ソリューション&コンサルティングの日本ユニシス

2008年7月30日

日本ユニシス、三井物産
業界初の次世代物流情報プラットフォーム・サービス「UNITRA™」
日本ユニシスと三井物産が共同開発、共同事業化


本文

 日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:籾井 勝人、以下 日本ユニシス)と三井物産株式会社(本社:東京都千代田区、社長:槍田 松瑩、以下 三井物産)は、両社で共同開発した次世代物流情報プラットフォーム・サービス「UNITRA(注1)」の運用を開始しました。
 「UNITRA」とは、物流現場において「モノ」にふられた固体識別番号をICタグやバーコードなどの自動認識技術を利用して識別し、インターネットを介して「モノ」の移動情報を収集・蓄積するサービスです。利用者がインターネットを通じて、いつでも、どこからでも移動履歴確認や分析ができるプラットフォームをSaaS(注2)型のサービスとして提供するものです。

 提供機能の第一弾として、環境の観点から物流業界において最近利用が増加しているパレットやカゴ車、プラスチックコンテナなどの循環利用型の搬送器具(RTI: Returnable Transport Items)を管理する「RTIマネージャ」を開始しました。
 RTIマネージャ機能により、従来管理が行き届かなかったRTIの動きを可視化することで紛失や偏在を解消し、RTIの最適配置・在庫の確保と投資効率の向上を図ることができます。併せて出荷貨物明細などの物流情報との紐付けにより、RTIに積載した製品・商品の動きをリアルタイムに捉えることを可能とします。

 将来的には、UNITRAのもつ「モノ」の移動履歴把握機能を生かし、物流のみならず資産管理、動産担保融資、WMS(注3)との連携によるリアルタイム物品管理、製造現場での資材、工程管理などに展開する予定です。最終的にはICタグと「UNITRA」につながったネットワークを用いて、世界中のあらゆる「モノ」の動きを共有できる社会的なインフラを目指します。

 本サービスは、従量制による課金体系とし、月額40万円(税別)からのご利用が可能です。これにより、従来のシステム導入に比べ、少なくとも1/5程度のコスト削減を実現します。今後の国際物流におけるサプライチェーンの高度化や、食を中心としたトレーサビリティへの対応ニーズに向けたサービス展開により、3ヵ年で100社・年間売り上げ50億円超の事業を目指します。

【UNITRA開発の背景】

 企業の流通活動における命題のひとつに「絶対単品管理」があります。この実現に向けては、製造業・流通業を中心にバーコードやICタグなどの固体識別技術を用いた物流管理など様々な工夫を施して推進してきています。しかしながら、「絶対単品管理」に対応したシステム構築には大変な手間がかかります。その上、流通構造が国際化に向かいサプライチェーンは年々高度化・複雑化が進む一方、 物流費用の削減に努めなければならない中、従来の1社単独による効率化対応に限界がきています。この課題の解決には、関係する企業間で物流情報をできる限りリアルタイムに共有し、的確な対応をとっていくことが不可欠です。
 今回の共同開発・事業化では、三井物産が創業以来、荷主として培ってきたグローバル物流ノウハウと、日本ユニシスの有する約7,000社のお客様への情報システムサービス開発・運用実績、そして両社の有するICタグに関連する数々の実証実験への経験を融合し、企業間をまたぐリアルタイムな物流情報の可視化を実現するものです。

【UNITRAの特徴】

  1. SaaSモデルによる低コスト・短期間導入
    「UNITRA」は、予め準備したシステム環境を、インターネットを介してご利用いただくサービスです。これにより、従来お客様が個別に準備せざるを得なかった情報システム投資を抑制し、ご利用量に応じた従量制の課金でスピーディーかつ安価な導入を実現します。また、システム運用にかかわる継続的な新技術対応や、セキュリティへの対応などお客様の業務負荷を無くし、常に最新の環境でサービスが利用可能です。

  2. インターネットを介したリアルタイムな企業間情報共有
    「UNITRA」はインターネット上に蓄積した「モノ」の一意の情報を、企業間で共有できるSaaS型サービスです。これにより、サプライチェーン上のモノの動きを川上の原材料メーカから川下の小売・サービス業までシームレスかつリアルタイムに共有することが可能です。また、「コミュニティ機能」という概念を用いて、ユーザごとに閲覧可能な情報を設定することが可能であり、セキュアな環境下の情報共有を実現します。

  3. マルチリンガル・マルチタイムゾーンによるグローバル対応
    製造業様の海外拠点でのサービス活用を想定し、お客様企業の中でもユーザ毎に閲覧する言語表記とタイムゾーンを選択する機能を実装しています。これにより国際物流におけるリアルタイムの「モノ」の可視化・共有化を実現します。サービス開始にあたっては日本語、英語に対応しており、今後順次、その他言語への対応拡大を予定しています。

以上

注1:UNITRA(Universal Identification Track & Trace)
 グローバルに動くあらゆるモノの動きをリアルタイムに管理可能とする物流インフラを目指す意を込めた当該サービスマーク。

注2:SaaS(Software as a Service)
 インターネットを介して提供され、必要に応じて利用できるソフトウェア。 従来型ASP(Application Service Provider)と比較して次のような特徴を持つ。

 ・マルチテナント型 (複数ユーザ企業でアプリケーションやプラットフォームを共有)
 ・外部システムから連携可能 (WebサービスのAPI(Applications Programming Interface)を持っている)
 ・ユーザ側でカスタマイズが可能 (ユーザーインタフェースやデータ項目など)

注3:WMS(Warehouse Management System)
 入荷検品・入庫・保管・棚卸・ピッキング・仕訳・出荷検品といった倉庫・物流センターにおける一連の業務効率化を目指した総合倉庫管理システム。

注釈/リンク

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