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Foresight in sight

ニュースリリース

2003年10月17日

日本ユニシス
エンタープライズ向けLinuxビジネスに本格参入

〜 Linuxを基盤としたミッションクリティカルな基幹システム構築を推進 〜

 日本ユニシス株式会社(社長=島田精一 東京都江東区豊洲1-1-1、以下日本ユニシス)は、Linux® を基盤としたITサービスビジネスに本格的に参入することを決定しました。日本ユニシスグループでは、これまでメインフレームやUNIX® 、Windows® などで展開していたビジネスに加え、Linuxを基盤とするエンタープライズ向けシステムの構築・サポートサービスビジネスをグループ全体で積極的に推進していきます。
  また、日本ユニシスグループ全体でLinuxを基盤とするビジネスを推進するため、10月16日付けで新組織『Linuxビジネスセンター』を日本ユニシス内に設置しました。『Linuxビジネスセンター』は、日本ユニシスグループの商品・サービスの企画・コンサルティング、テクニカル・サポートサービスビジネスおよび大規模システム案件などの推進を担当します。当初はグループ各社を含め約100名の要員でスタートし、ビジネスの拡大に伴い順次増強を図り、3年後に100億円規模のビジネスを目指します。

 Linuxは、これまでWebサーバやメールサーバなどのインターネット系システムで多く使用されてきました。近年Linuxに対するエンタープライズ対応機能の追加や各ベンダによるサポートが充実してきたこと、信頼性が商用OSのレベルに近づいてきたことなどから、データベースサーバやアプリケーションサーバなどのミッションクリティカル分野においても、Linuxの適用が検討され始めています。また政府自治体においてもe-Japan戦略を受け、Linuxの検討開始、採用決定が発表されています。

 日本ユニシスグループでは、サービスビジネス専門会社のユニアデックス株式会社(社長=福永努、東京都江東区豊洲1-1-1、以下ユニアデックス)が1999年5月から、Linuxに関する導入、サーバ構築、テレフォンサポート、テクニカルサポートなどのサービスを提供し、数多くの実績を重ねてきました。また日本ユニシスにおいても、個別に金融機関向け情報系ソリューションやxSP向けセキュリティ・アプライアンス製品、アウトソーシング・サービスなどでLinuxを基盤とする商品やサービスを提供してきました。

 日本ユニシスグループは、Linuxをメインフレーム、UNIX、Windowsと並ぶ主要なプラットフォームの一つとして位置づけ、Linuxを基盤とするエンタープライズ向けシステムの構築・サポートサービスを本格的に開始します。日本ユニシスグループが今後提供していくLinux関連サービスの特徴は以下の通りです。

1.Linuxを基盤としたエンタープライズ向け基幹システム構築サービスの提供
官公庁、電力、航空、大手金融機関などのエンタープライズ向けに、Linuxを基盤とした大規模な基幹業務システムのインテグレーション・サービスを提供します。オープンなオペレーティング・システムであるLinuxは、ベンダ各社が提供するさまざまなハードウェア上で稼働します。日本ユニシスグループでは、ユーザのシステムに最適なハードウェア・プラットフォームを選択、調達し、システム構築を行います。
2.大規模基幹システム構築のためのソリューションの提供
  ミッションクリティカル・システムを実現していくために必要となるミドルウェアや運用管理ソフトウェア、業務パッケージソフトウェアなどを、ベンダ各社との提携により提供していきます。また、大規模トランザクション処理を実現するデータベース・アプライアンスサーバなど、Linux対応のプラットフォームの提供も順次行う予定です。
3. Linuxテクニカル・サポートサービスを強化・拡大
  Linuxを基盤とするシステムを構築・運用するために必要なテクニカル・サポートサービスを、ユニアデックスの持つ高品質なサービス基盤の元、24時間365日体制で提供します。また、より信頼性の高いサポートサービスを提供していくため、OSDL(注1)などのLinuxコミュニティへの参画やLinuxディストリビュータとの協業・連携によってLinux OSの改善・強化を図り、メインフレームと同等のサービスレベルを実現します。PostgreSQL、Apache、Tomcat(注2)など、オープンソース・ソフトウェアのシステム構築についても各種サポートサービスを順次提供していく予定です。

 今回の発表にあたり、賛同を頂いているパートナーおよびLinuxディストリビュータ各社から以下のコメントを頂いております。 (50音順)

■ターボリナックス株式会社 代表取締役社長 矢野広一様
ターボリナックスは、日本ユニシス様のエンタープライズ向けLinuxビジネスへの本格参入を歓迎いたします。UnitedLinuxベースのTurbolinux Enterprise Server 8は、日本ユニシス様が目指すエンタープライズ分野でのビジネスに最適なオペレーティング・システムです。今後、ターボリナックスは販売・サポート両面において日本ユニシス様と提携を強化し、エンタープライズ向けLinuxビジネスを推進していきます。
■ミラクル・リナックス株式会社 代表取締役社長 佐藤武様
  ミラクル・リナックスは、日本ユニシス様の「Linuxビジネスセンター」設立を歓迎いたします。ミラクル・リナックスは、Linuxのエンタープライズ化へ向けて日本ユニシス様と協業を行い、大規模サーバ分野における Enterprise Linux への実現を目指します。特に、LKST(Linuxカーネル状態トレーサ)や LKCD(Linuxカーネルクラッシュダンプ)を実装し、日本ユニシス様が誇る大規模サーバのビジネスに役立てて参ります。今回の「Linuxビジネスセンター」設立は、Enterprise Linuxの適用分野ならびに市場拡大をさらに加速させると確信しております。今後もミラクル・リナックスは、エンタープライズシステムにおけるLinuxの浸透を強力に推進し、特にハイエンド領域におけるEnterprise Linuxの分野でアジアNo.1の企業を目指しています。
■レッドハット株式会社 代表取締役 平野正信様
  レッドハットは、日本ユニシス様のLinuxを基盤としたIT サービスビジネスへの本格的参入を歓迎します。レッドハットでは昨年から企業のミッションクリティカルな業務システムに向けたLinuxプラットフォームとして「Red Hat Enterprise Linux」を提供し、大きな手応えを得ています。今後、ますます大規模なシステムへの採用が進むことが想定されるなかで、豊富な実績を持ち、トータルなシステムを提案、構築できる日本ユニシス様が本格的にLinux市場に参入されることを大変心強く感じています。日本のエンタープライズLinux市場の拡大がさらに加速するものと期待しています。


 
注1)OSDL(Open Source Development Lab):
Linuxの成長とエンタープライズでのLinux採用促進を目的とした非営利団体。
注2)PostgreSQL、Apache、Tomcat:
  Linuxを基盤とするシステムで多く利用されているオープンソース・ソフトウェア。それぞれデータベース管理ソフトウェア、Webサーバ・ソフトウェア、Webアプリケーションサーバ・ソフトウェア。