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Foresight in sight

ニュースリリース

2010年10月13日

環境省「電気自動車による日本版Autolibに関する技術開発」の採択を受け、
大阪府内にて電気自動車共同利用事業プロジェクトを発足

〜 「日産リーフ」のカーシェアリング車両導入 〜

   オリックス自動車株式会社(本社:東京都港区、社長:三谷 英司、以下 オリックス自動車)、日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:籾井 勝人、以下 日本ユニシス)、株式会社イード(本社:東京都中野区、社長:宮川 、以下 イード)、株式会社ジェーシービー(本社:東京都港区、社長:川西 孝雄、以下 ジェーシービー)は、環境省の平成22年度地球温暖化対策技術開発等事業において「電気自動車(EV)による日本版Autolib(注1)に関する技術開発」の採択を受け、2011年1月より大阪府の協力のもと電気自動車共同利用事業プロジェクトを発足します。

   本プロジェクトでは、日産自動車株式会社のEV「日産リーフ」用のカーシェアリングシステムや、大阪府が推進し、今後近畿圏に広げることとしている「おおさか充電インフラネットワーク」利用時にエコ・アクション・ポイント(注2)が付与されるしくみ、またEV利用時に目的地までの走行距離確認や充電場所情報をスマートフォンで入手できる情報提供システムなど、EV社会の到来に向けた各種サービスを開発します。

   今回、共同で推進する電気自動車共同利用事業は、大阪府が進める「大阪EVアクションプログラム(注3)」の中で、EVに関わる新しいサービスを社会インフラの一つとして構築しようとするものです。

【技術開発などにおける各社役割】

■オリックス自動車:「充電インフラシステムと連携したカーシェアリングシステムの開発」

  • 「日産リーフ」用カーシェアリング車載装置開発
  • 充電インフラシステムとカーシェアリングシステム間のインターフェース開発
  • ワンウェイ利用(乗り捨て)運用ロジック開発

■日本ユニシス:「各システムと連携した充電インフラシステムの開発」

  • カーシェアリングシステムとのシステム連携開発
  • 充電場所情報提供システムとのシステム連携開発
  • エコ・アクション・ポイントシステムとのシステム連携開発

■イード:「充電場所情報提供システムの開発」

  • 出発地から目的地までの走行距離事前確認
  • 走行ルート周辺部の充電可能場所の確認
  • 充電スタンドの満空 情報の提供(日本ユニシスより情報提供)

■ジェーシービー:「エコ・アクション・ポイントとの連携」

  • 環境行動(CO2削減行動)の認定
  • 充電インフラシステムとエコ・アクション・ポイントシステムとのシステム連携
  • ユーザーへのエコ・アクション・ポイントの付与・ポイント管理・ポイント交換

■大阪府:「各種コーディネートなど」

  • 「おおさか充電インフラネットワーク」の提供
  • 関係自治体・機関とのコーディネート

   本実証事業の3年計画のうち、1年目(2011年2月まで)で12台の「日産リーフ」を導入予定で、3年後(2013年2月まで)には約50台のEVの導入を計画しています。また、2011年度以降にワンウェイ利用の実証実験を行うなど、利便性を高めるためのサービスの開発を計画しています。

   オリックス自動車、日本ユニシス、イード、ジェーシービー、大阪府は、今後もCO2排出削減を支援し、地域社会の環境負荷低減につながるEV関連サービスの開発に取り組んでいきます。

以上

<補足資料>

(1)今回開発するシステムの概要と各社の役割

システム概要

(2)充電場所情報提供システム(日本国内の充電場所情報を検索できるスマートフォンのアプリでは世界初)

   スマートフォン端末に下記のような充電場所情報を提供することで、利用者はEVを利用する前に行き先までの距離や途中の充電場所を確認できます。

  1. 出発地から目的地までの走行距離確認
  2. 走行ルート周辺部の充電可能場所の表示
  3. EVスタンドのクチコミ情報(使いやすさ、入りやすさ、無料かどうかなど)をユーザー投稿システムを使い、データベース化
  4. 充電スタンド満空 情報
距離確認画面 space 充電ステーション情報画面
space space space
[1] スマートフォンによる目的地までの距離確認画面イメージ space [2] 充電ステーション情報画面イメージ

(3)充電サービス利用者へのエコ・アクション・ポイントの付与(EVユーザーを対象としたエコ・アクション・ポイントサービスは国内初)

   商業施設などに設置された充電スタンドの利用情報をもとに、EVユーザーにエコ・アクション・ポイントを付与するサービスを開発し実証します。
   これは、EVによる来店客に対し、ガソリン車での来店と比較した場合のCO2削減効果に対してインセンティブを付与することを目的としたものです。将来、充電サービスが有料化された場合に、そのサービス利用料を原資とした持続可能なポイント付与のしくみを構築することを目指しています。
   本実証事業では、オリックス自動車のEVカーシェアリングユーザーへのポイント付与をモデルケースとし、日本ユニシスの充電インフラシステムで収集・管理する充電スタンド利用情報とジェーシービーのエコ・アクション・ポイントプラットフォームの連携によって実現します。

<エコ・アクション・ポイント付与イメージ図>

イメージ図
注1:Autolib 
フランスのパリ市と27のコミューンでは、2011 年内 に、EVを24時間365日いつでも利用することができ、路上にあるステーションにて無人で貸出・返却を行う乗り捨て可能な「EVカーシェアリング事業」の開始を予定している。3,000台のEVを自由に使え、カーステーション数は1,000ヵ所(うち700ヵ所はパリ中心部)の予定。都市における車の利用に起因する環境改善や温室効果ガス、近隣汚染、車の騒音の軽減、現在の交通機関の補完、フランス国内の世帯における交通費削減などを目指す。この「Autolib」は、パリ市が提供している自転車貸出システム「Velib※」の成功を受け、計画されたもの。

※Velibについて 
自転車を24時間365日利用することができ、路上にある自転車ステーションで、貸出・返却を行う「セルフレンタル」方式。乗り捨ても可能なシステムとなっている。パリ市当局は、Velibの普及により、地球環境に優しい自転車の利用促進を目指している。

注2:エコ・アクション・ポイント 
「エコ・アクション・ポイント」は、地球温暖化対策型の商品・サービスの購入や省エネ行動に伴いポイントを獲得でき、ためたポイントをさまざまな商品・サービスに交換することができるプログラム。ジェーシービーが環境省から委託を受け、エコ・アクション・ポイントのプラットフォーム運営を行っています。参加企業・団体は、銀行、保険、家電量販店、電力、鉄道、旅行、ホテル、出版、放送、外食、イベント、地方自治体など、累計53企業・団体にのぼり、現在も拡大している。

注3:大阪EVアクションプログラム 
大阪が高いポテンシャルを有するリチウムイオン電池の有力用途であるEVを核に、インフラ・社会システム整備や先進的モデル事業を行うことにより、EVなどの普及を促進し、低炭素社会の構築を図るとともに、将来的に新エネルギー関連産業の集積を促すことを目指すアクションプログラム。なお、このプログラムを進めるため、昨年6月、「大阪EVアクション協議会(40団体)」を設置している。


注釈/リンク

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