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Foresight in sight

ニュースリリース

2004年9月1日

シスコシステムズとユニアデックス、
メガネスーパーにIPコミュニケーションを導入

〜 本社ビルへの約160台にのぼるIPフォン導入を8月中旬に完了。
全国450店舗でのインターネットを介した電話網展開を開始 〜

 インターネット向けネットワーキング機器ベンダーの最大手であるシスコシステムズ株式会社(代表取締役社長:黒澤 保樹、資本金:22億2千万円、住所:東京都港区赤坂2-14-27、以下「シスコ」)とユニアデックス株式会社(社長:福永 努、住所:東京都江東区、以下「ユニアデックス」)は、9月1日、株式会社メガネスーパー(代表取締役社長:田中 由子、資本金:10億7108万円、住所:神奈川県小田原市本町4-2-39、以下メガネスーパー」)が、本社に対するシスコのIPコミュニケーションの導入を完了し、全国約450店舗へもインターネットを活用した電話網の導入を開始したことを発表しました。システム提案、機器導入、ネットワークインテグレーションはシスコのゴールドパートナーであるユニアデックスによって実施しています。

 メガネスーパーがIPコミュニケーションの導入を決定したのは2004年1月です。本社ビルへの導入作業は2004年7月中旬から8月中旬にかけて行われ、約160台に上るIPフォンが導入されました。これと並行して社内ネットワーク網の再構築も進められています。メガネスーパーでは1986年に店舗と本社をアナログ回線(ダイヤルアップ)で接続したPOSネットワークを構築、1997年にフレームリレー網へと切り替えていますが、これをシスコのVPNルータを利用したインターネットVPNへと移行作業を進めています。

 本社と各店舗との電話のやり取りにはKDDIのIPフォンサービスを利用し、POSデータと音声の両方をインターネット経由でやり取りできる環境を整備しつつあります。8月下旬には各店舗への新ネットワーク展開も始まっており、2005年3月までに展開を完了する予定です。

 このような電話網のIP化は、電話料金の削減に大きな効果を発揮すると期待されています。以前のメガネスーパーでは、本社ビルはPBXによる内線電話網、本社と各店舗の間はISDN/PSTNによる公衆網を利用した電話システムを利用しており、年間で9000万円近くの電話料金がかかっていました。しかし新しい電話システムでは本社内はもちろんのこと、本社/店舗間の電話料金もゼロになります。これによって電話料金全体の7割、年間約6000万円のコスト削減が可能になると見込まれています。

 今後はさらに、朝礼や放送といった店舗社員への情報伝達や、店舗向けのBGM配信、新商品紹介広告の配信、製品技術解説やCMなどの動画配信など、店舗向けコンテンツを拡充していく計画です。また将来的には、無線POSやPDAを採用したレイアウトフリーな店舗構想や、無線ICタグを活用した流通管理の実現等も視野に入っています。

■ネットワークの概要
現在展開されているメガネスーパーのネットワークは、関連資料「ネットワークの概要図」のような構成になっています。

まず本社ビルのバックボーンスイッチには「Cisco Catalyst 3750」、ディストリビューションスイッチには「Cisco Catalyst 3550」、VoIPゲートウェイには「Cisco 2651XM」、そしてVPNルータには「Cisco 7200VXR」が採用されています。IPコミュニケーションの中核となる呼制御サーバ「Cisco CallManager」は2台でクラスターを構成し、高可用性を確保しています。約160台に上るIPフォンには「Cisco IP Phone 7960G」を採用。これらはインラインパワーに対応した「Cisco Catalyst 3550」に接続されています。

各店舗はADSLでインターネットに接続され、「Cisco 1712」を利用したインターネットVPNによってデータのやり取りがトンネル化されています(本社側は「Cisco 7200VXR」を利用)。このインターネットVPNは主にPOSデータのやり取りで利用され、近い将来にはグループウェアによる情報共有もこの上で実現することが視野に入っています。

本社/店舗間の通話はKDDIのIPフォンサービスによって実現しています。これまで本社から店舗への発呼は、4桁の店番号をプッシュすることで行われていましたが、今回導入されたシステムでは店番号とIPフォンサービスの「050」番号の変換を、「Cisco CallManager」によって実現しています。なお外線に対する着信およびインターネット電話障害時の発呼のため、既存のISDN/PSTNへの接続も残されています。ISDN/PSTNへの接続は、本社ではVoIPゲートウェイとして「Cisco 2651XM」経由、各店舗ではKDDIが提供するIPフォンアダプタ経由で実現されています。
■IPコミュニケーション導入のメリット
メガネスーパーではIPコミュニケーションの導入によって、次のようなメリットを期待しています。
  1. 通話コストの大幅削減
    メガネスーパーではこれまで年間9000万円近くの電話料金がかかっていましたが、そのうち7割が本社/店舗間の通話によるものだということがわかっています。今回のIPコミュニケーション導入によって本社/店舗間の電話料金がゼロになることで、約6000万円のコスト削減が可能になると見込まれています。
  2. 通話回線の可用性向上
    今回は本社/店舗間の電話網をIPネットワークへと移行する一方で、外線に対する着信/発呼のために既存のISDN/PSTNも残されています。このISDN/PSTNをバックアップ回線として利用することで、通話回線の冗長化による可用性向上が期待できます。また大規模地震などの災害発生時にはPSTNにコールが集中し、通話が困難になる危険性がありますが、メインの通話回線をインターネットに置き換えることで、このようなリスクを回避することも可能になります。
  3. ITシステムとの連携
    メガネスーパーでは現在、情報共有基盤としてのグループウェア導入検討が進められています。将来的にはグループウェアとIPコミュニケーションを連携させることで、電話帳システムの実現や発呼前の在席確認等、多様なアプリケーションが可能になると期待されています。
  4. "第3の端末"としての活用
    電話とPCの中間に位置づけられる"第3の端末"として、IPフォンを活用することも考えられています。メガネスーパーでは現在、1人1台のPC環境にはなっていませんが、ディスプレイの大きなIPフォンを情報端末として活用することで、PC端末よりも手軽に情報共有基盤を確立することが可能になります。
  5. 店舗に対するコンテンツ配信
    マルチメディアに対応したIPネットワーク網によって、店舗に対して多様なコンテンツを配信できるようになります。具体的なコンテンツとしては、朝礼や放送といった店舗社員への情報伝達や、店舗向けのBGM配信、新商品紹介広告の配信、製品技術解説やCMなどの動画配信などが考えられています。
またこの他にも、本社/店舗間をインターネットVPNで常時接続することで、POSデータのリアルタイム活用や、グループウェアによるタイムリーな情報共有も可能になると期待されています。

以上


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