2015年12月7日
日本ユニシス
国債T+1対応の保振・決済照合事務支援ソリューション「Preseak®21」開発開始
〜 保振・決済照合システムの新接続方式にも全面対応 〜
日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:黒川 茂、以下 日本ユニシス)は、2018年上期に実施が予定されている「国債取引の決済期間短縮化(国債T+1)」(注1)に向けた開発に着手しました。
また、株式会社証券保管振替機構(以下 保振)が運営する「決済照合システム」とのオンラインリアルタイム処理接続の新方式であるJEXGW接続方式(注2)、および通信メッセージの新タイプであるISO20022(注3)に対応した保振・決済照合事務支援ソリューション「Preseak21」の販売を開始しました。
日本ユニシスは「Preseak21」を2001年の保振の「決済照合システム」稼働時から、証券決済制度改革の制度変更に対応したソリューションとして多くの金融機関に提供してきました。今回、当社ではこれまでのノウハウ・実績を踏まえ、ソリューションの提供とあわせて金融機関での導入作業、保振との接続テスト支援、稼働後の保守運用支援までトータルなサービスを提供することで、「国債取引の決済期間短縮化(国債T+1)」の実現を支援します。
今回、日本ユニシスが提供する「Preseak21」の特徴は、以下のとおりです。
- 顧客ニーズに柔軟に対応
保振接続ゲートウェイ機能、電文変換機能、照合事務支援機能をそれぞれ独立した機能とすることで、金融機関の業務システムに合わせて「Preseak21」の必要な機能のみを選択することが可能です。また、電文変換機能を活用してISO20022形式のXML電文から、業務システムのインターフェイスにあわせた電文フォーマットへの変換を実現しています。 - 照合事務支援機能をGUIで提供
約定照合〜決済照合〜口座振替までの取引照合ステータスを管理する機能をGUIで提供。オペレーターの照合事務負荷を軽減し、オペレーションリスクの低減を可能にします。 - 柔軟な接続方式の提供
金融機関の業務システムと「Preseak21」とのデータ送受信に関する接続方式は、ファイル転送によるデータ連携方式、または、リアルタイムな非同期連携方式など柔軟な選択が可能です。 - 移行時の業務システムへのインパクトを削減
従来のISO15022形式からISO20022形式への電文フォーマットの変更を、「Preseak21」の電文変換機能で吸収。業務システムへの変更リスクを最小限に抑制します。 - クラウドでのサービス利用型でも提供
日本ユニシスが培ったクラウドサービスでの実績を活かし、利用型のサービス提供など、金融機関の規模やニーズに合わせ多様な提供方法を準備しています。
日本ユニシスは、市場系決済系領域において培った豊富なノウハウと技術を活かし、安全性と堅牢性を実現したソリューションとして、証券決済分野では「Preseak21」、資金決済分野では「Siatol®-SS/GS」(注4)を提供します。証券決済分野では、今後「株式等の決済期間の短縮化(株式T+2)」(注5)も予定されており、当社では、引き続き、金融機関の決済照合事務の効率化、オペレーションリスクの低減を実現し、金融機関の業務発展に貢献していきます。
- 注記
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- 注1:国債取引の決済期間短縮化
- 2009年9月に「証券決済制度改革推進会議」の下に、「国債の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」が設置され、決済短縮に向けての各種議論、検討が行われた結果、2014年11月26日「国債取引の決済期間の短縮(T+1)化にむけたグランドデザイン」が公表され、2015年6月24日に本制度実施目標時期が2018年上期の3連休と設定されました。
その決済期間短縮化の代表的な対応として、以下の2点が挙げられます。
- アウトライト取引(*1)およびSCレポ取引(*2)のT+1化
アウトライト取引およびSCレポ取引については、現行の事務フロー、市場インフラを前提とし、約定日当日に約定照合、ネッティング(*3)照合を完了させ、翌日に決済を行うものとなります。 - GCレポ取引(*2)のT+0化
GCレポ取引については、既存事務フロー、市場慣行ではスムーズに実現することが困難なことが予想されるため、新たな取引手法である銘柄後決め方式(*4)の導入と、現在整備されていない市場インフラの導入によって、約定日当日中に決済まで完了させるものとなります。
*1 アウトライト取引
国債を単純に、買付や売付を行う取引のこと。当事者間において、債券の借り手は借入れ債券に対する貸借料を支払い、債券の貸し手(担保金の受け手)は担保金に対する金利を支払うが、その差額(金利−貸借料)がレポレート(日本版レポレート)と呼ばれている。
*2 SCレポ取引・GCレポ取引
レポ取引とは、現金担保付債券貸借取引(Repurchase transaction)の略で、現金を担保とした債券の消費貸借契約のこと。
貸借銘柄を特定した取引の場合を、SC(Special Collateral)レポ取引という。
銘柄を特定しない取引を、GC(General Collateral)レポ取引という。
*3 ネッティング
対当する債券債務部分を相殺するように、各当事者間で国債の売付数量と買付数量、支払金額と受取金額の差額を計算し、その差額について各当事者間で決済を行うこと。
*4 銘柄後決め方式
約定時点では資金調達金額のみを決めておき、その後、約定済みのGCレポ取引に銘柄を割り当てる方式。 - アウトライト取引(*1)およびSCレポ取引(*2)のT+1化
- 注2:JEXGW接続方式
- JEXGWシステムと利用社のシステムが回線を介してメッセージ・キューイング型の通信を行い、処理を行う接続形態。
- 注3:ISO20022
- 2004年にISO/TC68によって制定された、金融業務で利用される通信メッセージの標準化手続に関する国際規格。登録の対象は、通信メッセージ・フォーマットのほか、その前提となった業務フロー、通信メッセージの要件なども含まれます。
- 注4:Siatol-SS/GS
- Siatol-SS/GSは、日本銀行が運営する日本銀行金融ネットワークシステムの第二段階に対応した、日本ユニシスの日銀決済管理ソリューションです。
- 注5:株式等の決済期間の短縮化
- 2015年7月、株式などの決済期間短縮化の実施に向けた課題の整理・検討を行うため、「証券受渡・決済制度改革懇談会」の下に「株式等の決済期間の短縮化に関する検討ワーキング・グループ」が設置されました。
- 商標、登録商標
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- Preseak、Siatolは、日本ユニシス株式会社の登録商標です。
- その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
- 関連リンク
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