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Foresight in sight

ニュースリリース

2004年3月18日

日本ユニシス情報システム
ドットヨム社との提携による携帯電話向け電子小説、『儚き島』を配信開始

 日本ユニシス情報システム株式会社(社長=石田英雄 東京都江東区豊洲1-1-1 以下、日本ユニシス情報システム)は、株式会社ドットヨム(社長=江藤誠晃氏 大阪府大阪市福島区福島6-8-10-9F 以下、ドットヨム)との提携により、ブロードバンドケータイ向けの文芸コンテンツサイト『儚き島』を3月18日から立ち上げます。

 史上最年少の女性作家がダブル受賞し、社会現象とまでいえるブームを巻き起こした第130回芥川賞の受賞作『蹴りたい背中』は、携帯電話やPDAでも読むことができ、電子書籍版としても大きなセールスをあげたことが話題になりました。
  また、家電メーカーによる読書専用端末の相次ぐ発表や、携帯電話における電子書籍配信ビジネスの増加など、日本の文学市場における新時代の到来を予感させるニュースが日々各種メディア上を賑わせています。

 一方、作品としての電子書籍に関しては、既存の紙書籍の電子版や著作権が消滅した古典ものが主流であり、読者からはネットワーク化やデジタル化のメリットを活かした新しいタイプの文芸作品誕生に大きな期待が集まっています。テクノロジーの発展とともに生まれるニューカルチャーとしてのデジタル文学の可能性追求が「2004年:電子出版元年」の市場に求められる大きなテーマとなっています。

 今回、日本ユニシス情報システムは、「紙は有限、電子は無限」をスローガンにデジタル環境で読まれることを前提とした文芸作品のプロデュースを手がけるドットヨムとの提携により、KDDIのブロードバンドケータイ「WIN」端末向けのコンテンツサイトとして連載小説『儚き島』を、月額210円(消費税込み)で新たに提供開始します。

 読者は、パケット通信料の定額サービスと「WIN」端末の専用読書ビューワを組み合わせて利用することで、超長編小説の世界をローコストで楽しむことができます。

 
電子小説の未来形『儚き島』
「物語を読む」のではなく、「物語の島へ旅する」をコンセプトとするデジタル文学作品としての『儚き島』の特徴は以下のとおりです。

【文学的テーマ性】
−21世紀のパパラギは可能か?−
本作品は、太平洋の真ん中に浮かぶ小さな島を舞台に「文明と自然が共存する人類の豊かな未来」を模索するという、文学界における「南国もの」や「楽園もの」的ジャンルの作品で、出版業界における電子化の環境効果(紙資源の有効活用)も見据えたエコロジーメッセージを内在させています。
【同時代進行性】
1話5分の新作が毎週更新される本作品は、書きためられた作品の切り出しではなく、ライブに執筆が重ねられる同時進行型小説です。フィクションとしての主人公の日常と現実界の世相やニュースが作品内で交錯する同時代性を楽しむことができます。
【連載周遊性】
新聞や雑誌などの連載小説はストック性の問題から途中参加が困難ですが、バックナンバーの整備が可能なネット小説はいつからでも読書参加が可能であると同時に、1話ごとの完結性が高い本作品は過去へさかのぼっての読書や、興味に応じた飛ばし読みも可能です。
【双方向性】
本作品はトランスアイランドという架空の島に住む日本人作家(真名哲也)が主人公で、その独白的手記の積み重ねが小説作品として展開されていきます。携帯電話ならではの機能により、読者が読書後の感想を作家に対しメールで送ることが可能であり、双方向コミュニケーションの結果が以降の作品内容そのものに影響を及ぼす可能性もあります。
【辞書機能】
長編作品においては、数々の登場人物や専門用語が物語の進行とともに増加していきます。ダウンロード型の小説部分とは別に情報更新が重ねられるWebサイト部分を準備し、各種情報をチェック可能な辞書機能を持たせています。
【マルチメディア性】
本編としての小説に対するエキストラコンテンツとして、作品内における重要フレーズをアトランダムにテロップとして流す語録や、物語の舞台を写真と詩で紹介する紀行録など、マルチメディア性を活かした「おまけ的」作品を楽しむこともできます。


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