ソリューション&コンサルティングの日本ユニシス

平成18年10月30日

日本ユニシス
世界初、複数コード体系に依存しないプラットフォームの開発と検証
経済産業省(電子タグ実証実験事業)に採択
〜「ucode」と「EPC」、「社内独自コード」など複数コード体系互換の研究開始〜


本文

 日本ユニシス株式会社(本社:東京都江東区、社長:籾井 勝人、以下 日本ユニシス)は、本年6月に公募された経済産業省 平成18年度「エネルギー使用合理化電子タグシステム開発調査事業(電子タグ実証実験事業)」のうち、テーマ2の「マルチコード相互運用プロジェクト」に応募し採択され、東京大学21世紀COE「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」(東京都文京区、拠点リーダー:坂村 健)、慶應義塾大学SFC研究所(神奈川県藤沢市、代表:國領 二郎)、ユビキタスIDセンター(東京都品川区、代表:坂村 健)、Auto-ID Lab. Japan(神奈川県藤沢市、代表:村井 純)と共同で事業を推進しています。

 電子タグの実証実験は数多く実施されていますが、本格的な導入に慎重な要因のひとつに、コード体系が複数あることへの不安が挙げられます。
 今回、委託対象事業に採択されたプロジェクトは、アプリケーション側が「ucode」(注1)と「EPC」(注2)という2つのコード体系や「社内独自コード」などの違いを気にすることなくシステムの運用が出来る環境−プラットフォーム−の開発とその有効性の検証を目的としています。

 実利用のシーンでは、以下のようなことが想定されます。

 プロジェクト完了後には、複数コード体系を扱うプラットフォームに関する報告書とともにプラットフォームをOSS(オープンソースソフトウェア)として公開します。オープンイノベーションの力を活かし、物流、流通企業をはじめとした複数コードの扱いが想定される企業に対して、具体的な課題解決に結びつくような利活用を目指し、今後もさらなる研究を進めていきます。

 本プロジェクトは次の三者で共同研究を行い、現在のコードの規格に基づき混在環境での識別方法などを設計します。その担当分野は以下のとおりです。

 なお「ucode」を含むユビキタスID技術の研究発表イベントであるTRONSHOW2007(注4)の実験協力者、慶應義塾大学の研究発表イベントであるSFC Open Research Forum 2006(注5)の来場者にRFIDタグを配布して、実際にコード混在環境下での実証実験を行います。

 日本ユニシスは、ユビキタスIDセンターを運営する技術フォーラムであるT-Engineフォーラム発足の早い段階から幹事会員として活動し、また2003年よりEPCglobalの前身であるオートIDセンターの会員となって活動し、慶應義塾大学SFC研究所とは長期にわたって共同研究を実施してきた経緯があり、加えて電子タグの実証実験や導入についても実績を持っています。
 今回の実証実験では2大学の知見と電子タグに関するノウハウを活かしつつ複数コード体系を扱うプラットフォームを構築します。 プラットフォームには「社会プラットフォーム」を構築するソフトウェアRinza®(注6)を使用します。

以上

注1: ucode
「ucode」はユビキタス・コンピューティング環境で、あらゆるモノや場所を識別するために提唱されたコードであり、東京大学大学院 坂村健教授が主催するT-Engineフォーラムに設置されたユビキタスIDセンターが標準化を進めています。
「ucode」は、128bitで構成されており、モノや場所を識別することに特化し、番号が重複しないように発番され、発番された数字に意味を含まない方式をとっています。
特長的な点として、物流応用はもちろん、場所に応じた情報提供や歩行者ナビゲーション、食品や医薬品のトレーサビリティ、公物管理、イベント支援など、特定の応用に寄らず、さまざまな応用に適用することができ、次の情報社会基盤とすることを目指しています。また、「ucode」を載せるタグ媒体として、RFIDだけでなく、バーコードや二次元バーコード、カラーコード、アクティブタグ、センサーネットワークノードなど、利用状況に最適なIDタグを使うことができます。すでにアジアを中心に国際展開も実施しており、中国の北京・上海、韓国、シンガポール、オーストラリア、ベトナム、タイ、台湾といった国の中に「ucode」技術の拠点が形成されています。
注2: EPC (Electronic Product Code)
「EPC」は、商品にコードを付けて流通の効率化を目指す趣旨が強いもので、大きな課題であるタグのコスト低減に成功し、EPCコードが普及した場合、製造、流通、販売、リサイクルにまつわる産業には流通コストの効率化だけでなく、店舗の形態を変えるさまざまなサービスが生まれる可能性があります。
「EPC」は96ビットから成り、(1)EPCのバージョン(8ビット)、(2)メーカー番号(28ビット)、(3)商品番号(24ビット)、(4)シリアル番号(36ビット)により構成されています。「EPC」は、その前身であるオートIDセンターが研究開発を進めていた「オートID」と呼ばれる技術を用い、ID体系の普及啓蒙を目的としたEPC Globalと、技術開発を担当するAuto ID Labsの2つの組織に活動が引き継がれています。Auto ID Labsは、世界7大学に研究拠点を置いており、慶應義塾大学に拠点を置くAuto-ID Lab.Japanはその一端を担っています。この他、米国マサチューセッツ工科大学、英国ケンブリッジ大学、豪アデレード大学、スイスのザンクトガレン大学、中国の復旦大学、韓国のICU(Information Communication University)に研究組織があり、それぞれ専門に基づいた研究活動を行っています。
注3: 社会プラットフォーム
企業から始まったIT化は、パーソナルコンピュータや携帯電話、情報家電などの普及により個人から社会のレベルまで広がりました。この歴史は「企業のIT化」→「個人のIT化」→「社会のIT化」と言えます。今後「社会のIT化」を支える礎となるのが「社会プラットフォーム」です。
注4: TRONSHOW2007
トロンプロジェクトは、1984年の発足以来、ユビキタス・コンピューティング環境の実現に向け活動している。このプロジェクトを進めるにあたり、広く活動内容の周知を目的に開催しているものがトロンプロジェクトシンポジウム「TRONSHOW2007」であり、今年は第23回を数えます。
会 期 : 2006年12月5日〜7日
開催場所 : 東京国際フォーラム(東京・有楽町)
注5: SFC Open Research Forum 2006
慶應義塾大学SFC研究所では、その研究成果の社会還元を重要な社会責任の一端と考え、研究成果の一般公開と、さらなる産学連携の推進を目的に毎年「Open Research Forum(ORF)」を開催し、展示や実証実験、シンポジウムを実施しています。
会 期 : 2006年11月22日・23日
開催場所 : 東京・丸の内の丸ビル、三菱ビル、東京ビル(TOKIA)を予定
注6: Rinza
日本ユニシスではユビキタス社会の発展のためには情報利活用のための共通基盤となる「社会プラットフォーム」の整備と普及が重要であると考えています。ユビキタス社会でやり取りされる多種多様なデータを現実世界に即した形で整理しIT利活用の促進を図る「社会プラットフォーム」構想を「Rinza(リンザ)」と呼び、構想を具体化するためのソフトウェアを同じく「Rinza」という総称名のもとで開発しています。
「Rinza」はオープンイノベーションによる発展を狙い、「Tyzoh®(タイゾウ)」というコミュニティでOSSとして公開しています。

注釈/リンク

Rinza、Tyzohは、日本ユニシス株式会社の登録商標です。
その他記載の会社名および商品名は、各社の商標または登録商標です。
* 関連URL:
 Auto-ID Lab. Japan:http://www.autoidlab.jp/
 「TRONSHOW2007」 http://www.tronshow.org/
 「SFC Open Research Forum 2006」 http://orf.sfc.keio.ac.jp/
 「Tyzoh(タイゾウ)」 http://www.tyzoh.jp/
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その後予告なしに変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。

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