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Foresight in sight

ニュースリリース

2003年12月18日

日本ユニシス、東京大学情報基盤センター
共同でeラーニングシステムのオープンソースによるライセンス無償提供

〜 2004年4月、学習管理システム(LMS)をオープンソースで提供 〜

 日本ユニシス株式会社(社長=島田精一 東京都江東区豊洲1-1-1、以下 日本ユニシス)と東京大学情報基盤センター(センター長=岡部洋一 東京都文京区弥生2-11-16)は、ITを活用した教育システム作りを目指す高等教育機関のために、学習管理システム(LMS:Learning Management System ,以下LMS)の共同開発を開始し、2004年4月、両者が中心で立ち上げるLMS普及のためのコミュニティからオープンソースとして無償で提供予定です。日本ユニシスの国内外の大学・大学院での運用実績と、東京大学情報基盤センターの大学における計算機利用のノウハウを活かし、LMSの共同研究開発で高等教育機関におけるeラーニングの普及を牽引します。

 現在、教育機関では、少子化と人材育成を重視する国の政策によって変革を余儀なくされています。特に国際競争力の低下、高等教育レベルの低下などが叫ばれる中、今後の日本を担う人材の育成は教育機関における早急な課題であると考えます。eラーニングは、学習者を時間的、地理的制約から解放し教育の効率化を推進するものとして期待されていますが、教育機関では効率だけではなく、効果に重点を置いた活用も必要となってきます。キャンパス移転による環境整備や教室、ネットワーク環境などの整備とともに、教育インフラとしての学習基盤システムの活用も必須であると考えます。

 オープンソースによるLMSのライセンス無償提供は、ITを使った教育インフラとして広く教育機関で活用することを目的とします。現在、日本ユニシスと東京大学情報基盤センターの共同プロジェクト(オープンソースLMS開発プロジェクト)によってLMSの共同開発が進められており、公開にあたっては、品質向上と普及を目的としたコミュニティの立ち上げを予定しています。オープンソースとして公開するLMSのライセンス形態については、GPLバージョン2注1)をモデルとして想定しています。教育インフラとしてのLMSを広くオープンソースとして公開することにより、大学を始めとする高等教育機関における学習基盤の利用拡大とeラーニングの普及を目指します。

 日本ユニシスは、1997年から国内主要大学と次世代のキャンパスモデルを研究・開発しております。2002年には、「e-Japan戦略」注2)の一環である「アジアeラーニングネットワーク構想」において、アジアにおけるeラーニングの普及を目的とし、国際学習環境の構築と実証実験を行ってきました。また、学習環境の相互運用性を高めるために、ISO(国際標準化機構)に対する国際標準提案活動を積極的に行っています。この実績をもとに、2003年7月に「次世代eラーニング統合ソリューション−RENANDITM レナンディ注3)」を発表しています。

 日本ユニシスは、東京大学情報基盤センターと共同で開発した成果をオープンソースで公開するだけではなく、RENANDIのソリューションとして、高等教育機関への教育基盤整備支援や教育改革支援などに展開する予定です。

 
注1)
GPLバージョン2(GNU General Public License Version.2) Free Software Foundation, Incが公開しているオープンソースソフトウェアのライセンスで、配布時にソースコードの添付を義務付けること、ソフトウェアの派生物は、未来永劫オープンソースでありつづけなければならないことが特長。
注2)
e-Japan戦略: 2001年1月にIT戦略本部によって打ち出されたもので、2005年度までに世界最先端のIT国家を目指すという国家戦略のこと。実現のための方策として、超高速ネットワークのインフラ整備や競争の促進、電子商取引の推進、電子政府の実現、人材の育成強化などが盛り込まれている。
注3)
RENANDI レナンディ:高等教育機関におけるeラーニングを、プランニングからシステム構築までコーディネートする統合ソリューション。

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