2015年7月8日
日本ユニシス
「未来の社会」を想定した研究開発を推進
〜 ソフトウエア技術、NUI、人工知能などの研究成果を、本格的に社会へ適用開始 〜
日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:黒川 茂、以下 日本ユニシス)は、日本ユニシス総合技術研究所が未来の住宅、職場、公共の場所など「未来の社会」を想定して進めてきたソフトウエア技術、NUI(Natural User Interface:人間の五感や人間が自然に行う動作によって機械などを操作する仕組み)、人工知能などの研究成果について、社会への適用・実装や実ビジネスへの応用を本格的に開始します。
【背 景】
日本ユニシス総合技術研究所は、「『データ』を『価値のある情報』に変えるソフトウエア」、「企業価値向上を支える情報システムの方法論とアーキテクチャ」、「社会プラットフォームを支える技術」の提供をミッションとし、「アイディアをすぐカタチに」をモットーに、スピード感のあるR&D(研究開発)の実現を目指して活動しています。
特に、医療や環境など社会問題の解決手段としてのソフトウエア技術分野では、予防医療の充実化や医療・介護費抑制を目指した「健康関連データの基盤構築」や、個人レベルでのCO2削減を想定した「ICタグを利用した排出枠取引手法」など、さまざまな領域で新たなイノベーションを実現しています。また、「人、モノ、社会」に関わる情報の管理と適切な提供の仕組みの分野では、コンピュータから利用者への適切な情報フィードバックを支える「自然言語処理」や、機器や車両の点検・修理などに生かせる「物体・動体の認識技術」を研究開発中です。
中でも動体認識とその活用研究については、スマートフォンやタブレット端末、スマートグラスなどデバイス類の飛躍的な発展の影響で、これまで遠い未来像として語られてきた体験が次々と実用の場に登場してきており、日本ユニシス総合技術研究所でもKinect®(注1)などのモーションセンサーを利用した動体解析や画像解析技術の深耕を進めるとともに、コモンセンスAI(注2)などの人工知能研究を活用して「未来の社会」を想定したNUI研究を進めています。
【社会適用・実装の展開事例】
こうした研究成果をもとに2013年から社会適用に向けた実証実験などを開始し、2015年6月からは一般生活者向けのサービスやクリエイティブ領域への実装を本格的に開始しています。
2013年にはモーション・音声センサー技術を活用して、小売業での問題解決を図る「非接触型惣菜電子マニュアル」のプロトタイプ(試作)を開発しました。惣菜加工現場で手を触れずに音声と動作でコントロールできる電子マニュアルの実証実験を行っています。
またモーションセンサーを利用したR&Dの一環として、ジェスチャーに筆圧を反映させる仕組みを組み込んだ空中筆記の性能向上技術の提供を行っています。
2014年には株式会社イトーキ(本社:大阪市城東区、代表取締役社長:平井 嘉朗 氏、以下 イトーキ)の最先端ワークスタイル・デザインと日本ユニシスの人工知能を融合した「近未来オフィスにおける協創的コミュニケーション」の共同研究(注3)を開始し、人工知能が人と人のコミュニケーションを支援する「未来の会議」システムのプロトタイプを2015年6月15日〜9月15日までスルガ銀行株式会社(本店:静岡県沼津市、代表取締役社長:岡野 光喜 氏)のコミュニケーションスペース「d-labo(夢研究所)ミッドタウン」(所在地:東京都港区赤坂)にて一般公開しています。
クリエイティブ領域への取り組みとしては、2015年6月19日〜9月27日まで、デザインの展示施設「21_21 DESIGN SIGHT」(所在地:東京都港区赤坂)で開催の企画展「動きのカガク展」(主催:21_21 DESIGN SIGHT、公益財団法人 三宅一生デザイン文化財団)で、出展アーティスト(菅野 創+やんツー)の作品制作において、人工知能を応用した技術協力をMicrosoft Azure Machine Learning(注4)を使用して具現化しています。現在は問題解決が主流となっている人工知能の応用領域が、よりクリエイティブな領域へと拡大する足がかりとなる可能性を持つと考えています。
【サービスビジネスへの展開事例】
また日本ユニシスでは、研究を応用したビジネスイノベーションを推進しており、旭硝子株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:島村 琢哉 氏、以下 AGC旭硝子)のガラスサイネージとICTを融合し、未来の暮らしを楽しく快適にするためのサービスを共同で検討しています。その成果の一つとして、株式会社大京(本社:東京都渋谷区、代表執行役社長:山口 陽 氏、以下 大京)が手掛けるマンション「ライオンズ宮前平ヒルズ」(所在地:神奈川県川崎市)のモデルルームにモーションセンサーを組み合わせたミラーサイネージが採用され、一般の来場者に公開されます。
今回、モデルルームに設置したミラーサイネージは、AGC旭硝子のinfoverre® MIRROR(注5)に、日本ユニシスのNUI技術をKinectで実装しています。ミラーサイネージの前に立つ人を検知すると鏡に自動で映像を映し出すことで驚きを演出し、さらにジェスチャーにより映像を遠隔で快適に操作できます。モデルルームの来場者は、近未来の暮らしを実際に体験することができます。
【今後の展開】
今後も日本ユニシスは、常に社会に目を向け、「アイディアをすぐカタチに」できるスピード感のあるR&Dと、ビジネスイノベーションへの貢献を推進すると共に、一企業の枠を超えて、さまざまな他分野のサービスが複合的に連鎖する、新しいビジネスエコシステム(注6)の構築を目指します。
以上
■大京「ライオンズ宮前平ヒルズ」のモデルルームにおけるモーションセンサーを組み合わせたミラーサイネージの利用イメージ

普段は鏡として利用

ジェスチャーで画面を操作
■利用イメージの動画
Happy future life with a magic mirror
- 鏡のある未来の暮らし -
(1分21秒)
- 注記
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- 注1:Kinect(キネクト)
マイクロソフトが販売する、身体の動き、ジェスチャー、音声などによる機器操作を可能とするデバイス。
- 注2:コモンセンスAI
日本ユニシスが研究開発している、人間がコミュニケーションを取るときの前提として共有している背景知識や感覚(コモンセンス)を備えた人工知能。
日本ユニシスは、人と人とのコミュニケーションに交ざり、コミュニケーションをサポートするコンピュータの実現を目的として、コモンセンスAIの研究開発を進めています。
・「空気が読めるコンピュータをつくろう」プロジェクト: http://omcs.jp/- 注3:日本ユニシスとイトーキの「近未来オフィスにおける協創的コミュニケーション」共同研究
日本ユニシスとイトーキは、共同研究『近未来オフィス U&I空間プロジェクト』として、両社の強みの相乗効果を発揮した「近未来オフィスにおける協創的コミュニケーション」の創造を推進し、近未来オフィス空間を支援するシステムの製品化を目指しています。
- 注4:Microsoft Azure Machine Learning
マイクロソフトが、Microsoft Azure(マイクロソフトのクラウドプラットフォーム)の一つのサービスとして提供している予測分析サービス。
- 注5:infoverre MIRROR
ガラスとディスプレイを融合したinfoverre(インフォベール)シリーズは、クリアな映像を浮かび上がるように映し出す、新しいガラスサイネージです。ミラータイプの新製品、「infoverre MIRROR」は、透明なガラスの代わりにブラックミラーを使用することで、斬新な映像表現によるユニークな情報発信を実現します。
- 注6:ビジネスエコシステム
従来の電子商取引(eコマース)だけでなく、あらゆる経済活動・社会活動はデジタル化されていきます。このデジタル化された経済・社会活動を「デジタルエコノミー」と呼びます。
デジタルエコノミー上のサービスは連鎖して、より高度なサービスへと進化していきます。すると連鎖がまた複合的に連鎖していきます。これらにより、一種のビジネスコミュニティが生まれ、そのコミュニティを構成する参加者(多くは企業)それぞれが、無くてはならない存在となり、共存共栄が実現します。こうしたビジネス上の生態系を、日本ユニシスグループは「ビジネスエコシステム」と呼んでいます。
- 商標、登録商標
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- Microsoft、Kinectは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標または登録商標です。
- infoverreは、旭硝子株式会社の登録商標です。
- その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
- 関連リンク
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