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Foresight in sight

ニュースリリース

2003年11月4日

セイコーインスツルメンツ(SII)、日本ユニシス
認証局ビジネスにおける協業で合意

〜 従来比1/3の低コスト認証局モデルを構築・提供 〜

 セイコーインスツルメンツ株式会社(略称=SII、本社=千葉市美浜区、社長=茶山幸彦)と日本ユニシス株式会社(本社=東京都江東区、社長=島田精一)は、このたび認証アプリケーションと、時刻認証、ネットワークセキュリティを組み合わせ、従来比約1/3の低コストによる堅牢な認証局(CA)注1)の構築および販売で協業することに合意しました。

 インターネットの普及やブロードバンド化の進展に伴い、電子商取引をはじめ、金融、行政、医療・福祉など、電子情報の流通は加速の一途をたどっています。また、2001年4月から施行された「電子署名及び認証業務に関する法律(電子署名法)」により、本人による一定の要件を満たす電子署名が行われた電子文書などは真正に成立したものと見なされることになり、ネットによる書類や著作物のやりとりや共有も増加しつつあります。このような動向を受け、ネット上で相手方の本人や法人の存在確認を行い、電子文書の真正性と完全性を確保する電子署名・認証の仕組みが必要不可欠となっています。昨今では、特定認証事業者による公的な認証サービスにとどまらず、取引企業間、企業グループ内、企業内でさまざまな署名・認証システムのニーズが高まりつつあり、認証ビジネス市場は2006年度には約419.5億円に拡大すると予測されています。

 しかしながら、認証局システム構築に際しての高額なインフラ(ハードウェア、ソフトウェア)導入、システム運用、セキュリティ対策にかかるコストが、上記ニーズ実現の障害となっているのが現状です。そこで認証ビジネスの市場性とこのような課題に着目し、SIIと日本ユニシスは、低コストで堅牢な認証局システムの構築と提供において協業する運びとなりました。

 SIIは、2002年10月から時刻認証サービス「ChronotrustTM(クロノトラスト)」を提供開始しました。同年5月から、マイクロソフト株式会社の技術支援を受け、Microsoft® Windows ServerTM 2003を活用したTSA注2)認証局の構築やMicrosoft® .NET Framework注3)に対応した認証アプリケーション開発を手がけてきました。またファイアウォール機能・監視機能を実装したセキュリティアプライアンス「TrustGateTM(トラストゲート)」を日本ユニシスと共同開発、提供するなど、セキュリティ・ソリューションビジネスを積極的に展開しています。

 日本ユニシスは、SIIとともに開発したアプライアンスを利用して、Webシステムの継続的なセキュリティ確保と運用に関わるTCOの軽減を目指した総合サービス「TrustGateセキュリティ・マネジメント」を2003年3月から提供しています。さらに、従来の統合セキュリティサービス体系「iSECURE® (アイセキュア)」をリニューアルし、日本ユニシスグループのセキュリティ・ソリューション および サービスを再体系化・メニュー化して提供すべく、今年8月に「情報セキュリティビジネス推進部」を設置しました。日本ユニシスグループは、同部署を中心に、自社サービスの拡充はもちろんのこと情報セキュリティ分野で優れたノウハウを持つさまざまな企業とのアライアンスを積極的に推進し、ビジネスの拡大を図っています。

 今回の協業第1ステップでSIIと日本ユニシスは、パブリック(公的)なTSA認証局構築に必要なアプリケーションをセキュリティ対策とセットにしたモデルシステムとして構築し、2003年12月に株式会社日本電子公証機構(本社=東京都墨田区、社長=菊田昌弘 氏)に納入、同社にてサービス運用を開始します。
 さらに第2ステップとして、第1ステップで立ち上がるTSA認証局を利用して、プライベート(グループ経営の企業、協働企業など)な認証局とパブリックなTSA局の組み合わせによる署名サーバシステムを構築し、電子入札や電子契約などの分野に向けたソリューションセットとして、共同で販売、展開していく方針です。(関連資料参照)

なお本協業によるシステム構築に際しての両社の主な役割は次のとおりです。
【SII】
・「Chronotrust」時刻認証サービスの提供
・認証アプリケーションの開発
【日本ユニシス】
  ・「TrustGate」の追加開発と提供
・システム構築支援


また、提供するシステムの主な特徴は次のとおりです。
・「Chronotrust」のタイムスタンプ応用によるデジタルデータの有効性・完全性の検証
・「TrustGate」によるセキュアなサービス環境と低コストでの運用の実現
・「Windows Server 2003」「Microsoft.NET Framework」による、Webサービスの相互接続性の確保と低コストの実現


 
注1):認証局(CA:Certification Authority)。
PKIにおける公開鍵証明書を発行する第三者機関。個人や法人などの存在を証明する。
注2):TSA(Time-Stamping Authority)
  タイムスタンプ局。デジタル情報の存在日時の証明を第三者の立場で行い、原本性保証を実現する機関、またはシステム。
注3):Microsoft .NET Framework
  Microsoft .NET対応アプリケーションの動作環境。クラスライブラリの集合体という形で提供されるアプリケーションプラットホーム。