2003年3月14日
北海道大学、(株)シーズ・ラボ、(株)オープンループ、(株)アイ・エス・ティ北海道、
(株)生物有機化学研究所および日本ユニシス(株)で構成されるコンソーシアム
経済産業省の地域新生コンソーシアム研究開発事業に選定
日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:島田精一)をはじめとし、北海道大学(大学所在地:札幌市北区、総長:中村睦男)、株式会社生物有機化学研究所(本社:札幌市清田区、代表取締役社長:向井 隆)、株式会社アイ・エス・ティ北海道(本社:札幌市中央区、取締役社長:近藤龍夫)、株式会社シーズ・ラボ(本社:札幌市北区、代表取締役社長:山田二郎)、株式会社オープンループ(本社:札幌市清田区、代表取締役社長:駒井 滋)の1大学5企業が参加するコンソーシアム研究開発事業が、経済産業省の平成14年度補正予算に係る地域新生コンソーシアム研究開発事業に選定されました。
今回委託対象事業に選定された研究事業は、「Oliviaをベースとしたタンパク質立体構造決定の自動化」です。
人ゲノム(人間の遺伝子情報)解析が終了した現在、創薬のためにタンパク質の構造解明が重要なカギとなっています。現在、NMR(核磁気共鳴)やX線結晶構造解析等,ナノテクノロジー分野の最先端技術を用いて,蛋白質の立体構造解明にむけての国際競争が激化しています。
このたび選定された研究事業では、バイオ技術と高速計算、並列計算および暗号化ITなどを駆使し、多大な時間を要するタンパク質の立体構造決定を短時間に行うことができる自動立体構造解析システムを研究開発することが第1の目的です。
従来、タンパク質の構造解析では、ベテラン研究者が測定データを元にデータの妥当性、正確性について多大な時間をかけて検討し,構造を決定していましたが、NMR(Nuclear Magnetic Resonance :核磁気共鳴)装置からのデータを解析するプログラム「Olivia」(オリビア:北海道大学開発)に定量的に帰属や構造評価を行える「評価関数」を組み込み,それらを自動化する仕組みを開発することにより、研究初心者でも短時間で蛋白質の立体構造を決定することができるようになります。
さらに、この自動立体構造解析システムを全世界の研究者が、ネットを通じ幅広く安全に使用できるよう、特別の暗号化技術(システム管理者・運用者にも分からない)を組み込むことで秘匿性の高いASP化(アプリケーションサービスプロバイダ:インターネットを使った計算受託サービス)を可能とする研究開発を実施し進めるものです。これによってタンパク質の構造解析が大幅に時間短縮され、ゲノム創薬の開発期間が大幅に短縮される効果があると期待されるものです。本事業は、1年以内に実用化を目指します。
またこの研究事業を実施するコンソーシアムは、経済産業省の地域産業活性化と地域産業新生を目指した公募であり、日本ユニシスが強力に推し進めているRe-Enterprisingの1つである顧客価値創造ビジネスの地域密着型ビジネスアグリゲーション新事業として期待されています。
なお本研究開発は、コンソーシアム参加法人を中心にSpecial Purpose Company(専門のバイオベンチャー企業)を設立し実用化を目指し、システムの完成後は企業、研究所からの受託によって解析を行うほか、ブロードバンドにより全国からアクセスして利用できるASP事業を展開、運営する予定です。
【参考資料】 コンソーシアム構成企業と役割 ・日本ユニシス(株)北海道支店(コンソーシアム管理法人) "Management、IT&Business Produce" |
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コンソーシアムの運営管理と研究開発事業化推進(三井物産(株)北海道支社からのサポートももらう。) |
・北海道大学 大学院薬学研究課 (研究実施者 統括研究員) "Bio" | |
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バイオシーズの研究で、バイオ研究者として国内では5本の指に入る教授。特に、国策の「タンパク3000プロジェクト」にも選定された教授(稲垣冬彦氏)。今回は、前年度特許申請中のタンパク質解析ツールをベースとして実用化に向けたバイオ技術研究を実施する。 |
・(株)アイ・エス・ティ北海道 (研究実施者) "IT" | |
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北海道電力グループ企業で、北海道地域のIT拠点を目指すIDC事業を行なっている。今回のASP基盤構築と実証実験に参加し、事業化では北海道発のバイオ発信基地となる。 |
・(株)シーズ・ラボ (研究実施者 副統括研究員) "Bio & IT" | |
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北海道のベンチャー企業で、ITを駆使したバイオIT企業。昨年度も同教授と一緒に、公募の採択を受け研究をしている企業。今回は継続的にバイオ研究(システム化)にIT技術を使って、タンパク質立体構造決定自動化の手段を研究する。 |
・(株)オープンループ (研究実施者) "IT" | |
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(株)シーズ・ラボ同様、北海道のベンチャー企業。情報セキュリティ技術の組み込みを得意とし、暗号分野では携帯電話に搭載される暗号コンポーネント、国産暗号搭載コンポーネントなどをこれまでに開発している。この技術の発展系として、ASP基盤への暗号の組み込みを研究する。 |
・(株)生物有機化学研究所 (研究実施者) "Bio" | |
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(株)アイ・エス・ティ北海道同様北海道電力グループ会社で、教授と同様なバイオ研究を実施している。民間のバイオ研究機関。教授とあわせた研究を実施予定。 |
* | 関連URL: 「北海道大学」 http://www.hokudai.ac.jp/ 「株式会社アイ・エス・ティ」 http://www.istinc.co.jp/ 「株式会社シーズ・ラボ」 http://www.cslab.co.jp/ 「株式会社オープンループ」 http://www.openloop.co.jp/ |
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※掲載のニュースリリース情報は、発表日現在のものです。 |
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