JP/EN

 

Foresight in sight

ニュースリリース

2007年5月23日

日本ユニシス
マルチコードプラットフォームの実用化のために、
「東京ユビキタス計画・銀座」実証実験に参加

〜携帯端末用JavaScriptエンジンと関連サーバーを期間中、参加団体向けに公開〜

 日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:籾井 勝人、以下 日本ユニシス)は、マルチコードプラットフォーム(注1)を活用したソリューション(例えば小売現場における販売促進ソリューションや、まちづくりソリューションなど)の実証実験のために、「東京ユビキタス計画・銀座」(注2)に参加します。
 また、実証実験で使用される携帯端末(ユビキタス・コミュニケータ、以下UC)で動作するJavaScriptエンジンと、街中や店頭に設置したucode ICタグやucodeマーカーなどの場所情報とコンテンツ情報を関連付けるucode解決ゲートウェイとucode解決サーバー(注3)を、「東京ユビキタス計画・銀座」の開催期間中、これらの実用性を検証するため同実証実験参加団体向けに公開します。

 日本ユニシスは、マルチコードプラットフォーム(「2006年度経済産業省 電子タグ実証実験事業 テーマ2 マルチコード相互運用プロジェクト」(注4)で開発)を活用したソリューションの実用化のために、「東京ユビキタス計画・銀座」に参加します。現在、実証実験に向けて準備をしているソリューションは、サーバー上に蓄積された地図情報などをUC上に表示し、歩いた経路をサーバーに書き戻すことで、後でインターネット経由でも参照できる旅行案内システムです。

 今後、日本ユニシスは、この実証実験を通じ、次に代表されるようなソリューションビジネスを積極的に展開していきます。

(1) 小売現場の販売促進ソリューション
ネットショッピングで検討した商品を店頭で実際に確認したい場合、UCなどの携帯端末から売り場に設置された場所タグを読み込み、その商品の売り場まで適切に案内します。
(2) まちづくりソリューション
「東京ユビキタス計画・銀座」実証実験で開発した旅行案内のアプリケーションとプラットフォームの運営保守を実用化することで、商店街や駅を中心としたまちづくりを推進します。

 日本ユニシスは、これらのソリューションの実現のために、JavaScriptエンジンを移植し、ucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイを開発しました。
 JavaScriptエンジンは、Mozilla®(注5)のソースコードの一部を、組み込みシステム用のオペレーティングシステムであるT-Kernel(注6)を搭載しているUC上に移植したものです。実証実験参加団体は、JavaScriptエンジンの利用によってWWWブラウザなどで使用している標準的な技術のJavaScriptを使用して容易にアプリケーションを開発できます。さらに既存のJavaScript資産やサーバーのコンテンツ資産を容易に活用できます。なおJavaScriptエンジンは、日本ユニシスから公開します。
 またucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイは、T-Engine(注6)フォーラムから公開されている仕様に準拠し、日本ユニシスで開発しました。実証実験参加団体は、実証実験期間中、日本ユニシスが運用管理するucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイを利用できます。

 なお、マルチコードプラットフォーム、ucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイは、すでにTyzoh®(注7) からオープンソースソフトウェア(OSS)として提供されています。今回開発したJavaScriptエンジンについても、「東京ユビキタス計画・銀座」での実証実験が終了した段階で、TyzohからOSSとして提供する予定です。

以上

注1: マルチコードプラットフォーム
マルチコードプラットフォームは、2006年度においては、アプリケーション側が「ucode」と「EPC」という2つのコード体系や「社内独自コード」などの違いを気にすることなくシステムの運用が出来る環境、つまり、「複数コード体系に依存しないプラットフォーム」として開発されました。
2007年度においては、それに加え、高速なイベントログ機能、組み込み機器向け開発言語、ucode解決機能などを機能拡張する予定です。
注2: 東京ユビキタス計画・銀座
「東京ユビキタス計画」(http://www.tokyo-ubinavi.jp/)は、東京都が中心となった実行委員会により2005年度より国土交通省と連携して実施されているプロジェクトです。2005年度には上野公園で実証実験を行い、2006年度にはT-Engineフォーラムが「東京ユビキタス計画・銀座」の実証実験の委託を受け銀座で、世界的にも類をみないユビキタス空間場所情報システムの大規模な実証実験を行ってきました。さらに2007年度は、実用化にむけ、銀座の街全体に設置された約1000個のucodeタグのインフラを、T-Engineフォーラム会員企業、メーカやサービス提供の企業が、新たなサービスやビジネス、システムの開発のためのフィールドとして活用していきます。
注3: ucode、ucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイ
「ucode」は、東京大学坂村教授が主催するT-Engineフォーラムに設置されたユビキタスIDセンター(http://www.uidcenter.org/)が標準化を進めています。「ucode」は、ユビキタス社会で、あらゆるモノを認識するために提唱されたコードであり、128bitで構成されていますが、ユニークに発番するという以外に細かな制約はありません。また、ucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイの仕様書は次のウェブサイトからダウンロード可能です。
http://www.t-engine.org/japanese/spec.html
「ucode解決プロトコル(標準版」」(910-S211-0.00.04/UID-CO00008-0.00.04)
「ucode解決ゲートウェイ」(910-S204-1.A0.03/UID-CO00007-0.00.01)
注4: 「2006年度経済産業省 電子タグ実証実験事業 テーマ2 マルチコード相互運用プロジェクト」
これは、2006年6月に公募された経済産業省 平成18年度「エネルギー使用合理化電子タグシステム開発調査事業(電子タグ実証実験事業」」のうち、テーマ2の「マルチコード相互運用プロジェクト」に日本ユニシスが応募し採択され、東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」(東京都文京区、拠点リーダー:坂村 健)、慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市、代表:國領 二郎)、ユビキタスIDセンター(東京都品川区、代表:坂村 健)、Auto-ID Lab. Japan(神奈川県藤沢市、代表:村井 純)と共同で実施したプロジェクトです。
注5: Mozilla
Mozilla プロジェクトの ミッション は、インターネットでの選択肢と革新を維持していくことです。
  • 数々の賞を勝ち取った Firefox Web ブラウザおよび Thunderbird 電子メールソフトウェアの制作者であり提供者です。
  • ソフトウェア開発ツールの提供者です。
  • 開発者やテスタによるオープンソース コミュニティです。
  • テクノロジー業界の パートナーです。
  • インターネットの標準化や Web 標準の開発に向けたツールを提供する活動支援団体です。
  • インターネットテクノロジーやソフトウェア開発についての教育資料を提供する教育団体です。
注6: T-Kernel、T-Engine
「T-Kernel」とは、「T-Engine」(以下に説明)用の組み込みシステム向けのリアルタイムオペレーティングシステムです。
「T-Engine」とは、T-Engineフォーラム(会長:坂村健 東京大学教授) ( http://www.t-engine.org/)が開発・提供している、ユビキタス・コンピューティング環境構築のための、オープンなリアルタイムシステム標準開発環境で、次のような特徴を持ちます。
  • 「T-Engine」はeTRONセキュリティアーキテクチャに対応し、その結果ネットワークセキュリティの強固な応用システムを開発可能です。
  • 「T-Engine」は、ハードウェア、リアルタイムOS、オブジェクトフォーマット仕様を規格化しミドルウェアの流通を円滑にします。
  • 豊富なミドルウェアの利用により、応用システムの開発期間の大幅短縮と開発コスト低減を可能とします。
注7: Tyzoh
「Tyzoh」(http://www.tyzoh.jp)とは、ユビキタス時代の社会プラットフォームを企画・開発・普及することを目的とするコミュニティで、日本ユニシスも参加しています。また、上記、マルチコードプラットフォーム、ucode解決サーバー・ucode解決ゲートウェイを含む、さまざまなソフトウェアがOSSとして公開されています。

注釈/リンク

[Back]