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Foresight in sight

ニュースリリース

2002年10月22日

日本ユニシス
携帯端末向けXML Webサービスゲートウェイ『MobiThru』提供開始

〜 "ユビキタス・コンピューティング"を実現する携帯端末向けソリューション 〜

 日本ユニシス株式会社(社長=島田精一 東京都江東区豊洲1-1-1)は、NTTドコモ、J-フォン、auに代表される携帯電話やPDAなどの携帯端末からXML Webサービスを利用するためのゲートウェイ「MobiThru(モビスルー)」を11月から提供開始します。「MobiThru」は、Javaアプリケーションを使ってXML Webサービスと接続し、これまで携帯端末のWebブラウザでは実現できなかった高機能なWebサービス利用環境を提供致します。

 現在、インターネットを取り巻く環境はブロードバンドの時代を迎え、すでに"ユビキタス・コンピューティング"も実現されつつあります。"ユビキタス・コンピューティング"を可能とする技術要素の一つとしてXML注1Webサービスがあり、2002年後半から数年間で大きな発展が予想されています。
 XML Webサービスのクライアントとしては、一般的にパソコンが利用されていますが、"ユビキタス・コンピューティング"における「いつでも、どこでも利用可能」を実現するには、携帯端末が非常に優位なツールと考えられます。携帯電話は、2002年8月度における携帯電話契約数の約80%がインターネット接続のサービスを契約しており、今後、携帯端末による"ユビキタス・コンピューティング"の広がりが予想されています。

 日本ユニシスは、ブロードバンド・ビジネス分野の市場競合力強化のため、ブロードバンド・ビジネス・モデルの検証に積極的に取り組み、ブロードバンドのソリューション、および"ユビキタス・コンピューティング"に対応したソリューションの企画・提供を行なってきました。
 また、米国Microsoft Corp.の次世代インターネット戦略「Microsoft® .NET(ドットネット)」と連携したビジネスの展開を強力に推し進め、市場競合力を強化するための専任組織「.NETビジネスディベロプメント」を7月に発足させ、.NETプラットフォーム上で利用できるXML WebサービスをはじめとしたIT化戦略のコンサルティングにはじまり、システム構築サービスおよびサポート、商品企画およびマーケティングを行ない、.NETビジネスの拡充を図っています。

 今回発表する「MobiThru」は、XML Webサービスのメッセージ交換の特徴でもある、「XMLデータで要求を受け、同じ形式で応答を返す」ことを実現しており、HTML注2データを使っているWebブラウザでは難しかった機能を携帯端末にて実現可能にしています。「MobiThru」を利用することで、BtoB、社内情報システム、BtoCなど様々な分野でのビジネスシーンに携帯端末の利用が可能となります。
 なお、「MobiThru」における携帯端末との通信機能は、株式会社ネット・タイム(社長=中原精一 東京都新宿区新宿1-34-5 御苑直田ビル)の通信プロトコル SCOAP注3(Smart Card Object Access Protocol)を採用しています。

 携帯端末向けXML Webサービスゲートウェイ「MobiThru」の特徴は次の通りです。

  1. XML Webサービスの利用
     既存のSOAP注4ベースのXML Webサービスを携帯端末で利用することができます。
  2. Javaアプリケーションによる高機能なXML Webサービス利用環境
     JavaアプリケーションからXML Webサービスを利用することで、例えばXML Webサービスから受信したデータを携帯端末の処理でグラフに表示したり、端末ハードウェアを制御することも可能です。
    また、Webブラウザとは異なり、JavaアプリケーションではHTMLを使用しないため、必要なデータのみ送受信することで通信コストを削減することができます。
  3. 認証機能
     Javaアプリケーションのダウンロードおよび実行時に認証をおこなうことができます。重要な処理を実行するJavaアプリケーションには、アプリケーションの起動時にユーザID・パスワードを要求することで、セキュアなJavaアプリケーション実行環境を提供することができます。

 「MobiThru」の価格は、20ユーザ版で53万1千円から。XML Webサービスのシステム構築などシステムインテグレーションの関連売上げを含め、2004年までに50億円の売上げを目指しています。
 なお、「MobiThru」は、12月4日(水)〜6日(金)東京ビッグサイトにおいて開催される『Internet World Asia 2002』にて紹介します。


注1)XML(eXtensible Markup Language
SGML(Standard Generalized Markup Language:文書記述言語)やHTML(HyperText Markup Language:ハイパーテキスト マークアップ言語)を基本として、各々の弱点を補完するように設計されたマークアップ言語。文書は独自に定義するタグとテキストデータで構成されるため、プラットフォームやアプリケーションに依存しないデータ形式になっている。XMLはインターネット時代のデータ交換の標準フォーマットとして認知されている。
注2)HTML(HyperText Markup Language)
ホームページ作成の標準となっている共通言語。テキスト中にタグをつけることで実現する。HTML ファイルは拡張子htmlまたは.htmで保存する。
注3)SCOAP(Smart Card Object Access Protocol)
SIMagine 2001 Java Card Award 受賞。携帯端末などがSOAPクライアントとなるためのプロトコル。Smart Cardに実装できるくらい軽くコンパクトな技術を持つ。CPU機能、実行プログラムサイズなどの制約からSOAPクライアントに適さなかった電子機器(携帯電話、PDA、スマートカードなど)がSCOAPを実装することによって、一般PCと同様にXML Webサービスを利用する事が可能となる。
注4)SOAP(Simple Object Access Protocol)
HTTP等を下位プロトコルとして使用し、簡単なXMLベースのメッセージをやりとりし、インターネット上のリモートマシン上のオブジェクト(データ)へアクセスするための通信プロトコル規格。下位プロトコルがHTTP等のインターネットで使用する通信プロトコルのため、企業などのファイアウォールなどに特別な処理を行なう必要がないため、実装が容易である。


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