2015年11月12日
日本ユニシス、SCSK
新日銀ネット第2段階の運用開始に対応した新バージョンを稼働開始
〜 日本ユニシス 日銀決済管理ソリューション「Siatol®-SS/GS」と
SCSK 新日銀ネットコンピューター接続ソリューション「BOJGW®」を高度化して提供 〜
日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:黒川 茂、以下 日本ユニシス)とSCSK株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:大澤 善雄、以下 SCSK)は、日本銀行が2015年10月13日より運用を始めた新しい日本銀行金融ネットワークシステム(以下 新日銀ネット)の第2段階に対応した日銀決済管理ソリューション「Siatol-SS/GS」と日銀ネットコンピューター接続ソリューション「BOJGW」を稼働開始しました。
従来両社は、金融機関の日銀決済に関わるソリューションとして、流動性管理機能(注1)および日銀ゲートウェイ機能を提供してきました。新バージョンの「Siatol-SS/GS」「BOJGW」は新日銀ネット第2段階に対応したソリューションとして、アプリケーション・プログラムやネットワーク接続の提供だけでなく、金融機関への導入、日本銀行との試験支援、稼働後の保守運用支援といったサポートサービスも併せて提供します。
日銀ネット(日本銀行金融ネットワークシステム)は、日本銀行が運用する決済システムで、金融機関同士の資金および国債の決済をオンライン処理するネットワークシステムです。
日本銀行では、金融取引や金融・資本市場、情報処理技術の変化などに応じて、日銀ネットの機能を進化させていくことは重要な課題であるとの意識のもとに、最新の情報処理技術の採用、変化に対して柔軟性の高いシステムの構築、アクセス利便性の向上を狙いと目標にした「新日銀ネット」の構築を進めてきました。
第1段階:2014年1月6日稼働開始。主に国債オペ(日本銀行による国債売買)の決済方法が変更。
第2段階:2015年10月13日稼働開始。電文のXML形式への変更(注2)など全面的な刷新。
■ 日本ユニシスの「Siatol-SS/GS」の特徴
Siatol(シアトル)シリーズは資金証券業務全般をカバーする日本ユニシスの市場系システムです。
日銀決済管理ソリューション「Siatol-SS/GS」は日銀決済機能をカバーし、決済事務の効率化・高度化を推進します。
「Siatol-SS/GS」の新バージョンでは、従来の日銀ネットとのコンピューター接続方式版に加え、日銀ネット端末を介したファイル連動接続方式版を提供します。コンピューター接続方式と比べて簡易かつ低コストなシステム導入・運用を実現するソリューションを提供することで、幅広い金融機関において日銀決済事務のシステム化・高度化を実現します。
(2)Siatolシリーズとの連携によりデータ連動処理の効率化を実現
「Siatol-SS/GS」の新バージョンではSiatolシリーズとのデータ連動機能を提供します。Siatolシリーズを利用しているお客さまは、取引約定処理から決済処理までのデータ連動処理を、二重にデータ打鍵することなく実施できます。
(3)新機能「資金繰推移状況照会画面」の提供
「Siatol-SS/GS」の新機能(オプション)として「資金繰推移状況照会画面」を提供します。決済データおよびモニターデータから当日分の資金繰推移をグラフにより視覚的に捉えることができるようになり、日銀口座の日中流動性をモニターすることが可能となります。(2015年12月リリース予定)
(4)今後の制度・規制への対応
「Siatol-SS/GS」を導入することで、今後予定されている国債決済期間短縮化(「アウトライト取引のT+1化」「GCレポのT+0化」)(注3)、バーゼル銀行監督委員会による「日中流動性モニタリング規制」などへの準備を進めることができ、金融機関業務の高度化・オペレーションリスクの軽減・業務負荷低減を推進します。
新日銀ネットコンピューター接続ソリューション「BOJGW(ビー・オー・ジェイ・ジー・ダブリュー)」は、新日銀ネットとコンピュータ接続を実現するSCSKのソリューションパッケージです。新日銀ネットとのデータ送受信をリアルタイムに行います。
新日銀ネットとのコンピュータ接続方式に対応したゲートウェイシステムです。通信機能に特化した軽量なパッケージ構成で、新日銀ネットとの電文送受信において高性能なデータ連動を実現します。
(2)クロスプラットフォームでの稼働
特定のプラットフォームに依存しないパッケージ構成です。お客さま内での標準プラットフォームで稼働させることが可能であり、導入コスト削減、運用の効率化などの効果を発揮します。
(3)各種システム運用機能の提供
データ処理状況の確認や障害時の復旧処理などで使用するシステム運用画面や機能を保有しています。また、「Siatol-SS/GS」からの連携はもちろん、その他RTGSなどの他システムからのシステム制御を可能にしており、これによりお客さまのバックオフィスシステムから「BOJGW」の各種連動制御が可能となり、バックオフィスシステムとBOJGWを組み合わせたシステム運用に対応します。
- 注記
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- 注1:流動性管理機能
- 日銀ネットで行われているRTGS(即時グロス決済:金融機関間における資金・国債決済を即時に行う方法)を実現する日銀決済管理ソリューションを構成する主要機能です。
決済データの自動生成、決済の予定・実績管理、残高・担保管理、資金繰管理機能など、日銀決済に必要となる機能群を提供します。 - 注2:電文のXML形式への変更
- XML(Extensible Markup Language)とは、文書やデータの意味や構造を記述するためのコンピューター言語の一つです。
新日銀ネットでは、ネットワーク上でやりとりされる電文の形式が、従来の形式からこのXML形式に変更されるため、これに対応する必要があります。 - 注3:国債決済期間短縮化
- 日本の金融・資本市場の競争強化に向けて、証券決済システムの一層の利便性の向上およびリスク管理強化などを達成するため、国債の決済期間(取引から受渡までの期間)の短縮化が日本証券業協会で検討されています。
その決済期間短縮検討の代表的な対応として、以下の2点が挙げられます。
- アウトライト取引(*1)およびSCレポ取引(*2)のT+1化
- GCレポ取引(*2)のT+0化
アウトライト取引およびSCレポ取引については、現行の事務フロー、市場インフラを前提とし、約定日当日に約定照合、ネッティング(*3)照合を完了させ、翌日に決済を行うものとなります。
GCレポ取引については、既存事務フロー、市場慣行ではスムーズに実現することが困難なことが予想されるため、新たな取引手法である銘柄後決め方式(*4)の導入と、現在整備されていない市場インフラの導入によって、約定日当日中に決済まで完了させるものとなります。
*1 アウトライト取引
国債を単純に、買付や売付を行う取引のこと。
*2 SCレポ取引・GCレポ取引
レポ取引とは、現金担保付債券貸借取引(Repurchase transaction)の略で、現金を担保とした債券の
消費貸借契約のこと。
当事者間において、債券の借り手は借入れ債券に対する貸借料を支払い、債券の貸し手(担保金の受け手)は
担保金に対する金利を支払うが、その差額(金利−貸借料)がレポレート(日本版レポレート)と呼ばれている。
貸借銘柄を特定した取引の場合を、SC(Special Collateral)レポ取引という。
銘柄を特定しない取引を、GC(General Collateral)レポ取引という。
*3 ネッティング
対当する債券債務部分を相殺するように、各当事者間で国債の売付数量と買付数量、支払金額と受取金額の
差額を計算し、その差額について各当事者間で決済を行うこと。
*4 銘柄後決め方式
約定時点では資金調達金額のみを決めておき、その後、約定済みのGCレポ取引に銘柄を割り当てる方式。
- 商標、登録商標
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- Siatolは、日本ユニシス株式会社の登録商標です。
- BOJGWは、SCSK株式会社の登録商標です。
- その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
- 関連リンク
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