2001年7月23日
マイクロソフト、日本ユニシスが
次世代Webサービスの実験で協力
マイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:阿多 親市、以下:マイクロソフト)、日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:島田 精一、以下:日本ユニシス)の両社は、マイクロソフトの次世代インターネット戦略「Microsoft .NET(ドットネット)」(注1) において提供する次世代の様々なサービス技術を活用した Webサービス(注2) の実証実験で協力します。
今回両社が協力し実験するのは、卸売業における受発注業務をWebサービスとして構築し、通常取引関係のないベンダーのシステムとの動的連携を、オープン技術である SOAP(注3) 及び UDDI(注4) を利用して実現するもので、今後の受発注システムの展望を予見させるものです。本実証実験プロジェクトは Microsoft Windows 2000 Serverをベースに Microsoft.NETFramework(注5) ベータ2上で稼働し、作成されたプロトタイプシステムを8月28日から開催される「Microsoft Tech・Ed 2001 Tokyo」にて公開します。また10月よりプロトタイプシステムを試験Webサイトにて一般公開する予定です。
日本ユニシスでは、企業間取引における柔軟なシステム間連携において、他社Webサービスとの連携ニーズが今後急速に高まると予測しました。次世代の企業間取引システムを構築するにあたり、日本ユニシスはマイクロソフトと共同で、.NET 戦略における最新技術を応用した企業間取引のサービスが利用できる仕組みをWebサービスのプロトタイプシステムとして開発、評価し、マイクロソフトとともに試験Webサイトを運営していきます。プロトタイプシステムの開発、運用で得たノウハウとともに長年培ってきた企業向けシステム及び企業間取引における豊富なノウハウをベースとし、現在マイクロソフトが開発中の.NET Frameworkによる企業ソリューション開発を強力にバックアップしていきます。
マイクロソフトは、様々な.NET戦略で提供する現在開発中の製品・技術のベータ版の提供、本システムのパイロット開発における技術サポート、かつ試験Webサービスを実現するサーバ運営も支援します。
Web サービス実証実験概要は次のとおりです。
【卸売業における受発注システム】 | |
![]() |
現在の企業間(BtoB)システムは、長期の取引関係に基づいた固定的なシステム間連携が主流となっています。しかし、インターネットにおける協調的ビジネスへの対応という市場の要求が高まってきています。企業は過去に取引関係を持たなかった企業との短期的な取引など、より柔軟な関係を実現するシステムを築く必要があります。本プロジェクトは、このような要件に対して卸売業における受発注システムを例に取り、既存システムの Web サービス化というソリューションを提案、実証するものです。Webサービスの実現により、卸売業者はベンダーとの自動的な連携を図ることで、従来卸売業界が抱えていた小売業者からの商材受注の欠品に対するリスクマネージメントコストを回避することができます。また、中小のベンダーにおいては、Webサービスに参入することによる取引先拡大の機会が新たに作りだされることになります。 卸売業者の受発注システムは、小売業者に対して発注及び出荷状況照会機能をWebサービスとして公開し、通常取引先ベンダーのシステムと連携します。卸売業者のシステム側において、受注後に商品在庫の欠品が判明した場合には、UDDIを利用し商材の取引が可能なベンダーをダイナミックに照会し、システムから直接ベンダーの受注システムへ発注し取りまとめることで、小売業者からの発注に対応します。 マイクロソフト及び日本ユニシスは特に、サービス提供者をインターネットよりダイナミックに探し出すUDDIのディレクトリ機能に着目しました。またサービス提供者及び提供者が公開するWebサービスの信頼性を確保するためレジストラというWebサービスを本プロトタイプに取り入れ、短期的な取引におけるWebサービスの適用について本プロジェクトを通じて研究していきます。 |
8月28日(火)より4日間、東京ベイN.Kホールで開催される Tech・Ed 2001 Tokyoのキーノートセッション及び日本ユニシス ブースにて、本パイロットシステムを展示し、デモンストレーションを交えご紹介します。
Tech・Ed 2001 Tokyo URL:http://www.microsoft.com/japan/teched/
|
Microsoft .NET マイクロソフトが2000年6月に発表した次世代インターネット戦略です。「Microsoft .NET」では、すべての情報機器がインターネットに接続されることを前提として、従来のような単体としてのコンピュータではなく、インターネット全体に分散配置されたアプリケーションやデータを、必要に応じて利用可能にします。SOAPとXMLというインターネットの標準インターフェイスにより、ネットワーク上のソフトウェア(コンポーネント)が連動して、ソフトウェア自身が能動的にネットワーク上のサービスやデータを利用して大きなシステムを構築する事が可能となります。 |
(注2) | Webサービス XMLやHTTPなどのインターネット標準を利用した、プログラム可能なアプリケーション及びシステム間連携技術の呼称です。 |
(注3) | SOAP (Simple Object Access Protocol) インターネットに遍在する様々なアプリケーションやサービスをつなげるための、XML標準に基づく共通メッセージプロトコルです。Webサービスによるシステム連携において事実上の標準となっていますが、現在は W3C (World Wide Web Consortium) のXML プロトコルワーキング グループのもとで関連技術を含めた標準化を進めています。 |
(注4) | UDDI (Universal Description, Discovery, and Integration) UDDI はインターネットを介した B2B 統合とコマースの促進及び拡大を目的に、2000年9月にマイクロソフト、IBM、アリバの3社を中心に創設されたコミュニティーであり、2001年5月時点において260以上の企業と技術リーダーによって構成されています。UDDI 仕様は企業が提供するサービスの記述、他の企業が提供するサービスの発見に関する統一的な方法、そして特定の企業と電子的な関係を持つために必要なインターフェイスなどを XML の活用により提供するものです。UDDI ビジネスレジストリは UDDI 仕様に基づき実装された、グローバルでパブリックなオンラインディレクトリであり、マイクロソフト(http://uddi.microsoft.com)及びIBMが運営しています。(2001年7月24日現在) |
(注5) | Microsoft .NET Framework 次世代インターネット戦略「Microsoft .NET」において、ソフトウェアを開発・実行するための環境として提供されるものが.NET Frameworkです。.NET Frameworkでは、特定のハードウェアに依存することなくソフトウェアを実行可能で、かつメモリ管理やセキュリティ管理などの煩雑な処理を提供してくれるCLR(Common Language Runtime)と呼ばれるしくみを利用して実現されます。 |
* | Microsoft、Windowsは、米国Microsoft Corporationの米国及びその他の国における登録商標または商標です。 | |
* | Windowsの正式名称は、Microsoft Windows Operating Systemです。 | |
* | 記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。 | |
* | 関連URL: 「マイクロソフト」 http://www.microsoft.com/ja-jp/ 「Tech・Ed 2001 Tokyo」 http://www.microsoft.com/japan/teched/ 「UDDI」 http://uddi.microsoft.com |
|
* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * |
||
※掲載のニュースリリース情報は、発表日現在のものです。 |
[Back]