2015年11月9日
日本ユニシス、イトーキ
近未来オフィスにおける協創的コミュニケーション
共同研究成果 第2弾のコンセプトとプロトタイプを公開
〜 会議室自らが能動的に判断・行動・学習する「人工知能を融合した会議支援空間」 〜
日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:黒川 茂、以下 日本ユニシス)と株式会社イトーキ(本社:大阪市城東区、代表取締役社長:平井 嘉朗、以下 イトーキ)は、協創的コミュニケーションを支援する仕組みの共同研究『近未来オフィス U&I空間プロジェクト』(注1)を2014年11月から進めています。本プロジェクトは、より高い創造性を発揮する近未来オフィス空間の構築を目的としており、2014年11月に公開したコンセプトとプロトタイプ(試作)をさらに進化させた第2弾(プロトタイプII)を本日から公開します。
プロトタイプIIは、日本ユニシスの人工知能(AI)技術とイトーキのオフィス・デザインの知見の融合をさらに進めることにより、会議室自らが能動的に判断・行動・学習する機能を充実させ、会議体験を総合的に支援する「人工知能を融合した会議支援空間」を具現化しました。
この共同研究は、リアルな空間とデジタル・バーチャルな空間をシームレスに繋ぐことをテーマに、創造的なワークプロセスをサポートする新しい空間プラットフォーム(空間のメディア化・空間のオフィス化)の研究開発を行っています。2014年11月に公開したプロトタイプIIでは、コモンセンスAI(注2)が会議参加者の発想や合意形成を支援してくれる会議支援空間を表現しました。
今回公開したプロトタイプIIでは、会議室がAIのインターフェースとなり、その場の雰囲気や文脈を理解して、能動的に、しかし、柔らかにアプローチする「人工知能を融合した会議支援空間」を表現しています。AIが、もう一人の会議参加者として議論の場に参加し、時にはファシリテーターやモデレーターのように、時にはサーチャー(検索者)や奇想天外なアイデアマンのように、アイデア出しや、意思決定をサポートし、会議を加速させることを目指しています。
参加者の発話がリアルタイムにキャプチャされ、単語に分解された状態で壁面に蓄積されます。一つ一つの単語は、自動的に重要度が算定され、重要なキーワードはテーブル上に表示されるため、議事内容やキーワードが一目でわかります。
AIが状況に応じて、キーワードに関連する情報をレコメンドします。参加者がレコメンドにタッチすると、壁面に情報の全体が浮かび上がり、その情報からの新たな気づきが発想を生みます。例えばニュース、研究論文、書籍など、その場に必要と考えられる情報リソースをAIが選び、会議をサポートしていきます。時には、知らない言葉の意味を会議参加者がかけているメガネ型端末のディスプレイに提示してくれます。
AIは、会議の状態を、会議参加者の発話の量や情報のやり取りの順番、内容の多様さなどから読み取り判別します。AIが、参加者にレコメンドする情報は、強化学習の手法を応用した仕組みにより決定します。従って、回数を重ねるごとに、会議をより活性化させる情報をレコメンドすることを可能としています。
AIが、会議における発話やその場の状態を読み取り、キーワードやレコメンド情報を壁やテーブルに表示します。
日本ユニシスとイトーキは、共同研究『近未来オフィスU&I空間プロジェクト』を通じ、日本ユニシスの強みとイトーキの強みの相乗効果を発揮した、知的オフィスコミュニケーションの創造を推進していきます。
今後、プロトタイプIIをベースにした実証実験を経て、次世代の創造支援システムソリューションを市場に投入する計画を進めています。対象市場は、創造性が要求されるオフィスのクリエイティブディスカッション空間や教育市場におけるアクティブラーニング(注3)空間とし、空間設計などを含んだトータルシステムとして、2017年前半の販売開始を予定しています。
以上
- 日本ユニシスのこれまでの取り組み
日本ユニシスは、コミュニケーションを取るときの空間や環境との自然なインターフェーフェスやインタラクションをテーマとして、研究開発を進めてきました。目指しているのは、人と人のコミュニケーションに介在し、サポートするコンピュータの実現です。例えば、共有している背景知識や感覚(コモンセンス)を備えたAIの開発、言葉が内包する意味を読み取り活用するための自然言語処理による文章の意味解析、人の直感に近いユーザー体験を実現するNUI(Natural User Interface)などの研究成果に繋がっています。 - イトーキのこれまでの取り組み
イトーキでは、新たな価値創造へ導くひとつの鍵は人と人、人と情報のコミュニケーションと捉え、長年にわたってオフィスの創造性を追求してきました。また、ICTを活用し、実世界空間(オフィス)と情報空間(コンピュータ)が相互作用するシームレスな融合デザインの研究開発とプロトタイピングを進めてきました。 - イトーキの考えるクリエイティブ・プロセス 『trans.(トランス)』
創造過程における[個人と組織]・[発散と収束思考]、また、個人のアイデアを組織の創造へと導く[2×2]の4つのモードを、自由に、かつ瞬時にモード・チェンジすることによる組織知識創造プロセスのデザイン・コンセプトです。環境を変化させ、思考の転換を繰り返し、アイデアを変換させる。これがイトーキの考える創造への変換『trans.』です。
「人工知能を融合した会議支援空間」プロトタイプII 展示イベントのご案内
イトーキ東京イノベーションセンターSYNQAで、「人工知能を融合した会議支援空間」プロトタイプIIを体験できます。
- イベント名
「イトーキプレゼンテーション2015」 - 期間
2015年11月10日(火)〜11月13日(金)10:00〜18:00 (受付時間 17:00まで) - 場所
イトーキ東京イノベーションセンターSYNQA 2F プロジェクトブース
東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 1-3F
- 注記
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- 注1:日本ユニシスとイトーキが進める協創的コミュニケーションを支援する仕組みの共同研究 『近未来オフィス U&I空間プロジェクト』
日本ユニシスが推進している人工知能(AI)の研究と、イトーキの提唱するクリエイティブ・プロセスのコンセプトである「trans.(トランス)」を組み合わせることで、人と人のコミュニケーションを活性化させ、クリエイティブワークのさらなる支援を目標とする共同研究プロジェクトです。
- 注2:コモンセンスAI
日本ユニシスが研究開発している、人間がコミュニケーションを取るときの前提として共有している背景知識や感覚(コモンセンス)を備えたAIのことです。今回の「人工知能を融合した会議支援空間」の研究開発では、日本ユニシスがコモンセンスAIに関する取り組みの一環で行った「空気が読めるコンピュータをつくろう」プロジェクトで得た知見を活用しています。
(「空気が読めるコンピュータをつくろう」プロジェクト: http://omcs.jp/)- 注3:アクティブラーニング
一方的な知識や情報の伝達ではなく、議論や知的な交流を通じて、学習者が主体的に問題を発見し解を見出していく教授法のことです。
- 商標、登録商標
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