロードウェイ商店街のデジタルサイネージは広告宣伝を目的として個々に運営されています。SHOW開催に向けて機種も運営主体も異なる各デジタルサイネージをネットワーク化し、コンテンツの同時配信と一斉切替を実現しました。
この仕組みにより、平時は六区ブロードウェイ商店街のデジタルサイネージによる演出に一体感が生まれます。また、災害発生時に通常コンテンツから災害時用コンテンツに切り替えて観光客や地域住民の指示誘導を行うこともできます。
SHOWでは、平時のエンターテイメント用コンテンツを流している最中に災害発生を想定、災害時用コンテンツに一斉に切り替えるデモを行います。SHOWを通じて本仕組みが平時と災害時の両面で利用できること、観光客や地域住民ならびに六区ブロードウェイ商店街にとって有用であることを評価する予定です。(デモは10月14日(金)14:00~14:30、16:00~16:30の2回実施予定)

■NerveNetを活用したデジタルサイネージのコンテンツ配信制御

浅草六区のデジタルサイネージのコンテンツ同時配信や一斉切替は、通信機器を用いて単純に接続するだけでは通信が遮断/遅延するため実現できません。そこで、NerveNetの実証フィールドである塩尻市と松江市にて実証済み(注3~注6)の低遅延同期制御機能(注7)により問題を解決しました。 (図1)
NerveNet活用により、浅草六区の街の賑わい創出、防災・減災への取り組みを技術面から支援します。

■NerveNetのビジネスモデル検討

日本ユニシスは、これまでの実証実験や実証フィールドで得られた成果を活かして、オープンイノベーションを見据えたビジネスモデルを検討していきます。地域の自治体や企業への展開や応用、地元商店街やベンチャーとのビジネスエコシステム(図2)を実現、災害に強い地域通信ネットワークの社会への普及促進を目指します。

以上

■浅草六区の実証 視察のご案内

浅草六区での「災害に強い地域通信ネットワーク(NerveNet)の評価」について個別にご説明します。(予約不要)日時:10月14日(金)12:00~17:00 場所:イーグルR-1浅草店前

<視察に関する問い合わせ窓口>
日本ユニシスNerveNet委託研究チーム
E-mail:nul-nervenet@ml.unisys.co.jp


■図1 浅草六区のシステム構成図

■図2 ビジネスエコシステム

注記
注1:六区ブロードウェイ商店街主催の社会実験の概要(災害に備えまSHOW)

六区ブロードウェイ商店街振興組合は、国家戦略特別区域法による道路占用の事業認定を目指し、都市の魅力向上と一層の賑わいの創出に向けて、「浅草六区オープンカフェ2016」~道路法の特例を活用した社会実験(第2期)~」を浅草六区ブロードウェイ(東京都台東区浅草1-25~台東区浅草2-6)にて実施します。(9月30日(金)から10月30日(日)までの金・土・日・祝日)
「災害に備えまSHOW」は防災・減災をテーマとしており、浅草六区で近年増加する訪日外国人観光客や、帰宅困難者の支援を目指しています。浅草六区に備わるWi-Fi環境、デジタルサイネージ、演者を活用した “SHOW”(10月14日(金)14:00~14:30、16:00~16:30の2回)と、起震車体験や防災・減災のための豆知識コーナーなどの“アクティビティ”(10月14日(金)12:00~17:00)が行われます。

注2:メッシュ型地域ネットワーク(NerveNet)のプラットフォーム技術の研究開発

国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が開発したNerveNetは、携帯電話網や固定電話網と異なり、各基地局のサーバーに情報を持ち、かつ基地局同士が網の目のようにメッシュで接続されます。また、自動経路生成機能を持つことで、回線が切断されても分散配置された別のサーバーからサービス提供を継続でき、地域通信ネットワークの耐災害性が向上します。また、一部の基地局で障害が発生しても無線マルチホップ技術により、直ちに別のルートに切り替える機能があるため通信の安定性が保たれます。

(2014年9月3日付ニュースリリース)日本ユニシスは、株式会社フィンチジャパン、ナシュア・ソリューションズ株式会社、国立大学法人東北大学と共同で、国立研究開発法人情報通信研究機構から「メッシュ型地域ネットワークのプラットフォーム技術の研究開発」を受託しました。
本委託研究の最終目標は、研究最終年度である平成28年度(2016年度)内に自治体や企業がNerveNetを活用したアプリケーションやプラットフォームを採用することを目指します。
http://www.unisys.co.jp/news/nr_140903_meshnetwork.html

注3:災害に強い地域通信ネットワークの実証実験を塩尻市・松江市で実施

(2015年5月13日付ニュースリリース)日本ユニシスは、国立研究開発法人情報通信研究機構からの委託研究事業「メッシュ型地域ネットワークのプラットフォーム技術の研究開発」において、長野県塩尻市と島根県松江市と実証実験に向けて連携します。平成27年度(2015年度)からそれぞれの地域内で、さらに両地域を連携して、地域特性を踏まえたアプリケーションにNerveNetを適用する仕組みとその効果を検証します。
http://www.unisys.co.jp/news/nr_150513_meshnetwork.html

注4:長野県塩尻市で災害に強い地域通信ネットワークの実証実験を開始

(2015年7月24日付ニュースリリース)日本ユニシスは、長野県塩尻市で災害に強い地域通信ネットワークの実証実験を開始します。塩尻市から塩尻市民へメッシュ型地域ネットワークを使って行政情報や災害情報などを情報配信します。平時・緊急時の両面から情報配信の質・量の向上を図り、その効果を検証します。
http://www.unisys.co.jp/news/nr_150724_meshnetwork.html

注5:島根県松江市でメッシュ型地域通信ネットワークの実証実験を開始

(2015年12月15日付ニュースリリース)日本ユニシスは、島根県松江市でメッシュ型地域通信ネットワークの実証実験を開始します。NerveNetのセキュリティの観点で、市役所外からのイントラネットへの安全なアクセスと、自治体間の安全な情報連携の実証実験を通じて、行政サービスの向上や地方創生を目指します。
http://www.unisys.co.jp/news/nr_151215_meshnetwork.html

注6:長野県塩尻市でメッシュ型地域通信ネットワークの新たな実証実験を開始

(2016年9月1日付ニュースリリース)日本ユニシスは、長野県塩尻市でメッシュ型地域通信ネットワークの新たな実証実験を開始します。今回の実証実験では、引き続き平時活用の取り組みとしてバス接近情報の配信を行い、それを通してさまざまな時空間データを最適に活用する時空間データ管理プラットフォームのあり方を検討します。
http://www.unisys.co.jp/news/nr_160901_meshnetwork.html

注7:NerveNetの低遅延同期制御機能

SHOWでは、浅草六区に設置された複数デジタルサイネージを携帯キャリア回線で接続したスマートフォンから同期制御しています。
従来システム及び通信環境においてインターネット側から同期制御目的で複数機器にIP ブロードキャストを送信してもインターネット側のルータで遮断されてしまい機器には到達しません。また、サーバーを仲介する場合、低遅延での同期は困難です。
今回は、NerveNetの特徴である低遅延メッシュネットワーク伝送技術、委託研究で開発したプロキシ転送技術、携帯キャリア網に接続したスマートフォンからNerveNet基地局への機器認証付きVPN(注8)技術の組み合わせにより同期制御を実現しています。
本機能は、NerveNetのネットワーク上に存在する複数IoTデバイスの同期制御に有用です。例えば、機器稼動(生存)数の確認、緊急停止、警告発報などをリモートから制御できるようになります。

注8:VPN

Virtual Private Network(主に企業内データ通信に用いられる暗号化された仮想専用回線)。

商標、登録商標
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