2002年12月3日
日本ユニシス
Webサービス技術を適用した情報部品「リモート・ポートレット」で
旅行関連情報ポータルサイトのプロトタイプシステムを構築
日本ユニシス株式会社(社長=島田精一 東京都江東区豊洲1-1-1)は、このたびWebサービス技術を適用した情報部品「リモート・ポートレット」を使い、旅行専門e-マーケットプレイス「e-旅ネット・ドット・コム(以下e-旅ネット)」を展開するイー・旅ネット・ドット・コム株式会社(社長=石井諭氏 東京都中野区東中野3-10-13)の協力を得て、旅行関連情報ポータルサイトのプロトタイプシステムを構築しました。
なお、本プロトタイプシステムは、12月4日から6日まで東京ビッグサイトで開催される「Internet World Asia 2002」のセミナー、および日本ユニシスブースにて紹介します。
急速に拡大しているインターネット上のWebサイトによるビジネスには、複数の企業連携が不可欠であり、サービスを市場へ迅速に展開する手段として、リモート・ポートレット技術が注目され始めています。
リモート・ポートレットとは、ユーザインタフェースを持つ情報部品で、データと表示スタイルおよび対話機能で構成されています。ユーザは、インターネット上のサイトの情報を、リモート・ポートレットとしてドラッグ&ドロップで他のWebページやアプリケーション画面に貼り付けることができ、またその表示スタイルを簡単にカスタマイズすることができます。
企業はリモート・ポートレットを使用することにより、ビジネス・パートナーと連携したサービスを短時間で開始することができます。
現在米国OASIS*注1では、Webサービス技術を適用したリモート・ポートレットの標準規格「WSRP(Web Services for Remote Portals)」の策定を行っています。日本ユニシスでは、このWebサービス技術を適用したリモート・ポートレットを「ポートレットWebサービス」と呼び、他社に先駆けてWebシステム構築の適用支援を開始しています。
今回旅行関連情報ポータルサイトのプロトタイプシステム構築に協力したイー・旅ネット・ドット・コムは、親会社のトラベルジャーナルを中核としたトラベルジャーナルグループの一員です。
日本ユニシスは、トラベルジャーナルグループが行うBtoC分野での以下の2つのサービスを対象に、リモート・ポートレット技術を用いて、開発者1名、1週間という短期間でプロトタイプシステムを構築しました。
・トラベルジャーナルが行っている、旅行関連情報ポータルサイトへの現地旅行情報提供サービス
・イー・旅ネット・ドット・コムが行っている、旅行関連情報ポータルサイトへの自由旅行見積りサービス
現行システムは以下のとおりです。(関連資料の現行システム図参照)
- 海外にいる現地特派員がトラベルジャーナルに情報を送り、トラベルジャーナルが毎日各ポータルサイトにあわせて情報を編集後、ポータルサイトにファイル転送などで送付する
- ポータルサイト側では、送られてきた情報をブラウザに表示するためのHTML化を行うために、ユーザインタフェースの定義とプログラミングが必要
- 旅行見積りサービスの現行システムは、複数のポータルサイトからサービスサイトであるe-旅ネットの見積りサービスのページにリンクすることにより、見積り依頼を行う
今回構築した旅行関連情報ポータルサイトのプロトタイプシステムでは、「現地情報提供」および「旅行見積り」をポートレットWebサービスとして実装し、ポータルサイトのWebページに組み込みました。Webサービスを適用した新システムは以下のとおりです。(関連資料のポートレットWebサービス適用システム図参照)
- 海外にいる現地特派員が、随時トラベルジャーナルのWebから現地情報を入力する。
- ポータルサイト利用者が旅行ポータルにアクセスすると、ポータルサイトから、トラベルジャーナルの現地情報提供ポートレットWebサービスを呼出し、表示する。表示のためのHTML化を行うプログラミングは必要ない。ポータルサイト毎に異なる情報の抽出は、現地情報提供ポートレットWebサービスが、呼び出された際に行う。
- 旅行見積りサービスでは、ポータルサイトは、e-旅ネットの見積り依頼ポートレットWebサービスを呼出し、旅行ポータル画面に表示する。このときポータル側が保持するデータは、自動的に入力フォームにセットされるる。入力されたデータは見積り依頼ポートレットWebサービスに返される。
本プロトタイプシステムは現行のシステムに比べ、次のような利点があります。
- ローカルサーバにある情報だけでなくインターネット上の情報も、情報部品としてリアルタイムにノンプログラミングで提供でき、ポータルサイト構築の際の効率化が図れる
- コンテンツの管理がページ単位ではなく情報部品単位で可能となるため、情報の部品化、再利用が可能となる
- ポータルサイトと情報提供側、双方の情報や機能を容易に融合させることができる
本プロトタイプシステムの稼働環境および開発環境は、以下のとおりです。
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<ポータルサイト側稼働環境>
Microsoft Windows ®2000 Server、Microsoft ® IIS、Microsoft ® .NET Framework *注2
<e-旅ネット側稼働環境>
Microsoft Windows ® 2000 Server、Microsoft ® IIS、Microsoft ® .NET Framework、
<開発環境>
Microsoft ® Visual Studio ® .NET
今回のプロトタイプシステムは、情報・サービス提供者(コンテンツ提供業者など)と情報・サービス利用者(ポータル事業者など)双方に、情報流通の拡大および新たなコンテンツビジネスへの展開の可能性をもたらしまします。
日本ユニシスは、今回のプロトタイプシステム構築実績をもとに、今後Webサービス技術を使用したリモート・ポートレットの作成、管理、およびポータルサイトの構築支援を、LUCINA® Webサービスコンサルティング*注3のメニューのひとつ、「ポートレットWebサービス構築支援」として実施していきます。
*注1:OASIS(Organization for Advancement of Structured Information Standards) | |
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XML技術の応用方法において標準化を推進する民間の非営利団体。 |
*注2:Microsoft .NET Framework | |
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次世代インターネット戦略「Microsoft .NET」において、ソフトウェアを開発・実行するための環境をして提供されるもの。.NET Frameworkでは、特定の言語に依存せず、かつメモリ管理やセキュリティ管理などの猥雑な処理を提供するCLR(Common Language Runtime)と呼ばれるしくみを利用してアプリケーションが実行される。 |
*注3:LUCINA® Webサービスコンサルティング | |
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ITコンサルティングサービスLUCINA®「Webサービスコンサルティング」は、Webサービスを中心とする最新ITによるシステム基盤の構築を支援する。サービスメニューは、以下のとおり。
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* | 記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です |
* | LUCINAは、日本ユニシスの登録商標です。 |
* | 関連資料: 「現行システムとポートレットWebサービス適用システム」 (pdf資料、170.99 KB) |
* | 関連URL: 「イー・旅ネット・ドット・コム」 http://www.e-tabinet.com |
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※掲載のニュースリリース情報は、発表日現在のものです。 |
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